シーリング工事とは?倉庫や工場を長く使用するにはとても重要な要素です!

今回は、倉庫や工場などを長く良い状態で保つために必要になる『シーリング工事』の基礎知識についてご紹介したいと思います。シーリング工事は、外壁のボードとボードのつなぎ目にできる隙間や窓枠やドア枠と壁のつなぎ目にできる隙間をシーリング材で埋める工事となります。このシーリング工事には、前述のつなぎ目から雨水などが侵入してしまい雨漏りをするのを防止する目的があります。

シーリング工事は、一般住宅にとっても重要度の高いメンテナンス工事になるのですが、重要な役割を持っている割に軽視されてしまいがちで、劣化が見られる場合でも放置されているケースが少なくありません。建物に施工されているシーリングに関しては、環境などによって異なりますが、紫外線などの影響を受けて約5年程度経過したあたりから劣化が始まると言われています。シーリングの劣化が始まると、もともと持っていた『防水性』や『伸縮性』を徐々に失ってしまい、最終的に外壁からの雨漏り…などの原因となってしまうのです。

倉庫や工場で雨漏りが発生してしまうと、建物の劣化を一気に進めてしまうだけでなく、保管・製造しているお客様の商品がダメになってしまう、高額な機械・設備が故障してしまう…など、非常に甚大な被害につながってしまう危険があります。そこで今回は、倉庫や工場でいずれ必要になるシーリング工事について簡単にまとめておきます。

シーリング工事の重要性とは?

それではまず、建物にとって非常に重要なメンテナンスであるシーリング工事の基礎知識をご紹介しておきましょう。

冒頭でご紹介したように、シーリング工事は、外壁のボード間に生じる隙間や窓枠・ドア枠と外壁に生じる隙間などについて、シーリング材で埋めることで高い防水性や気密性を確保することが大きな目的となります。シーリング工事を適切なタイミングで行うことで、建物に生じる隙間から雨水が侵入してしまうのを防ぐことができるようになります。またシーリング材は、高い伸縮性を持っていますので、地震の揺れや強風の風圧を受けたとしても、目地の動きに追随することで、ボードの損傷や隙間からの漏水を防ぐことができるようになるのです。

シーリング工事は、上記にように建物内に水が浸入するのを防ぐ、非常に重要なものと認識しなければいけません。そしてシーリング材がしっかりとその役割を果たすためには、定期的なメンテナンスが欠かせないものなのです。上述したように、シーリング材は太陽の紫外線などの影響を受けて徐々に劣化してしまい、約5年程度経過すると表面にひび割れ、肉やせ、剥離などの現象がみられるようになります。このような劣化症状が出ている場合、「隙間を埋める」「建物の動きに追随し伸縮する」という、本来シーリング材が持つ機能が発揮できなくなってしまうため、建物内に水が侵入し一気に劣化を進めてしまう結果になるのです。

シーリング材は、常に外部環境にさらされ続ける部分ですので、建物の管理者は定期的にシーリングの状態を確認し、劣化症状が出ていれば早期にメンテナンスを行うという体制を作るのが重要になると覚えておきましょう。

一般的なシーリング工事の手順

それでは、倉庫や工場などで定期的に必要になるシーリング工事について、実際の工事の流れも簡単にご紹介します。

シーリング工事については、既存シーリングの状態によって「打ち替え工事」と「打ち増し工事」のどちらかでメンテナンスを進めていくこととなります。この2つの手法については、以下のような作業となります。

  • シーリング打ち替え工事
    打ち替え工事は、既存シーリングを一度きれいに取り除いた後、新しくシーリングを充填していく工事となります。
  • シーリング打ち増し工事
    打ち増し工事は、既存シーリングの上から新しいシーリング材を充填する方法です。こちらは、既存シーリングにひび割れなどの症状が出ていないなど、劣化が進み切っていない場合に行われる予防的な措置となります。

上記にように一口にシーリング工事と言っても、その手法は複数存在しているのです。打ち増し工事に関しては、既存シーリングの撤去工事が無いことや使用するシーリング材が少なくて済むため、工事にかかるコストを抑えることができるのがメリットとなります。ただし、打ち増しでシーリング工事の品質を担保するためには、既存シーリング材の劣化状況などクリアしなければならない条件も多いですし、目に見えない部分で劣化が進行しており、施工後、予想以上に早く剥がれてしまう…といったリスクがあるため、基本的には『打ち替え工事』の方がオススメと言われています。

ここでは、一般的な『シーリング打ち替え工事』の流れをご紹介しておきます。

STEP1 既存シーリング材の撤去

まずは、外壁の継ぎ目や窓枠の継ぎ目などに施工されている既存シーリング材を撤去します。

STEP2 撤去部分の清掃

既存シーリングの撤去完了後、新しいシーリング材を打つ前に、該当部分を綺麗に清掃します。

STEP3 バックアップ材orボンドブレーカーの施工

清掃完了後、シーリングが建物の歪みや動きについていけるようにするため、バックアップ材またはボンドブレーカーを取り付けます。
シーリング工事で使われるバックアップ材は、目地の深さを調節することや、シーリング材の三面接着を防ぐのが目的となります。外壁のシーリングは、三面接着になってしまうとシーリングが自由に動けなくなってしまい、建物の動きに追随するなどの役割を果たせなくなるのです。したがって、バックアップ材を施工し二面接着にするのが基本です。ボンドブレーカーに関しては、目地の深さが浅く、バックアップ材が使えない場合に使用されます。

STEP4 マスキングテープで養生

余計な場所にシーリングが付着して外壁を汚してしまわないように、シーリングを充填する場所の周辺をマスキングテープで養生します。

STEP5 プライマー塗布

シーリング材がしっかりと接着するようにプライマーを塗布します。

STEP6 シーリング材の充填

シーリングを充填します。施工時には「コーキングガン」などと呼ばれる器具を使います。シーリング材充填後には、へらなどを使っておさえながら圧着させます。これにより機密性を高めることができ、余分なシーリング材の除去、表面を綺麗に整えることができます。

STEP7 完了

マスキングテープをはがしてシーリング打ち替え工事の完了です。

まとめ

今回は、倉庫や工場を長く良い状態で保つためには、非常に重要なメンテナンスとなるシーリング工事の基礎知識をご紹介してきました。建物の中でも『シーリング』というものは、非常に地味であまり注目することが少ない部分となるのですが外壁からの雨漏りを防ぐという、実は非常に重要な役割を持っているのです。

つまり、このシーリングの劣化を放置してしまうと、建物内に水が侵入してしまうことになり、内部の木材を腐食させてしまう…など、一気に建物全体の問題に発展してしまう危険があるのです。シーリング工事を行うには、当然コストがかかってしまうものですが、最適なタイミングで工事を行うことで、建物内部の劣化が進行するのを防ぐことができるようになるのです。したがって、日ごろから外壁と共にシーリングの状態をチェックしておき、劣化が進行する前に適切なメンテナンスを入れるようにすることが大切で、それが結果的に最も安価に建物を維持していくことにつながるはずです。