在宅勤務は不公平感が出る?新な働き方による好影響と注意点

今回は、新型コロナウイルスによって人々の働き方がどのように変化したのか?また、働き方の変化によって何らかの好影響があったのか?について考えてみたいと思います。

2020年は、本来東京オリンピックが開催されるはずで、世界中の人々が4年に一度のスポーツの祭典を心待ちにしていたはずです。しかし、新型コロナウイルスの影響で、世界中で行われるはずだった大規模イベントのほとんどが中止または延期に追い込まれるなど、予想もし得なかったほどの状況になっています。日本国内では、3密の防止や手洗い・マスク着用の徹底など、新型コロナウイルスとの付き合い方がある程度認知されてきたこともあり、ひと頃よりも社会生活に落ち着きが見られるようになりましたが、これからインフルエンザの流行時期が重なるため、まだまだ予断を許さない状況が続くと考えられています。

このような状況の中、日本社会では人々の働き方に大きな変化がみられるようになっているのです。特に働き方改革の推進により、言葉だけが先行しているように思われていた『テレワーク』や『在宅勤務』という働き方は、一気のそのイメージが変わってきており、日本国内の多くの企業がテレワークの導入に踏み切り始めているのです。
大規模災害や今回の様な感染症問題が発生した場合には、出勤すら困難になる可能性がありますが、テレワークを導入していれば、緊急事態でも事業を継続することができると認知されてきました。

そこでこの記事では、急速に進む働き方の変化について、新たな働き方が人々にどのような好影響を与えることができるのか?について考えてみたいと思います。

新型コロナウイルスによって急速に変化する社会情勢

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには「人との接触を減らす」ということが非常に重要とされています。しかし、これまでの日本の働き方を考えてみると、物理的な空間・時間の共有に重きが置かれており、中には、体調不良の自覚がある場合でも、それを我慢して出社するのが社会人だ…などと言った考え方を当たり前のように持っている方が少なく無いのです。したがって、政府が推進した働き方改革で、『テレワーク』や『在宅勤務』といった多様な働き方のモデルが示されたにもかかわらず、積極的に導入するのは躊躇してしまう…というケースが多くみられていました。

しかし今回の新型コロナウイルス問題では、国から外出自粛要請という呼びかけがあったため、多くの企業がテレワークを導入する大きな転機となったのです。もちろん、工場やサービス業のように物理的にテレワークが難しいという企業も少なくありませんし、テレワークを導入したものの、従来の仕事の進め方や業務管理などと、新しい働き方がなかなかフィットしない…という場合があるのも事実です。
それでも、働く社員側からすれば、出社の義務がない事から、朝の時間に余裕が持てる、満員電車や長時間の通勤に伴うストレスから解消されるなど、テレワーク導入により得られるメリットに気付いたという方が非常に多いと言われています。通常業務を自宅で進めることができるようになれば、「上司が帰らなければ、自分も帰りづらい…」などと言った日本社会特有の気苦労もなくなりますし、自分の時間が増えることでプライベートも充実し、心の健康を保つことができるなど、さまざまな好影響が考えられるのです。

新型コロナウイルス問題に関しては、テレビなどでも新規の感染者数を毎日報道する、生活苦に陥った人を話題にするなど、とにかくネガティブな情報ばかりが耳に入るため、先のことを考えると気が重くなってしまう…という人が多いです。しかし、皮肉なことではあるのですが、新型コロナウイルス問題は、日本のワーカーにとって、さまざまな好影響を与えてくれているのも事実なのです。

在宅勤務による好影響とは?

新型コロナウイルスは、日本国内だけの問題ではなく、世界的に非常に大きな悪影響をもたらせています。しかし、ネガティブな情報ばかりが発信される新型コロナウイルス問題ですが、何も悪い変化ばかりが起こっているわけではないのです。

例えば、外出自粛要請により自宅で過ごす人が増えたことから、ライブ配信経由関連の売り上げは前年比で264%の増加を記録していますし、国内でもフードデリバリーやテイクアウト業界の需要は急激に伸びているのです。さらに、さまざまな問題点が指摘されていた日本社会の働き方に関しては、新型コロナウイルス問題によりポジティブな変化も意外に多いと言われているのです。
以下で、新たな働き方による好変化をいくつかご紹介しておきましょう。

通勤がなくなり、大きな負担減

東京や大阪など、都市部のワーカーであれば、テレワークにより通勤の負担が軽減されるというのは非常に大きなメリットになります。

首都圏などであれば、自家用車ではなく電車通勤をしている方が多いのが実情で、朝・夕の通勤ラッシュ時には、電車内がすし詰め状態で身動き取れないほどの混み具合となります。そのため、仕事は好きだけど「通勤することが苦痛になってしまう…」という方が非常に多くいます。
しかし、テレワークを導入すれば、オフィスに出勤する必要がなくなるため、電車通勤によってストレスや疲れを受けることなく仕事に取り掛かることができるようになります。さらに、通勤に使う時間が必要なくなるため、睡眠や自分の趣味の時間として使えるようになるなど、プライベートの充実にもつながるのです。また、育児や介護などが理由で、毎日会社に出社するのが難しい人でも、テレワークであれば問題なく働くことができるようになり、そういった理由で退職せざるを得ない…というケースを防ぐこともできるようになるでしょう。

このように、テレワークは単純な働き方の変化だけでなく、「働ける人の裾野を広げる」ということができるというメリットもあります。

会議などもオンラインが主流となり、無駄が減る

新型コロナウイルス問題もあり、社内の会議はもちろん、商談やセミナー、面談や研修など、本来面と向かって行われていたものが、急速にオンライン化されてきています。

皆さんも、今回の新型コロナウイルス問題で、初めてオンライン会議を行い、その便利さを実感したという方は多いのではないでしょうか?最近では、オンライン会議を実現できるインターネットサービスも多く登場しており、会議用のURLを発行すれば、遠方にいる人とも簡単に会議が開催できるようになっているのです。それにより、どこにいてもインターネットさえあれば参加できますので、移動の無駄が少なくなります。

さらに最近では、商談もオンラインで行うようになってきており、営業先まで移動する時間を削減することができるため、効率的に商談の機会を増やすことができると注目されているのです。

在宅勤務の注意点

テレワークを上手に運用できれば、従来の働き方に存在した無駄を大幅に削減することができるようになるでしょう。しかし、テレワークのメリットは理解できるけど、どうしても気がかりがある…という事業者様も少なくありません。例えば、テレワークには以下のような懸念があると言われています。

  • 自宅などで作業をするため、社員の勤務状況の把握・管理が難しくなる
  • 社員同士が直接顔を合わせることが極端に減少するため、コミュニケーション不足に陥る可能性がある
  • 重要データを社外で取り扱うようになるため、セキュリティ面で懸念がある
  • 業務内容によってはテレワークができない社員が出るため、社員同士で不公平感が出る

テレワークには、上記のような懸念が存在すると言われています。
しかし最近では、これらのいわゆるテレワークの『壁』を解決するためのサービスも登場しています。例えば、テレワークが急速に注目された今年の4月頃は、書類にハンコを押さなければならないから出社する…といった話題が注目されましたが、あれから半年近く経過した現在では、効力のあるデジタル印サービスが登場して、実用化されるようになっているのです。

これから、急速にテレワークに対応するための新たなサービスが登場してくると考えられます。したがって、急速に変わっていく日本の働き方に対応するため、自社に何が必要で、何が必要ないのか注視していく必要があるのではないでしょうか?

まとめ

今回は、新型コロナウイルス問題により、急速に変化している日本の働き方について考えてみました。

この記事でもご紹介したように、新型コロナウイルス問題では、実はポジティブな影響が出ている業界も少なく無いのです。特に、これまで『常識』とされてきた日本の働き方に関しては、感染症や自然災害時に非常に弱いという考え方が登場しており、万一の際でも事業を継続していくための働き方が求められるようになったのは、非常に良い傾向なのではないかと思います。

特にテレワークに関しては、数年前から新たな働き方として存在していたものの、日本社会の常識とはズレていることからなかなか浸透しないのが実情でした。それが今回の問題で、一気に一般社会に浸透し、一度テレワークを経験した日本人は、無駄の少ない働き方なんだと認識した人が多いのではないでしょうか。
万一の際にも社員の安全を守ることができ、プライベートの充実を図ることができる働き方として、非常にメリットがあるテレワーク、導入を検討してみるのもよいですね。