物流現場の改善事例をご紹介!成功事例は学べる部分がたくさんある!

今回は、さまざまな課題を抱える物流業界について、少しでも物流現場の労働環境を改善するため、ぜひ参考にしてみたい現場の改善成功事例をご紹介していきたいと思います。この記事では、インターネット上に公開されている改善事例をいくつかピックアップしてご紹介していきますので、似たような課題を抱えている事業者様は成功事例から学べるポイントを探してみてはいかがでしょうか。

現在では、インターネット通販を利用すれば、どこにいても好きなものを購入することができるような時代になっています。消費者視点で見れば、通勤時間などを利用して買い物ができるような状況になっていますので、非常に便利な時代になったと言えるでしょう。しかし、物流業界からすれば、少子高齢化による労働力不足や配送サービスの多様化など、さまざまな課題が持ち上がっており、物流を下支えする現場は年々疲弊していっている…と言われています。

実際に、ここ数年、配送需要は年々高まっているものの、それを運ぶトラックドライバーが確保できないことで倒産に追い込まれてしまう配送業者が増えている…と言われているほどです。それでは、日常生活に欠かすことができない『物流』について、現場の労働環境を改善するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?ここでは、実際に取り組まれた成功事例をピックアップしていきます。

物流現場の課題について

『物流』は、お客様の元にモノやサービスを届けるまでのプロセスで非常に重要な役割を担っています。物流サービスを提供する企業は、この重要なプロセスをより確実に、かつ効率よく進めるため、日々さまざまな努力を行っていることでしょう。
それでは、こういった物流業界に存在する課題は、どのような物があるのでしょうか?ここでは、物流業界に存在する代表的な課題をいくつかご紹介しておきます。

  • 人的ミスの削減
    物流現場では、『人力』に頼っている業務が多く、人為的なミスの発生確率が高くなりがちという課題が存在します。
  • 作業効率のUP
    物流現場だけではありませんが、『作業効率のUP』はどのような業界でも永遠のテーマになります。近年では、自動化やロボット化などによる省力化、省人化、生産性向上が注目されています。
  • コスト削減
    物流現場は、人力に頼る業務が多いため、作業人員にかかるコストの割合が高くなってしまいます。物流コストを削減するためには、こういった人件費をどうやって抑えるのかも大きな課題となります。

物流現場の改善事例について

それでは、物流現場を改善するため、実際に取り組まれた成功事例を以下でご紹介していきましょう。ここでは、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が公表している事例集からピックアップしていきたいと思います。

参照:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会公式サイト

低温在庫型物流センターにおいて自動倉庫導入

この事例は、低温在庫型物流センターにおいて、機械化・自動化によって労働環境の改善や業務効率化を目指したものです。もともとあった課題と取り組みにより得られた効果は以下のようになっています。

抱えていた課題
この倉庫では、冷凍倉庫内における『商品・日付・数量』などの把握や管理を、目視によって行い、格納・ピッキング・賞味期限準の並び替えを行っていたそうです。しかし、人力による作業では、出荷精度や作業効率の低下が大きな課題となっていました。
そこで、これらの問題を改善するため、機械化・自動化を図り、人間による判断・行為を無くすという対策を施しました。
取り組みによって得られた効果
今回の改善策に取り組んだ結果、人為的ミスが撲滅できたほか、作業の省力化も実現しました。その結果、女性従業員も作業に加入できるようになり、作業時間の短縮も実現しました。

倉庫で行う環境負荷低減対策

大量の商品を保管・出荷する倉庫では、包装資材などが環境負荷に与える影響も非常に大きいです。この企業では、少しでも環境負荷の低減を実現するため、以下のような対策に取り組んでいます。

抱えていた課題
EC汎用センターにおける取り扱い物量が増える中、過剰包装や配送の無駄などが問題となっていたそうです。そこで、少しでも環境負荷の低減を実現するため、梱包資材の小型化による段ボール資材の減少、倉庫内のLED照明化などの改善に取り組みました。
取り組みによって得られた効果
梱包資材の小型化により、積載効率の向上が実現しました。また、LED照明により倉庫内環境が向上され、無駄な移動の最小化も実現したそうです。こういった取り組みにより、環境負荷の低減を実現するだけでなく、物流コストの削減も両立できました。

健常者と障がい者の壁を無くすためバリアフリー化

近年では、さまざまな業界で障害者雇用の促進活動が行われています。しかし、物流業界では、施設がバリアフリー化されていない…などという問題があり、なかなか障害者雇用が進まないという現実も存在します。

抱えていた課題
この企業では、障害者雇用の促進活動を進める中で、現場側の受け入れ態勢が整っていない…という課題が生じたそうです。そのため、障害者の立場に立った作業環境の整備に取り組みました。
取り組みによって得られた効果
実際に現場で働く従業員にヒアリングを行い、その情報をもとに作業導線や倉庫内のレイアウト変更などの改善を行いました。その結果、障害者が安心して働くことができる作業現場が実現でき、さらに作業動線が短くなったことにより、全体の工数削減にもつながるなど、多くのメリットが得られました。

※上記以外の改善事例は、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会公式サイトでご確認ください。

まとめ

今回は、物流現場が抱える様々な課題を解決するため、実際に取り組まれた成功事例をご紹介してきました。物流業界では、少子高齢化などの影響もあり、労働力不足が深刻化していると言われています。これは、EC市場の拡大により、年々配送需要が高まっているということも大きな要因だと考えられます。

物流業界を外から見ている方であれば、「配送需要が高まれば儲かるし良いのでは?」と考えてしまうと思うのですが、いくら配送需要が高まったとしても、それを運ぶ人員を確保できなければ何の意味もないのです。今後もEC市場の拡大は続くと予想されている中、物流現場の労働環境はさらに悪化してしまう危険もあるでしょう。現在でも「物流業界=ブラック」などというネガティブなイメージが定着しつつありますので、少しでも現場の労働環境を改善するため、他社の成功事例から学べる部分を汲み取ってみるのがオススメです。