皆さんは『作業着』にどのようなイメージを持っているでしょうか?一般的に、道路工事やマンションの建設現場、物流業界などで働く作業員の方が着用する制服といったイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?しかし、近年では、作業着の動きやすさや、スーツ姿と比較すると肩こりなどもしにくいという特徴があるため、パソコンの前に座っている時間が長いIT企業などでも作業着を制服としている所が増えています。しかし、作業着はカラーバリエーションも多く、新しく作業着を作るときなどには、自社に最適な作業着の『色の選び方』で困ってしまうことも少なくありません。
そこで今回は、作業着のカラーによる特徴やそのメリットについて考えていきたいと思います。現在、自社の作業着の一新を考えている方は是非参考にしてみてください。
作業着のカラーについて
それでは、様々ある作業着のカラーバリエーションについてご紹介していきましょう。作業着の定番カラーと言えば、ブルー系やグリーン系、グレー系などがありますが、何をもってそのカラーを選べばいいのか迷ってしまう事は多いでしょう。ここでは、それぞれのカラーの特徴についてご紹介していきたいと思います。
ブルー系の作業着
作業着のカラーとして定番と言えるのはブルー系のものです。個人的には、ブルー系の作業着は、運送業などで多く利用されているイメージがあります。ブルー系の作業着が、現在でも現場労働者の代表的なカラーとなっているのは、ゴールドラッシュの時代にアメリカの現場作業員に青色に染めたデニム生地の作業着が配られていたことに由来するといわれています。このデニムは、現在ではファッションアイテムとしても定着しており、作業着でもスタイリッシュなイメージを与えることが出来るため、現在も運送業などでは多く利用されているのかもしれません。
また、濃いブルー系のカラーは、作業着表面に付いた汚れなども目立ちにくいという特徴もあります。
薄いグリーンやグレー系等、控えめなカラーの作業着
ブルー系と並んで作業着のカラーとして定番なのが、薄いグリーンやグレー系の控えめなカラーを採用したものです。個人的には、建設現場など土木系の企業が採用しているイメージが強いです。これらのカラーは、控えめなカラーであれば、作業中に目に入ってもあまり気が散ることもなく、作業に集中できることや、ブルー系のカラーと同様に汚れがあまり目立たないという実用的なメリットがあるためです。
また最近では、作業着業界にも様々なデザインの物が登場しており、逆に地味なデザインの作業着の方が落ち着いて良いと言われ、根強い人気があるそうです。
白系の作業着
作業着としては、汚れが目立ち不衛生に見えるため白系の物は敬遠されがちなイメージがあると思います。しかし、衛生管理を重視しなければならない作業場では、すぐに汚れの確認が出来る白の作業着が重宝されます。わかりやすい例をあげると、食品に関連する工場などでは、徹底した衛生管理が必要となるため、衛生白衣等と呼ばれる全身を覆うタイプの作業着が採用されています。
食品関係以外で言えば、世界的な自動車メーカーであるHondaでは、「クルマづくりは命を預かる仕事」という創業者の信念から、医師を連想される白色の作業着が採用されているのです。さらに白色の作業着は「汚れが目立つ」という特徴から、逆に「汚さないように」という考えが働き、丁寧で手際よい作業が出来るようになるとも言われ、精密機械を扱う工場などでは積極的に採用されています。
明るくカラフルな作業着
一般的にブルーや薄いグリーン等、控えめなカラーの物が多い作業着ですが、あえて目立つカラーを採用する場合もあります。これは、「そこで作業をしている」という事を周りに知らせる必要がある業種の場合が多いです。例えば、消防士やJAFの作業員などが着用しているオレンジの作業服であれば、夜間の視界が悪い場所でも目立ちますし、作業中だという事を周囲に知らせ、迂回してもらうことができるというメリットがあるためです。
上記のような実用的なメリット以外にも、目立つ作業着を着用して、企業イメージのアップやブランディングを狙う場合もあるようです。デザイン性が良く目立つ作業着を着用して作業を行えば、周囲の通行人などにもアピールでき、作業着を広告として利用できるというわけです。
まとめ
今回は、作業着のカラーごとに、どのような特徴とメリットがあるのかについてご紹介してきました。本稿でもご紹介したように、一般的な作業着のイメージはブルーや薄いグリーンなどが多いですが、作業着のカラーによって周囲に与える影響や得られるメリットも異なりますので、よく考えてカラーを選ぶべきと言えるでしょう。
もちろん、作業着のカラーには個人の好みの問題もあるものですが、企業の制服という特性上、仕事着として周囲に与えるイメージは無視できるものではないと思います。したがって、その作業着を着て作業を行っている人を見た周囲の人たちに「どのようなイメージを持ってほしいのか?」、またその作業着を着た従業員に「どのような気持ちで働いてもらいたいのか?」を想像しながら作業着選びを進めると良いでしょう。