工場や倉庫での省エネ対策!まずはすぐにできることから始めましょう。

今回は、工場や倉庫において、すぐに始められる省エネ対策についてご紹介していきます。企業にとって、工場や倉庫などの大型施設の省エネは、自社の利益を効率的に最大化できるというメリットがあるだけでなく、地球環境保全という非常に重要な取り組みとなり社会貢献としての意味も持っています。特に近年では、地球温暖化や大気汚染など、地球環境を取り巻くさまざまな課題が世界中で話し合われており、一般住宅とは比較にならないほどのエネルギーを消費する大型施設での省エネ対策は必要不可欠となっています。
しかし、一口に「工場や倉庫の省エネ対策が必要!」などといわれても、省エネ設備の導入にはそれなりの費用がかかってしまいますし、そもそも何から手を付けて良いのかわからない…という声はよく耳にするものです。そこで今回は、工場や倉庫における省エネ対策の中でも、できるだけ身近であまりコストをかけることなく進められる省エネ対策についてご紹介していきたいと思います。

低コストで進められる省エネ対策について

それでは、低コストで進められる省エネ対策についてご紹介していきましょう。工場や倉庫など、大規模施設での省エネ対策については、一般家庭と比較して、その効果も大きいことから日本政府も積極的に対策を進めています。例えば、施設内で使用する生産設備などを省エネ仕様のものに入れ替える際には、設備の導入にかかるコストの一部を補助してくれるような制度もありますので、ぜひ利用したいものです。
しかし、工場や倉庫などの大規模施設であれば、そもそも使用するエネルギーが莫大であるため、もっと身近な部分からでも省エネ対策を進められるということを見落としている企業も少なくないのではないでしょうか。例えば、「空調設備の温度設定を適切に運用する」、「使っていない部屋の照明はこまめに消す」などということを徹底するだけでも、施設規模を考えるとそれなりに大きな省エネ効果を得ることができるはずです。
生産設備などの入れ替えによって省エネを目指すのは、コストも時間もかかるのでなかなか難しいものです。しかし、空調や照明といった一般設備であれば、すぐにでもできる対策はいくつもありますので、以下で簡単にできる省エネ対策をご紹介します。

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空調設備のフィルター掃除

身近な部分の省エネ対策において、効果的なのにもかかわらず多くの企業で忘れられがちなのが「空調設備のフィルターを定期的に掃除する!」ということです。
工場や倉庫などに関わらず、空調を最適な状態で使おうと思えば、ホコリがたまりやすい空調のフィルターを月1回程度のペースで清掃するのが最適だと言われています。実際に、定期的なフィルター掃除を実施した企業では、年間にして数十万円以上のコストカットが実現したという話もあるほどです。
フィルターの掃除と聞くと、大掛かりな清掃をイメージする人が多いかもしれませんが、月に1回程度、ホウキなどでフィルターのホコリを払う程度でかなりの効果があると言われます。

出入り口にビニールカーテンをつける

物流倉庫など、人や荷物の出入りが多い場所では、開口部から空調の冷気が逃げてしまいます。そのため、頻繁に出入りがあるような開口部を、ビニールシートなどで仕切り開放を防ぐと無駄な空調費の削減ができます。
また、空調をかける範囲をビニールシートで限定することも効果的です。敷地面積が広い物流倉庫などでは、人が作業するエリアはある程度限定されていますので、必要なエリアのみに空調を限定するという手法は省エネ対策として非常に効果的です。

屋根や外壁に断熱対策を施す

工場や倉庫などでは、軽量な金属屋根素材が採用されていることが多いです。金属屋根は、夏場ともなると直射日光の影響で表面温度が80℃近くまで上昇し、その熱が室内に伝わることで室温をあげてしまう原因となります。この場合、余計な空調不可が加わるので、空調のコストも高くなってしまいます。
こういったことを防ぐための対策としては、屋根や外壁に断熱塗装などを施すという手法があります。断熱塗装をすれば、屋根から室内に伝わる熱が少なくなり、空調のコストを抑えることが可能です。また、断熱塗装は防水効果もあるため、屋根や外壁自体の寿命をのばすことにもつながり、建物の改修費用を抑えるといったメリットもあります。ただし、断熱塗装工事を進めるにはそれなりのコストがかかってしまいます。屋根や外壁の断熱手法には、他にも断熱シートを施工する、散水設備を導入するなどもあります。こういった方法であれば、比較的低コストで省エネ対策ができますので、以下の記事も併せてご確認ください。

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【長期的対策】省エネ設計の施設を建設

これは、上述したような手軽な省エネ対策ではありませんが、長期的スパンで考えた場合の対策です。工場や倉庫において、長期的スパンで省エネ対策を考えた場合、省エネ設計を実装した施設の建設が最もオススメです。この場合、建物そのものにさまざまな省エネ対策を施すことができますし、省エネ設計の設備や電力消費の見える化ができるシステムなど、さまざまな設備の導入が可能です。
こういった施設の建設は、日々のランニングコストを節約でき、施設全体で大きな省エネ効果をもたらします。

【番外編】電気料金の契約を考える

これは省エネとは少し違いますが、事業継続にかかる電気料金を少しでも節約するためには非常に有効な手法です。2000年(住宅用は2016年)以降、電力自由化がスタートしたことにより、電気料金の価格競争が始まっています。したがって、新規参入した電力会社などの料金形態と現在の電気料金を比較して、より安い電気料金を提示してくれる会社と契約するなどすれば、年間にかかる電気料金を大幅に削減することも可能です。
新電力への切り替えは、導入コストなどもかけずに実行できる効果的な節約方法ですので、定期的に他の電力会社と価格比較して、より条件の良い電力会社を探すのがオススメです。

まとめ

今回は、工場や倉庫などの大規模施設において、身近で簡単に始めることができる省エネ対策についてご紹介しました。工場や倉庫といった施設は、一般家庭と比較にならないほどのエネルギーを消費しますので、地球温暖化対策やCO2の排出削減が求められる近年では、さまざまな省エネ対策に取り組むことを期待されています。したがって、省エネ効果の高い設備の導入時などは、それにかかるコストの一部を補助してもらうこともできます。
しかし、工場や倉庫での省エネ対策は、こういった大掛かりな対策ではなく、もっと身近な部分から始められる対策もたくさんあります。例えば、不要な照明は使わない、空調は適切な温度設定にするなどでも、一般家庭が行う省エネ対策とは比較にならないほどの効果があると言われていますので、もう一度身近な部分で自分たちに「何ができる?」ということを考えてみてはいかがでしょうか?
省エネ対策が実現できれば、その分かかっていたコストの削減も期待でき、一石二鳥ですね!