アルコール除菌の基礎知識。食品工場では除菌がとても重要です!

今回は、さまざまな食品を取り扱う施設で働く方がおさえておきたい、アルコール除菌の基礎知識についてご紹介したいと思います。

食品工場や飲食店など、人が口にする食品を取り扱う施設では、徹底した衛生管理が求められています。施設内での衛生管理に不備があり、食中毒事故や異物混入が発生してしまえば、事業の存続すら危ぶまれる事態に発展してしまうことになるため、食品工場などでは衛生管理に関する新人教育なども徹底して行っていることだと思います。しかし、さまざまな技術が発展し、衛生管理の重要性が広く認識されている現在でも、食中毒事故を完全になくすことができていないのが現状なのです。

そこで今回は、食中毒を防ぐための大原則をご紹介したいと思います。

食中毒予防の3原則!

それでは、食品を取り扱う施設などがおさえておきたい食中毒予防の3原則を簡単にご紹介しておきましょう。
食中毒については、夏場に急増するものだとイメージしている方も多いですが、実は年度によっては冬場の食中毒件数の方が多い場合もあるのです。食中毒を引き起こす主な原因は、細菌やウイルスで、高温多湿化で繁殖する細菌性食中毒が夏場に増加し、乾燥する冬場にはノロウイルスを始めとしたウイルス性食中毒が増加するのです。つまり、日本国内においては「夏場だから食中毒に注意しなければ!」という意識だけではなく、本来は一年中食中毒への注意が必要になるのです。

それでは、さまざまな食品を取り扱う施設では、どういった事に注意すれば良いのでしょうか?

『つけない』『増やさない』『やっつける』が大切!

食中毒事故を防ぐためには、『つけない』『増やさない』『やっつける』が非常に重要と言われています。微量では大きな問題が起こらない細菌やウイルスなどの有害物質でも、人間の免疫力や抵抗力を超えるような量が侵入すると、下痢や嘔吐などの食中毒症状を引き起こします。
こういった食中毒を予防するためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

つけない!
食中毒予防では、食中毒の原因となる細菌やウイルスなどの有害物質を、食品や調理器具などに「つけない」ことが大切です。そのためには、小まめに手洗いなどを行い、手や調理器具を清潔に保つことが求められます。また、食品から食品への2次汚染を防ぐために、使用した調理器具は小まめに洗浄する、食材ごとに使い分けるなどの対策も求められます。
増やさない!
夏場に細菌性食中毒が増加するのは、高温多湿な気候が細菌の繁殖に適しているからです。食中毒を引き起こす細菌は、20℃程度の温度で活発に増殖し始め、35℃程度の温度になると猛烈なスピードで増殖すると言われています。また、高湿になるほど活発に増殖すると言われているなど、まさに日本の夏場は細菌の増殖条件が揃っていると言えるのです。しかし、こういった細菌も、10℃以下の低温環境になると増殖が鈍化し、マイナス15度以下になると増殖が停止すると言われているのです。
こういった事から、食中毒の原因となる細菌を増やさないためには、使用する食材をきちんと冷蔵庫など、低温状態で管理するということが大切です。
やっつける!
最後は食中毒の原因となる細菌やウイルスを「やっつける」というものです。食中毒の原因となる細菌やウイルスの多くは、加熱することで死滅させることができますので、加熱は食中毒予防の大きな対策となります。また、食材の加工を行う包丁やまな板などの調理器具についてもきちんと対策を行うことを忘れてはいけません。調理器具の使用後には、食中毒菌が付着している可能性がありますので、二次汚染や増殖を防ぐためにも、使用後の洗浄・除菌を徹底しなければいけません。

菌を『やっつける』ためには除菌が大切!

それでは、菌をやっつけるための除菌の基礎知識についてご紹介していきましょう。上述しているように、食中毒を予防するためには『つけない』『増やさない』『やっつける』の3原則が重要とされているのですが、いくら注意していたとしても食品や調理器具に一切細菌やウイルスをつけないことは現実的ではありません。

したがって、付着した細菌やウイルスを『やっつける』ため、アルコール除菌が非常に大切になるのです。ただし注意が必要なのは、食品工場などで食中毒を予防するためには『洗浄』と『除菌』の意味を正しく理解して、どちらも徹底して行う必要があるということです。『除菌』は、その名前から分かるように「菌」を「除去」することなのですが、洗浄が不十分な場合、残った汚れが除菌剤と菌の接触を妨害してしまい除菌効果がなくなってしまったり、汚れと反応することで除菌効果が低下してしまう…なんて危険があるのです。
つまり、洗浄が不十分な状態では、本来の除菌効果を得ることができず、食中毒を防ぐことができない可能性があるのです。『洗浄』と『除菌』については、別記事でまとめていますのでそちらもご参照ください。

食品工場や飲食店がおさえておきたい「洗浄と除菌」の基礎知識について

アルコール除菌の注意点

食中毒予防のためには、調理器具などに付着した有害物質を「やっつける」除菌が非常に重要です。しかし、普段の生活の中でも非常に身近な存在になっているアルコール除菌についてはいくつかの注意点が存在するのです。実は、何も考えずに間違った使い方をしてしまうと、せっかくアルコール除菌を行ったつもりでも、除菌効果がなくなってしまう場合があるのです。

食品工場などの食品関連施設では、食中毒予防のためアルコール除菌の注意点はきちんとおさえておきましょう。

  • 水で薄めると除菌効果が低下する
    アルコール除菌は、濡れた状態のままスプレーするなどの使い方をした場合、濃度が薄れてしまい期待する効果が得られなくなります。したがって、対象物の汚れや水をしっかりと拭きとり、乾燥させた状態で使用しましょう。なお、新型コロナウイルス問題もあり、手の消毒としてアルコールを利用する方が多いです。この場合、手洗い後すぐにスプレーする方が多いのですが、手に水分が残っていては効果がなくなってしまいます。新型コロナウイルス予防でも、しっかりと手の水分を拭き取ってからアルコールを使いましょう。
  • 引火性があるため、火気厳禁
    アルコール除菌剤は引火性があるため、火気厳禁です。加熱機器や火を使用する調理の近くでは使用してはいけません。なお、保管時も火気からは遠ざけるようにしてください。
  • 洗浄効果はない
    上述しているように、アルコール除菌は菌を除去するためのものです。アルコール除菌には洗浄効果はありませんので、除菌する前にしっかりと洗浄しておかなければいけません。洗浄が不十分な状態では、汚れがブロックとなり除菌効果を発揮できない場合があります。
  • 揮発性のため、保管に注意
    揮発性がありますので、保管時は蓋をしっかりと密閉して保管しなければいけません。
  • すべての細菌、ウイルスに効果的なわけではない
    ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどにはアルコール除菌よりも次亜塩素酸ナトリウムによる除菌の方が効果的です。

まとめ

今回は、食品関連施設において、食中毒事故を防ぐためにおさえておきたいアルコール除菌の基礎知識をご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、食中毒予防は「つけない」「増やさない」「やっつける」というのが3原則と言われています。アルコール除菌は、この中でも「やっつける」に分類されるもので、まさに食中毒予防の最後の砦になるものと言えるでしょう。

新型コロナウイルス感染拡大もあり、日常生活でもアルコールによる除菌が一般的となっていますが、アルコール除菌も正しい知識のもと使っていかなければ効果が半減してしまうものなのです。食中毒は、食品関連施設にとって非常に恐ろしいものですので、この記事でご紹介した内容はしっかりと周知徹底しましょう。

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