業務用エアコンの購入とリースはどっちが得?それぞれのメリット・デメリットをご紹介!

倉庫や工場において、従業員が快適に働けることを考えた場合、空調設備の設置が必要不可欠になってくるでしょう。しかし、大型施設となる倉庫や工場では、一般住宅用のエアコンでは施設全体に空調設備の恩恵をもたらすことが難しいものです。そのため、ほとんどの施設では、大型の業務用エアコンを導入しますが、まとめて購入した場合、設置費用も含めるとかなりのコストがかかってしまいます。したがって、最新の業務用エアコンを導入したいけれど、コスト面で躊躇してしまう…という事業者様は少なくないのではないでしょうか。
このような場合、業務用エアコンを導入する方法として候補に挙がるのは、リース契約です。それでは、施設に業務用エアコンの導入を考えた場合、『購入』と『リース契約』ではどちらの手段がお得になるのでしょうか?もちろん、どちらの手段でもメリット・デメリットがありますので、本稿では『購入』と『リース契約』について詳しくご紹介します。

業務用エアコンを購入する場合

それではまず、業務用エアコンを購入する場合のメリットとデメリットを考えていきましょう。業務用エアコンを購入する場合には、やはり高額な初期費用がかかることがネックとなるのですが、長期的にみるとリース契約で導入するよりも総額は安くなります。以下で、購入する場合のメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。

業務用エアコンを『購入』で導入するときのメリット

業務用エアコンを「購入する」ことの最大のメリットは、リースよりも総額が安くなるという点です。何らかの物品をリース契約で導入する場合には、本体価格以外にもリース料率というものが加算されてしまいますので、総額が高くなってしまいます。購入の場合は、この金額が必要ないため、リースで導入する場合と比較して、トータルの支払額を安く済ませることができるのです。
また、リース契約の場合、3年や5年、7年などと契約期間が決められてしまいます。したがって、3年以内に事業をやめる予定のある方など、一時的に業務用エアコンが必要と言った場合には対応が難しいのですが、購入するのであれば、中古品で安く購入するなど、契約期間を気にする必要がありません。

MEMO
業務用エアコンには、中古品やセール品もあるので、そういった機会を利用すればより安価に導入を進めることが可能です。

業務用エアコンを『購入』で導入するときのデメリット

それでは、業務用エアコンを購入して導入する場合のデメリットも見ていきましょう。最大のデメリットとしては、総額は安いかもしれませんが、『初期費用としてそれなりのコストがかかる』ということでしょう。他にも、購入の場合は、運用時に予想外の費用が発生してしまう可能性があるということもデメリットです。リース契約の場合は、導入したエアコンが故障したとしても、修理などは無料で行ってくれることがほとんどです。しかし、購入した場合には、メーカーや販売代理店の修理サポートプランなどに入っておかなければ、多額の費用が必要になってしまうことがあります。特に、導入後、年数が経過すればするほど、故障率も高くなってしまうので、運が悪ければリースで購入したときよりも総額が高くなってしまった…なんてことも考えられます。
なお、業務用エアコンは、国が定めているフロン排出抑制法に従い、定期的な自主点検を行うことが義務付けられています。こういった点検を外部の業者に依頼する場合も、費用負担がありますので注意が必要です。

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業務用エアコンをリースで導入する場合

それでは次に、業務用エアコンをリース契約で導入する場合について見ていきましょう。

業務用エアコンを『リース』で導入するときのメリット

リース契約で業務用エアコンを導入することの最大のメリットは、初期費用が0円で設置できる点です。業務用エアコンを購入した場合には、少なくとも数十万円以上が設置工事費用などで、必要になります。しかし、リース契約の場合は、毎月決まった金額を契約期間中支払っていく仕組みとなるため、一度に大きな負担はありません。したがって、開業したばかりで資金繰りが厳しい…などといった場合には非常に便利な仕組みです。
リース契約で導入する場合には、他にも以下のようなメリットがあると言われます。

  • 定期的に最新型のエアコンに切り替えることができ、省エネ効果が高い製品を利用できます。そのため、エアコン稼働にかかる電気代を削減することができます。
  • 毎月のリース料は、税法上「賃料」として経費処理することができるため、節税効果がある。
  • 支払額が月々一定なので、設備投資のコストを正確に把握できる。
  • 火災、落雷、盗難など、偶発的な事故が発生した場合にも、不動産保険が適用される。

業務用エアコンを『リース』で導入するときのデメリット

こう見ると、リースで業務用エアコンを導入するのが非常に良さそうに思えますが、いくつかのデメリットも存在していますので注意が必要です。
リース契約の最大のデメリットは、『中途解約することができない』という点です。上述しましたが、一般的にリース契約で何らかの物品を導入する場合には3~7年の契約期間が決められるのですが、その間に自己都合で中途解約する際には、自己負担で物品をリース会社に返却したうえで、残っている契約期間分のリース料全額を損害金として支払わなければいけません。
また、リース契約の場合は、物品の所有権は常にリース会社側にあり、リース契約が終了した際には、業務用エアコン本体をリース会社に返却するか、再度リース契約を結ぶ必要があります。ただし、リース会社によっては、リース契約終了時に、3か月分の月額料金を支払えば、自己所有となる場合もあります。

まとめ

今回は、倉庫や工場に業務用エアコンを導入する場合、購入とリース契約にはどのような違いがあり、それぞれのメリット・デメリットは何なのか?についてご紹介しました。
本稿でご紹介したように、購入とリース契約の大きな違いは、初期費用面になるでしょう。購入の場合は、自己所有となりますが、設置工事を含めると数十万円~数百万円などと、かなり多額な初期費用が必要になります。一度に多額のコストがかかってしまうのは、やはり負担が大きいものですので、筆者個人としてはリース契約の方がメリットは多いのではと思います。
リース契約であれば、中途解約ができない点に目を瞑れば、初期費用は0円で一定額の月額費用のみでエアコンの運用が可能です。したがって、多少本体価格が高額になっても、省エネ効果の高い業務用エアコンを導入すれば、工場や倉庫の稼働にかかるランニングコストを削減することができ、お得に利用できるでしょう。