ストレスのたまる研修はもう古い?ユニークな新人研修をご紹介します!

企業で実施される新人研修は、非常に厳しく新入社員にストレスを与えるような研修内容が少なくなくないというイメージがありますが、最近では、本人のやる気を引き出すため「楽しみながら研修する」ということに重点を置いているユニークな新人研修が増加しています。企業の採用担当者の中には、新人研修の内容に毎年悩んでしまうという方も少なくないでしょう。本稿では新人研修の中でも筆者が面白いと思ったユニークな研修をご紹介します。ぜひ貴社の新人研修のヒントにされてはいかがでしょうか。

ネットでも話題!漫画から学ぶ『スラムダンク研修』

20代中盤から30代の方であれば、男女問わず一度は見たことがありそうな超人気漫画『スラムダンク』を研修に利用するという非常にユニークな手法です。そもそも漫画と社会人の研修のどこにつながりがあるのかと、筆者も非常に疑問に思ったのですが、これが意外に評判が良いようです。
実際にどのような研修を行うのかというと、漫画の中の一部のストーリーを抜粋し、チームとしての在り方を学ぶために利用するそうです。

「誰のどのような行動が試合の流れを変えたか?」「なぜ、急にパスがつながるようになったのか?」などのテーマで話し合うことで、チーム作りに重要な要素を学べるという。
引用:J-CAST会社ウォッチ

このスラムダンク研修のメリットは、小難しい参考書を利用せずに、人気漫画を利用することで、若者でも研修内容に集中しやすくなるという点でしょう。実際のストーリーに入り込んで、「自分ならどのような行動をとるのか?」「どう差配すれば上手くいくのか?」など、自分を登場人物に置き換えて、チームの中での役割の重要性を客観的に見ることができるようになります。
題材が漫画という点で、遊んでいるようにも思えますが、いつでも行うことができる気軽さがあるので、チームワークの向上には非常に役立つのではないでしょうか。

真夜中の東京を歩いて観光?『kmウォーキング』

これは、東京のタクシー会社である国際自動車株式会社が行った新人研修です。方法としては非常に単純で、真夜中に東京都内の有名観光スポットを、5~6名のチームを組み歩いて回るというものです。2016年4月に行った『kmウォーキング』の工程は以下の通りです。

全行程 35km
順路 赤坂=東京タワー=帝国劇場=皇居外苑=銀座4丁目交差点=日本橋=秋葉原=上野公園=田原町=浅草=台東営業所=東京スカイツリー=両国=明治座=清住白河=富岡八幡=豊洲=東雲営業所
引用:公式サイトより

この研修は、同期の人とチームを組んで長い道のりを歩くことで団結力が高まるだけでなく、歩いてみないと分からないような観光ポイントを自ら見つけることができ、お客様に有益な情報の提供が可能になることや、実際にタクシーで街に出る時、車で通りやすそうな道を探すことができるなど、副次効果も非常に多いようです。
タクシー会社ならではの研修ですが、簡単に言うと「夜中に歩くだけ」ですので、研修費用も抑えられるのもとても大きな魅力になるのではないでしょうか。

最近の流行り?『バーベキュー研修』

従来の研修と言えば、林間学校のような山奥の宿泊施設に新入社員を集め、泊まり込みで厳しいビジネスマナーの研修を行うというものが多かったように思えます。こういった新人研修は、威圧的な研修が行われることも多く、最近ではパワーハラスメント問題に発展しかねない物ととらえられています。
そこで、近年取り入れられているのが、バーベキューのような楽しみながらコミュニケーションが取れる研修手法です。バーベキューは、単にお酒を飲みながら肉を焼いて話すだけですので、研修会というより懇親会のようなイメージになりがちのものです。しかし、実際にバーベキューを行う場合、場所取りから材料の用意、現場での準備など、さまざまな『役割』があるため、これを新人に担当させることによって、連帯作業の重要性がわかると言われているのです。また、バーベキューの準備のため、新人同士が密に連絡を取ることで、新人同士のコミュニケーションもスムーズに取れるようになります。
新人研修は、「厳しく、面白くない…」「ストレスがたまる…」などといわれていましたが、最近では娯楽性を取り入れることにより楽しみながら連帯感を持たせる手法に変わってきているようですね。

いつもと違った環境で!『アウトドア研修』

これは、株式会社スノーピークビジネスソリューションズが手がける、アウトドアと研修を融合させた新しい形の新人研修です。この新人研修は、キャンプ場で行われるもので、テントやタープの設営は研修を受ける新入社員が協力して行わなければいけません。そうすることによって、普段の仕事では見つけることができない、社員同士の新たな一面を見ることもでき、自然にチームビルディングも進んでいくと言われています。

共同作業を自然の中で共に行うことでチームが1つとなり強い絆が生まれます。屋外で行うアウトドア研修では、オフィスでの会議とは違う開放的な気分でアイデア出しや意見交換が行えたり、普段なかなか意見が出ない方も自然と意見が出てきます。夜は焚火を囲むことで本音を引き出す話ができ、ビジョンの共有に最適です。
引用:公式サイトより

開放感と娯楽性のあるアウトドアでの研修は、アウトドアとは全く関連性のない業種の企業でも有効に活用できるのではないでしょうか。また、研修の最後には、BBQやさまざまな屋外遊びで、社員同士の親睦にもつながると思います。
アウトドア研修の実績は、公式サイトで確認できるので、一度そちらもご参照ください

まとめ

「新人研修」とひと口に言っても、最近では非常にユニークな手法を採用している企業も多くありますが、バーベキューやアウトドアといった社外での研修となると安全面の配慮も十分に必要になります。本稿でご紹介したような娯楽性を持たせた新人研修が『正しい』という訳ではないが、従来のような社員にストレスや圧迫感のある手法はあまり有益な新人研修にはならないのではないかと個人的に思います。
企業側からすると、できるだけ早く戦力になってもらうため、多少厳しくても教えることが重要と考えるかもしれませんが、結局はその人のやる気や意欲が無ければ、いくら研修をしても期待した効果は得られないものです。したがって、本稿でご紹介したような、社員が楽しく主体的に参加できるような新人研修が企業理念に近いのであれば、導入してみても良いのではないでしょうか。