「ずっと働きたい!」と思う環境作り。福利厚生TOP企業の取り組みを知っておこう!

近年、様々な場所で耳にするようになってきた『福利厚生』という言葉。いまや求職者の多くが「会社を選ぶときには福利厚生を重視する」のが当たり前と言われるほど重要なポイントとなっています。
実際に、日本社宅サービスが内定者向けに行った調査では、『給与』に次いで『福利厚生で会社を選んだ』との答えが多いという結果が出たそうです。これからも分かるように、企業側から考えると「より良い人材を採用する」事を考えると、今の時代どれだけ充実した福利厚生を行っているのか?という視点が非常に重要なポイントになっており、従業員満足度の向上や従業員の定着率、モチベーションアップのためだけに行うのではなく、『新たに優秀な人材を確保する』為にも福利厚生に力を入れなければならないのです。
しかし、ここで経営者や企業担当者の頭を悩ませるのは「どういった福利厚生が好まれるのか?」「どのような企業を参考にすればいいのか?」という事がなかなかわからないことです。そこで今回は、中小や大手など問わず、従業員を大切にしており、従業員にも好まれている独自の福利厚生取り組み事例をいくつかご紹介していきたいと思います。従業員にも人気の取り組み事例を参考にすれば、手早く充実した福利厚生を導入することができますので、従業員に「ずっと働きたい!」と思ってもらえる環境作りも容易になるのではないでしょうか?

勤務時間や育休等、就業条件関係の福利厚生事例

それでは最初に、働き方改革の流れの中で、近年非常に重視されるようになってきた就業条件関連の事例についてみていきましょう。就業条件に関する事例には、育児支援や短時間勤務、柔軟な働き方など企業独自の特徴が出やすい面もありますね。

事例1 株式会社エブリプランの『ニコニコ出勤制』

株式会社エブリプランは、島根県に本社があるコンサルティング会社です。近年では従業員が定められた時間内で就労時間を選択するフレックスタイム制を採用する企業も多くなっていますね。しかし、エブリプランが行う『ニコニコ出勤制』は、1週間のうち1日だけは通常よりも1時間遅い出勤時間にしてよいという制度です。フレックス制は、出勤や退勤時間は自分で選べるものですが就業時間数に関しては変わることがありません。一方『ニコニコ出勤制』の場合は、退勤時間は普段と同じなので、単純に出勤時間を遅らせた分の就業時間は消滅するのです。この辺りがフレックス制との大きな違いといえます。
一見、あまり効果的には見えない制度に思えますが、社員には非常に好評で、作業時間を削った時間を考えても、作業効率がアップしたことの好影響で実績も好調になっているそうです。

事例2 株式会社ランクアップの『ベビーシッター依頼をサポート』

株式会社ランクアップはクレンジング商品などの製造販売を行う企業です。株式会社ランクアップが行っている福利厚生は、会社でベビーシッターと契約し、ベビーシッターが必要な従業員は、定額で何度でも利用が可能な制度です。近年、育児休暇などへは非常に注目度が高く、採用している企業も増えていますが、ベビーシッターの利用サポートはあまり聞きませんね。女性社員であれば、育児休暇が終わったとしても、小さなお子様が熱を出すなどした場合、保育園が預かってくれない時には出勤できないことも多くあります。そのため、株式会社ランクアップでは、女性が安心して出勤できるように、同社社員であれば1回300円の負担だけで何度でもベビーシッターの利用ができるという制度を作っています。
この制度の導入成果としては、「社員の出産率50%」、「出産後の復職率100%」と驚きの数字をたたき出しています。

休暇制度関係の福利厚生事例

次は独自の休暇関連の福利厚生制度を作っている事例を見ていきましょう。休暇関連で言うと、育児休暇や介護休暇などは法律で定められた法定福利厚生に入るのですが、これ以外にも企業独自でユニークな休暇制度を作っている企業があるのです。

事例3 サイボウズ株式会社『最長6年の長期育児・介護休暇』

最近様々な面で話題を提供するサイボウズ株式会社ですが、福利厚生の面では非常にユニークな制度が多く、かなり驚いてしまうものも多いです。近年では、育児休暇に力を入れている企業というのは非常に増えていますが、介護休暇に関してはあまり話題になることも少なく、考えたこともないという経営者も多いでしょう。しかし、今後の日本は確実に超高齢化社会に向かいますので、早急な介護休暇制度の制定は非常に重要だと考えられます。
そこでサイボウズが導入したのが、要介護状態問わず回数制限なしに取得できる最長6年間の介護休暇です。この取り組みは非常に話題となり、超高齢化社会を見越した日本で、非常に好事例言えると思います。このような取り組みを行う理由は、サイボウズが「社員が辞めなくて済む会社」「安心して働ける会社」という考えを持っているからだそうで、元々土日でも休みを取らない人の多いIT業界において、創業9年目で離職率が30%近くまで上がってしまったからだそうです。しかし、このような取り組みを始めてから、現在では離職率4%まで劇的な改善がみられています。

事例4 株式会社チカラコーポレーション『失恋休暇制度』

非常にユニークな休暇制度関係の福利厚生で、チカラコーポレーションが行う『失恋休暇制度』というものがあります。これは、失恋してしまった場合には、年代に応じて有給休暇をとれる制度になっており、”心の痛み”度合いによって日数が加算されるなど、真面目なのかふざけているのかよくわからない制度です。失恋休暇制度については、特段取得回数制限などもないそうなので、1月に何度失恋しても有給がとり放題な制度になっています。

その他の福利厚生事例

最後に、社員のモチベーションを上げる様々なユニークな福利厚生制度をご紹介していきましょう。

事例5 面白法人カヤック『サイコロの出た目で給料が増える』

面白法人カヤックは、他にはない様々な福利厚生制度があり、その中でも特にユニークなのが「サイコロの出た目に応じて給与が+αされる」というサイコロ給ですね。文字面だけを見ると何のことかさっぱりわかりませんので、以下にどのような計算になるのかご紹介しておきましょう。
例)月給40万円の人のサイコロ給
サイコロの目が「6」だった場合 → 「40万円×0.6=2万4千円が+される」
サイコロの目が「1」だった場合 → 「40万円×0.1=4千円が+される」

上記のようにサイコロの目によって月収が増えるわけです。さらに面白いのが、社員の出たサイコロの目をオフィシャルサイト内でまとめて公開している点です。サイコロ給の結果はこちら

事例6 カルビー株式会社『毎日席替え制度』

ポテトチップス等、日本人なら誰でも食べたことがある様々なお菓子を製造販売するカルビー株式会社ですが、この会社ではフリーアドレスと呼ばれる、毎日社内の席が日替わりで変わっていく仕組みを導入しています。この仕組みによって、次の日は他の人が使用するわけですから、常に綺麗な状態のデスクが保たれることになり、仕事効率のアップやモチベーションアップにつながっているそうです。他にも、毎日周りの環境が変わることで、常に気持ちを新たにできますし、普段はあまり交流のない社員との連携もしやすくなるなど、様々なメリットがあります。

まとめ

今回は、近年求職者の仕事を探すポイントとして非常に重要視される福利厚生について、様々な企業が行う福利厚生事例をご紹介してまいりました。福利厚生制度に関しては、どちらかというとベンチャー企業の方が最先端でユニークな制度を導入しているイメージの方が強い気がします。これは、企業が従業員のモチベーションアップや離職率の減少を目的としていることもあるのでしょうが、より優秀な人材に自社がリーチするためともいえるでしょう。
今回、本稿でご紹介した以外にも、様々なユニークな福利厚生制度が近年登場しています。現在、スタッフのモチベーションアップの目的や従業員の定着率のアップをお考えであれば一度調べてみることをオススメします。もちろん、いきなりオリジナルの制度を設計・制定し運用していくというのは意外と難しいものですので、「これは!」と思った他社の事例を参考に、自社に導入してみるのもいいのではないでしょうか!

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