食器洗浄機の正しい使い方について。正しく使わないと食品事故の原因になることがあります

今回は、さまざまな食品を取り扱う施設に導入されている『食器洗浄機』の基礎知識についてご紹介したいと思います。近年では、一般家庭などでも導入されるようになっている食器洗浄機ですが、日々大量の食器や調理器具を使用することとなる飲食店や食品工場などでは、作業員の人件費削減や水、洗剤などの使用量削減が可能になるなど、経費削減にも役立つ便利な設備として多くの施設に導入されるようになっています。

食器洗浄機にもいろいろなタイプがあるのですが、基本的に専用のパレットなどに食器を並べ洗浄機の中に投入するだけで洗浄が完了するというタイプのものが多いです。大量の食器や調理器具を使用する食品関連施設では、作業員が手作業で洗浄することを考えた場合、かなりの時間がかかるうえに、作業に従事する人によっては手荒れなどの問題が生じてしまうこともあります。したがって、こういった問題を解消する目的もあり、多くの食品関連施設で食器洗浄機の導入が進んでいるのです。

しかし、食器洗浄機での洗浄は、正しい使い方をきちんとおさえておかなければ、洗い残しが生じ、それが食品事故の原因となってしまう危険があるのです。そこでこの記事では、誰もがおさえておきたい食器洗浄機の基礎知識をご紹介していきたいと思います。

食器洗浄機のメリットは?

それではまず、飲食店や食品工場などで食器洗浄機を導入することにどのようなメリットがあるのかについて簡単にご紹介しておきましょう。一般家庭でも同じですが、食事や調理に使用した食器や調理器具について、手作業で洗うことも特に難しいことではないため、「食器洗浄機など必要ないのでは?」と考える方も少なくないと思います。

しかし、飲食店や食品工場などの製造現場では、一般家庭とは比較にならないほど大量の洗い物が発生してしまいます。したがって、こういった現場に食器洗浄機を導入することには明確なメリットがいくつか存在するのです。

メリット① 人件費の削減

まずは、『人件費削減効果』というメリットです。食器洗浄機を利用すれば、一度に大量の食器を洗浄することが可能で、人力で洗う場合よりもかかる時間を短縮することができます。そのため、洗い場に専用の人員を配置する必要がなくなり、人件費の削減ができるのです。
もともと、洗い場を担当していた人員は、他の作業に従事させることができるようになるため、作業効率的な面でもメリットがあると言えるでしょう。

メリット② 水道・洗剤にかけていたコストが削減できる

一般家庭用の食器洗浄機のCMなどを見たことがある人も多いかもしれませんが、食器洗浄機は手間が省ける以外にも「少ない水で食器洗いができるため光熱費削減になる!」といったポイントが紹介されています。実は、食器洗浄機は、人が手作業で洗浄を行うと比較すると約1/9の量の水しか使わないと言われているのです。飲食店や食品工場など、大量の食器を洗浄する現場で考えれば、かなりのコスト削減につながると期待できます。
また、洗剤の使用に関しても、決まった量しか使いませんので、ばらつきのある人の手と比べれば使用量を削減できるはずです。

メリット③ 洗浄ムラが少なくなる

食器洗浄機を『正しく使っている』ということが前提ですが、人の手で食器洗浄をする場合よりも洗浄ムラが少なくできると言われています。食器洗浄のような単純作業を人間が行う場合、どうしても集中力が切れてしまい、作業が荒くなってしまう…なんてことも考えられます。しかし、機械による洗浄であれば、いつも同じ精度で綺麗に食器洗浄が完了するというメリットがあるのです。

食器洗浄機の注意点

それでは、正しく食器洗浄機を使用するためにおさえておきたいポイントもご紹介していきましょう。冒頭でも触れましたが、自動で食器を洗ってくれる食器洗浄機ですが、正しい使用方法を守っていなければ食器に付着した汚れが落ちなくて、菌が繁殖してしまい、食中毒事故の原因になってしまう…なんて危険があるのです。また、食器洗浄機が故障してしまう原因にもなってしまい、機械の買い替えが必要になり余計なコストがかかってしまう…なんてことも考えられます。

施設で食器洗浄機を利用するときには、以下のポイントを押さえておきましょう。

食器の置き方に注意

食器洗浄機は、専用のパレットに食器を置き、洗浄機に投入すれば自動で洗浄をしてくれる設備です。非常に便利な設備なのですが『食器の置き方』には注意が必要です。例えば、食器同士が重なり合うような乱雑な置き方をしてしまうと、重なった部分に洗い残しが生じてしまう危険がありますし、食器同士が接触して割れや欠けが生じてしまう原因になります。
食器の置き方に関しては、食器洗浄機の機種によっても微妙に異なりますので、導入時にきちんと説明書を確認し、正しい食器の置き方を守るようにしてください。また、食器洗浄機で洗ってはいけないものなども存在しますので、その辺りもしっかりとおさえておきましょう。

食器洗浄機の温度管理

食器洗浄機の利用は、人力での洗浄とは異なり高温での洗浄が可能になります。高温状態での洗浄は、汚れが落ちやすくなることや、食器に付着した菌の殺菌効果などさまざまなメリットをもたらせてくれます。したがって、このメリットをしっかりと生かすためにも、食器洗浄機を使用する際の温度管理はしっかりと行いましょう。
適切な温度を守らずに使用している場合、逆に雑菌の増殖を助けてしまう…なんて結果を招く恐れがあります。一般的には『洗浄温度60℃、濯ぎ温度:80℃』が最も適していると言われています。なお、高温で濯ぎ運転を行いますので、洗浄機に入れてしまうと故障の原因になる器具があるのも忘れてはいけません。

食器洗浄機の清掃について

食器洗浄機は毎日大量の洗い物を投入しますので、機械自体も汚れてしまいます。したがって、洗浄機自体が汚れている状態で食器洗浄を行えば、食器洗浄の効果も薄れてしまうということです。
さらに、食器についた汚れが洗浄機内に溜まってしまうと、それらが詰まってしまうことで洗浄圧が低下して機械の性能まで落ちてしまう結果になってしまいます。このような状態にならないためには、食器洗浄機自体の清掃やメンテナンスを定期的に行うことです。また、目に見える汚れがある食器については、食器洗浄機に入れる前に予洗いを行うなどの対策もオススメです。

洗剤選びも大切

食器洗浄機を使用する場合、洗剤も専用の物を用意しなければいけません。食器洗剤に関しては、今の時代どこでも手に入るものなのですが、機械によって推奨される洗剤が異なるのです。食器洗浄機を新しいものに切り替えた時には、もともと使用していた洗剤をそのまま使ってしまうなんてことも珍しくありませんが、機械との相性が悪ければ洗剤が故障の原因となってしまう場合もあります。
使用前にきちんと説明書を確認し、推奨されている洗剤を利用するようにしましょう。

まとめ

今回は、非常に便利な設備として人気になっている食器洗浄機の基礎知識をご紹介してきました。食器洗浄機は、一般家庭などにも広く普及していますが、洗浄が終わったのに汚れが落ち切っていない…なんて話をよく耳にします。多くの場合、こういった洗い残しは間違った食器洗浄機の使い方が原因になっていると言われています。

飲食店や食品工場などにおいて、食器や調理器具の洗い残しは食品事故の原因となってしまう非常に重大な問題です。したがって、食器洗浄機を導入する際には、作業に従事する人すべてが正しい使い方をできるようにしっかりと教育する必要があると覚えておきましょう。