トラックドライバー不足が深刻化…どのような対策が考えられているのか?

現在、日本国内の物流業界では、ドライバー不足が深刻な問題となっています。Eコマース全盛期とも言われるように、なんでもインターネットで購入できる便利さの裏側には、年々増加する小口貨物によって、トラックドライバーの労働環境はどんどん悪化しているとも言われています。もちろん、少子高齢化など、そもそも労働人口の減少が進んでいることなども大きな原因の一つになっているのでしょうが、深刻化するトラックドライバー不足の問題を解決するには、どのような対策が必要になるのでしょうか?
自動車による輸送は、国内貨物総輸送量の約9割(トンベース)を担っているとも言われており、日本国内の貨物輸送は、まさにトラックドライバーの方たちが支えているといっても過言ではないのです。「自分は物流業界で働いていないから関係ない…」と思うかもしれませんが、このままドライバー不足が進んでしまうと、私たちの生活にも多大な影響が出ることは間違いありません。そこで今回は、トラックドライバー不足を解決するために効果的と考えられる対策についてご紹介します。

ドライバー不足の現状

引用:国土交通省『トラック運送業の現状等について』より

それではまず、日本の物流業界で「どれほどドライバー不足が深刻化しているのか?」ということについて簡単にご紹介しておきましょう。普段の生活を考えてみると、街中を走る大型トラックや、小口配送の配達員さんなどを一度も見ずに一日が終わる事はありませんよね。この状況だけを見ると、「トラックドライバー不足が深刻…」などと耳にしても、にわかには信じられないと考える人も多いのではないでしょうか?しかし、国土交通省がまとめている「トラック運送業の現状等について」という資料で公表されている「ドライバーの有効求人倍率推移」を見てみると、物流業界で起こっているドライバー不足の深刻化は明らかなのです。
上の表を見ていただければ一目瞭然ですが、平成21年度における貨物自動車運転手(パートを含む)の有効求人倍率は『0.5倍』を下回っていました、しかしそれ以降、年を追うごとに右肩上がりに求人倍率が高くなっており、平成29年10月にはついに2.5倍を超える数値になっています。さらに平成30年10月を見ても有効求人倍率『2.79倍』と非常に高い倍率で推移していることがわかります。
平成30年10月における全職種の有効求人倍率が『1.49倍』だということを考えれば、トラックドライバーの有効求人倍率がどれだけ高いのかということがよくわかります。このデータからも、多くの物流関連会社がトラックドライバーの確保に苦労していることが予想できます。

参考資料:国土交通省『トラック運送業の現状等について』

若年層や女性がトラックドライバーを敬遠?

引用:国土交通省『物流を取り巻く現状について』より

トラックドライバー不足が深刻化している要因としては、少子高齢化の影響や女性進出の遅れなども考えられます。上の表は、平成29年に総務省が行った『労働力調査』をまとめたものなのですが、道路貨物運送業で働く人のうち、40~54歳の方が占める割合が4割以上なのに対し、20代の若年層は1割にも満たない数となっています。全産業で考えると、40~54歳が3割強、20代が1.6割となっており、トラックドライバーという職種では、相対的に若い世代の働き手が少なく、今後さらに事態が深刻化するのではないかと考えられます。
さらに、女性進出の状況はもっと深刻だと考えられ、全産業における女性の割合が4割を超えているのに対し、トラックドライバーは2.4%と極めて低い状況にあるのです。日本は、将来的な人口減少が予測されており、さまざまな産業で人材不足の問題が表面化すると予測されています。しかし、トラックドライバーの人材不足は、他の業界よりも速いスピードで深刻化していると考えられており、これを解消するためにはさまざまな対策を講じる必要があるのでしょう。

参考資料:国土交通省『物流を取り巻く現状について』

ドライバー不足解決のための対策について

それでは、トラックドライバー不足を解消するための効果的な対策とはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、物流業界のトラックドライバー不足を解消するための具体的な対策についていくつかご紹介します。

待遇の改善『賃金など』

物流業界で問題となっているトラックドライバー不足を解消するためには、まずは賃金の改善が必要と言えるでしょう。一昔前であれば、長距離トラックドライバーは高収入が得られると言った話を耳にすることもありましたが、実際にはトラックドライバーの年間所得額平均は、全産業の平均を下回っています。一般的に、大型トラック運転手で全国平均より約1割少ない水準、中型トラック運転手で約2割少ない水準になっていると言われています。
従業員にとって、『賃金』はとても重要な要素となりますので、トラックドライバーを確保するためには、最低でも他の産業と同水準になるように賃金を上げる必要があるでしょう。

待遇の改善『労働時間など』

トラックドライバー不足が深刻化してきた近年では、ドライバーの労働状況が問題視されるようになっています。トラックドライバーの長時間労働問題などは大手メディアなどでも盛んに特集されていますので、こういった労働環境の悪さが注目され、若年層の働き手に敬遠されているのかもしれません。実際に、トラックドライバーの年間労働時間を全産業の平均と比較すると、大型トラック運転手で約1.22倍、中型トラック運転手で約1.16倍と、労働時間が長いのが現状なのです。
したがって、トラックドライバー不足を解消するためには、長時間労働などの労働環境を改善する必要があるでしょう。トラックドライバーの労働時間が長時間化する理由のひとつに、「待ち時間が長い…」といった点がよく上げられますので、こういった時間ロスを少なくする対策も必要でしょう。

荷役作業の負担軽減

トラックドライバーは、運転するだけが仕事ではありません。多くの場合、荷物の積み下ろしなど、荷役作業がセットになっており、重量物の荷役作業は高齢ドライバーや女性ドライバーにとって非常に大きな負担となってしまいます。この部分は、女性進出を遅らせている大きな原因とも考えられるため、将来的なトラックドライバー確保のためには、運転以外にかかる負担を軽減させる必要もあるでしょう。
もちろん、「トラックドライバーは運転だけに専念させる!」といった手段はあまり現実的ではありませんが、せめて手積み手下ろしで行う荷役作業を機械で行うようにするなどの対策は必要でしょう。こういった荷役作業にかかる負担を軽減できれば、高齢者や女性など、もっと幅広い層からの人材採用が可能になり、ドライバー不足の解消に効果的な対策となるでしょう。

まとめ

今回は、物流業界で深刻化していると言われるトラックドライバー不足についてご紹介しました。近年では、インターネット通販がどんどん拡大していますし、それに伴う物流業界の負担はどんどん大きくなっていると言われています。実際に、物流業界では、トラックドライバー不足だけでなく、倉庫作業における人員の不足も問題となっており、今後、他の産業と争って人材確保をしていくための対策はいろいろと考えられていることでしょう。

AIやIoTの導入など、自動化を進めることで省人化を目指す対策なども行われていますが、ドライバーに関して無人化するのはまだまだ難しいことだと思います。したがって、物流関連会社においては、トラックドライバーを確保していくために、上述したような対策を進めていく必要があるのではないでしょうか?もちろん、ドライバーの待機時間をできるだけ減らすため、IoTの導入などは並行して考えてみていかがでしょうか。

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