物流企業における新型コロナウイルス対応について

日本国内で新型コロナウイルスの最初の感染事例が確認されてから、既に1年以上が経過していますが、いまだ収束の兆しが見えない…というのが現状です。実際に、2021年5月以降、東京都や大阪府など、大都市圏に発令されていた緊急事態宣言が地方都市に拡大されるなど、各企業は舵取りが難しい状況に陥っています。

コロナ禍の現在では、人との接触を減らすということが非常に重要とされていることから、今まではなかなか普及してこなかったテレワークや在宅勤務という働き方が一気に広がっています。しかし、物流業界などは、顧客の手元に商品を届ける仕事という特性上、テレワークの導入が難しい業界と言えます。また、倉庫内の作業に関しても、ロボットの導入による自動化が一部では進んでいるものの、全ての作業を自動化することは難しく、まだまだ人手に頼っている業務は少なくありません。

それでは、人間の力がどうしても必要な物流業界では、どのようにして新型コロナウイルスに立ち向かっているのでしょうか?この記事では、日本物流団体連合会が行った、物流業における新型コロナウイルス感染症への対応動向についての調査データをまとめてご紹介します。

物流業界での新型コロナウイルス感染症対策について

この記事でご紹介する調査は、日本物流団体連合会が行ったもので、会員企業81社に対してアンケート及びヒアリング形式で調査が行われたとのことです。この調査の目的については、以下のように説明されています。

新型コロナウイルス感染症への対応について、感染拡大期から今秋までの間の問題点・課題等を把握し、今後の対応に資するため。
引用:物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査

それでは以下で、調査結果のデータについて簡単にまとめていきます。

新型コロナウイルス感染症対策として現場にどんな指示が出された?

引用:物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査

まずは、物流業界でも、実際にお客様の元に荷物を届ける人員や倉庫内で作業する現場作業員に対する指示です。
コロナ禍の現在では、物流は人々の生活に欠かせない職業(エッセンシャルワーカー)として認知されており、緊急事態宣言時下でも、多くの物流企業では、現場は原則出社となっており、出社時は感染リスクをできるだけ低くするため、自転車・車通勤などを推奨するなど、なんとしても「物流を止めてはならない!」という懸命な活動が続けられています。

物流業界では、お客様との接触・対面が避けられないドライバー業務や集団感染リスクが存在する倉庫内作業などがありますので、上図のように、さまざまな感染予防対策に関する指示が出されています。

新型コロナウイルス感染症対策として事務系業務に出された指示は?

引用:物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査

事務系業務に関しては、テレワーク・在宅勤務の導入が急務とされました。もともと働き方改革の一環で、「テレワーク、Web会議、ペーパーレス化の推進」を進めていた企業も多かったようで、そういった企業では新型コロナウイルス対策としてテレワークを拡大することも比較的スムーズに実施できたと言われています。しかし、物流業界全体で見てみると、必要な機器・通信環境(パソコンや携帯電話、通信機器、個別システムなど)が整わないことから、対応に苦戦した…という企業が多かったと言われています。実際に、テレワーク・在宅勤務の効果有無については、事務で74%、現場(現場事務)で69.3%とそれなりに高い結果になっている一方で、「全く機能しなかった」、「なんとも言えない」と否定的な意見も少なく無いと言われています。

Withコロナ時代に必要になる対策について?

引用:物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査

Withコロナ時代に向けては、上のグラフのように、半数以上の回答事業者が「非接触型、少人化、自動化など物流システムの見直し」「事務系従業員の出勤体制やテレワークの見直し」が必要になると答えています。
日本国内では、製造現場の自動化が先行していますが、近年では物流業界での最新テクノロジー導入による自動化・ロボット化が注目されています。新型コロナウイルス感染症の拡大により、この動きがさらに加速していくと考えられるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、(一社)日本物流団体連合会が行った「物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査」のデータをご紹介してきました。この記事は、物流業界で実際に行われた対策を中心にご紹介しています。なお、以下に、日本物流団体連合会が速報版として公表している資料についても、リンクを設置しておきますので、原本もぜひ確認してみてください。

新型コロナウイルスは、さまざまな業界に非常に多大な影響を与え続けていますが、新型コロナウイルス感染症を機に「非接触・非対面」の取組みに加え、「パレットなどの荷姿の標準化」、「業務のペーパーレス化」、「商習慣の見直し」など、物流の生産性向上に向けた取組みを進める動きが活発になっているように見受けられ、それについては業界内でも光明だと考えられるのではないでしょうか。

参考:物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です