製造業の省人化対策で注目!遠隔操作ロボットの歴史と実際の導入事例について

少子高齢化が進む日本では、年々労働人口の減少が続いていると言われており、さまざまな業界で人手不足が深刻化していると言われています。特に工場や倉庫などの現場作業に関しては、「過酷な作業現場…」「危険を伴う仕事がある…」と言ったネガティブなイメージから、新たな人材の確保に苦戦している企業が非常に多いと言われています。

そこで、製造業や倉庫業と呼ばれる業界では、最新テクノロジーの導入による省力化・省人化が注目されるようになっており、これまでは人手でしか難しかった作業を、ロボットなどに任せることで、人手不足の解消を目指すようになっています。特に、ここ数年、大手メディアなどでも頻繁に取り上げられるようになっている第5世代移動通信システム(5G)が発展してきたことから、遠隔操作ロボットの技術が飛躍的に進化しており、作業現場の省人化に繋がる技術だと年々注目度が高まっています。

そこでこの記事では、ここ数年、飛躍的に進化していると言われている遠隔操作ロボットについて、簡単に解説していきたいと思います。遠隔操作ロボットは、以下のような要望がある企業には非常に有用な設備になりますので、その基礎知識からおさえておきましょう。

  • 省力化、省人化によるコストダウンを目指したい!
  • 生産性をアップして売上を上げたい!
  • 人的ミスを減らして製品の品質を高めたい!

参考:Fact ism「工場における『5G』の活用?製造業への5G導入はどんなメリットが?

遠隔操作ロボットの成り立ち

遠隔操作ロボットは、その言葉からイメージできるように、離れた位置から操作できるロボットのことで、過酷な作業現場または危険を伴う作業などでも、作業員の安全を守りながら業務を遂行することができる非常に便利な設備になります。当然、非常に高度な技術が必要になることから、開発されたのもつい最近のことだと考えている方が多いことでしょう。しかし、遠隔操作ロボットは1940年代から開発が行われていた技術です。以下に、福岡大学情報基盤センターの遠隔操作ロボットの歴史に関する記述をご紹介しておきます。

遠隔操作ロボットの歴史は古く、1947年にはアメリカのアルゴンヌ国立研究所で作業者が核燃料を離れた場所から取り扱うためのロボットアームが開発されています。当初は操作デバイスとロボットアームをリンク機構やワイヤで機械的につないだマジックハンドのようなものでしたが、1950年代に入ると電気的に結合したものが開発されて機械的な制約がなくなり、動作範囲が拡大しました。その後、宇宙、海洋探査、建設現場、外科手術など様々な分野に応用が広がっていきました。
引用:福岡大学情報基盤センター「遠隔操作とテレロボティクス

このように、遠隔操作ロボットの始まりは、なんと1940年代のアメリカと、その歴史は非常に古い技術です。そして、遠隔技術ロボットが必要とされた理由は「放射性物質を取り扱うため」で、要は人が立ち入ることができない環境での作業を可能とするために開発が始まっています。そして現在では、製造現場や建設現場、医療分野などと、多種多様なニーズに応えられる技術としてさらなる進化が目指されている状況です。

災害対応や社会課題の解決にも注目されている

上述のように、遠隔操作ロボットはかなり昔から開発が行われてきた技術です。そして日本国内で一気にその注目度が高まった理由として、災害対応に非常に有用な技術だということがあるでしょう。例えば、2011年の東日本大震災では、福島第一原子力発電所事故の関係もあり、人間が現場に立ち入って被害状況の把握をすることが非常に難しい状況でした。そこで大活躍したのが、遠隔操作が可能な災害対応ロボットで、無線機と中継機を利用した遠隔操作技術によって撮影された映像は、テレビのニュースなどでも多くの方が目にしたことでしょう。

さらに近年では、遠隔操作ロボットを活用することで、さまざまな社会的な課題を克服しようという動きもスタートしています。例えば、病気や怪我、外出困難などの理由により、移動が制限されてしまうことで、社会に参加することができないという人が遠隔操作ロボットを通して社会に参加するという技術です。
オリィ研究所が提供している「OriHime」シリーズの分身ロボットに関しては、このロボットを用いることで、何らかの理由で社会参加が難しい人でも、接客作業ができることを実証し話題になりました。

このように、現在では、さまざまな場所で遠隔操作ロボットが活用されるようになっており、工場や倉庫などでも、省力化・省人化を実現する最新技術として大きな期待を寄せられています。

参考:分身ロボット「OriHime」
参考:災害復旧を支援する遠隔操作型ロボット

遠隔操作ロボットの種類について

それでは、製造業などに導入され始めている遠隔操作ロボットについて、どのような種類があるのかも簡単にご紹介しておきます。近年では、さまざまな製造企業が、これまで人が行っていた作業の省力化・省人化を目指すようになっていますが、その中でも遠隔操作やAI技術への注目度が非常に高くなっています。

ここでは、遠隔操作ロボットの主な仕組みとそれぞれのメリット・デメリットを簡単にご紹介します。

マスタースレーブ型

まずは「マスタースレーブ型」と呼ばれるタイプです。このタイプは非常に単純な仕組みになっているのが特徴です。

マスタースレーブ型は、マスター側のロボットとスレーブ側のロボットが、コントローラーを経由して電気的につながっており、動作させる仕組みになっています。以下の動画で仕組みがわかりやすく説明されています。

このタイプは、座標系を意識することなく直感的に操作が可能だという点がメリットです。近年では、マスター側のロボットコントローラーに相当する場所にAIを組み込むことで、AIが動作を学習し、その動きを自動で再現する技術の開発が始まっているそうです。

コックピット型

次は「コックピット型」と呼ばれるタイプです。建設機械系の遠隔操作ロボットでよく見かける種類と言われています。このタイプは、ロボットに取り付けられたカメラの映像や各種センサなどの情報をモニタリングしながら操作することになります。多岐にわたる情報をモニタリングしながら操作する必要があるため、慣れるまでは操作が大変ですが、広い視野、知覚領域を拡大した情報を扱いたいなどという場合に向いていると言われています。
近年では、広大な施設の警備ロボットなどとして導入されるようになっており、通常時は自動運転の巡回ロボットとして動作し、何らかの異常を発見した時に、遠隔操作に切り替えて現場に向かわせるなどと言ったことも可能となっています。以下にこのタイプの実証実験動画をご紹介しておきますので、そちらも確認してみましょう。

まとめ

今回は、さまざまな場所に導入され始めた遠隔操作ロボットの基礎知識についてご紹介しました。少子高齢化による労働人口減少が進む日本では、さまざまな業界で省力化・省人化のための対策が検討されるようになっています。工場や倉庫などでは、この記事でご紹介したような遠隔操作ロボットやAI技術などが注目されており、最終的には、完全な自動化が目指されているところです。

このようなロボット技術の導入は、コストがかかるという問題もありますが、人手不足解消のためには必要不可欠な技術になっていくと考えられます。まずは、自社に導入した場合、どのようなメリットがあるのかを検討するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

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