新型コロナウイルス問題が表面化してから、既に1年以上が経過しました。現在でも、東京など一都四県に関しては、予断を許さない状況が続いていますが、日本国内でもようやくワクチンの接種が開始されるなど、新型コロナウイルス問題は収束の光がわずかに見え始めたように思えます。
しかし、1年以上も自粛を強いられる社会生活が続いていることから、国内消費の落ち込みが続いており、多くの企業が資金繰りに頭を悩ませていると言われています。特に、大企業に比べて信用力が乏しい中小企業などでは、金融機関からの新たな借り入れに高いハードルがあり、廃業を選択する事業者様も徐々に増加していると言われています。
そこでこの記事では、新型コロナウイルス問題に対して、政府などが行っている資金繰り支援策をご紹介していきます。
Contents
コロナ対応のための企業支援策について
それでは、新型コロナウイルス問題への対応策として行われているさまざまな支援策をご紹介していきます。
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、以下のような目的で行われています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に、売上の減少など業況悪化をきたしているが、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者を支援します。
引用:日本政策金融公庫公式サイトより
中小法人、個人事業主などが利用対象者となっており、以下を満たしていることが条件となります。
- 最近1ヵ月間等の売上高(注1)または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること
- 中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること
新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資限度額や金利などについては、日本政策金融公庫公式サイトでご確認ください。
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
セーフティネット貸付は、売上減少などを理由に経営困難な状況にある事業者様の支援策として従来から行われていたのですが、新型コロナウイルス問題への対応として、利用条件が緩和されています。この支援策は、「外的要因により、一時的に、売上の減少など業況悪化を来しているが、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化」が目的とされています。
コロナ禍の現在は、新型コロナウイルス問題による影響が見込まれる事業者であれば利用可能となっています。『セーフティネット貸付』関連の詳細は、以下でご確認ください。
[新型コロナ関連]マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
マル経融資は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者について、経営改善に必要になる資金を『無担保・無保証人』にて融資してもらうことができる制度になります。
新型コロナウイルスによる影響に関しては、以下のような事が条件となります。
※商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けており、商工会議所等の長の推薦が必要
> マル経融資の詳細
セーフティネット保証4号・5号
セーフティネット保証は、経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度となります。それぞれの詳細を以下に転載しておきます。
※最近1ヶ月の売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合
※最近1ヶ月の売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合
> セーフティネット保証の詳細(P.17)
> 中小企業庁から公表された情報
上記以外の政府系支援策は以下をご参照ください。
助成金名 | 詳細 |
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生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付 | 詳細はコチラ |
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付 | 詳細はコチラ |
生活衛生新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付 | 詳細はコチラ |
また、経済産業省が融資関連の制度をまとめた資料を公表していますので、以下もご確認ください。
> 経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの影響により、資金繰りに悩んでいる事業者様に向けて、資金繰りに活用できる融資制度をご紹介してきました。新型コロナウイルスは、私たちの社会生活を一変させており、自粛を強いられていることから、国内消費の落ち込みが深刻になっていると言われています。在宅時間が増えたことにより、冷凍食品やパスタなど、一部の製品に関しては好調に推移していると言われていますが、非常に多くの事業者様はコロナ問題による大打撃を受けていると言われています。
現在、業績を回復させるための資金繰りに悩んでいる事業者様は多いと思いますので、この記事でご紹介したような支援制度を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。