工場や倉庫において何らかの省エネ対策を進める場合に、さまざまな補助金が用意されています。もちろん、こういった補助金を利用して省エネ設備の導入を図った方が、お得にプロジェクトを進めることが出来るのですが、補助金がたくさんあることで、いったいどの制度が利用できるのか?申請のためにはどういった準備が必要になるのか?など、分からないことも多く、補助金の利用を躊躇してしまっている事業者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、工場や倉庫における省エネ対策で、補助金を申請しようと考えた時におさえておきたいポイントをご紹介します。
Contents
省エネ関連補助金の基礎知識について
それではまず、工場や倉庫で利用できる省エネ関連補助金の基礎知識を簡単にご紹介しておきましょう。一口に「省エネ」と言っても、さまざまな手法がありますので用意されている補助金もさまざまです。
補助金の交付元はおさえておきましょう
近年、さまざまな地球環境の問題の影響もあり、省エネ関連補助金については手厚いものとなっています。そのため、省エネ補助金支援事業を行っているところが複数ありますので、どういった所で交付されているのかはおさえておいた方が良いでしょう。こういった補助金は毎年交付条件や申請時期、交付される金額などが異なります。そのため定期的にどういった補助金が出ているのか最新情報を仕入れる必要があるのです。一般的に、省エネ関連の補助金は、経済産業省、国土交通省、環境省や各地方自治体などが行っていますので、申請手続きはそれぞれの交付元に対して行います。
主な省エネ補助金の種類について
ここでは、工場や倉庫の省エネ対策で利用できる、代表的な補助金をいくつかご紹介しておきましょう。
補助率については、事業単位の場合には「1/4以内」「1/3以内」「1/2以内」のいずれかを経済産業省と協議したうえで決定されます。設備単位の場合は、1/3以内の補助率と決まっています。
参考:経済産業省『平成31年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金の概要』より
補助金に関しては、対象設備の導入にかかる費用に対して、その1/3を補助してもらえるということになっています。
参考:環境省『2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』より
補助率に関しては、躯体の改修工事であること、工事費用が500万円以上であることが要件となり、改修工事費用の1/3かつ補助上限金額5,000万円となっています。
参考:国土交通省『平成31年度 既存建築物省エネ化推進事業』より
省エネ補助金を申請する場合に知っておきたいこと
それではここからは、実際に省エネ関連の補助金を申請する場合、おさえておきたいポイントをいくつかご紹介しておきましょう。
必ず補助金が通るわけではない!
省エネ関連の補助金に関わらず、どのような補助金の申請だとしても、申請さえすれば全てが必ず採択されるわけではありません。専門家にアドバイスをもらい、せっかく時間をかけて準備、申請手続きを進めたとしても、採択されない…なんてことも珍しくありません。
近年では、補助金採択のハードルが上がっているとも言われていますので、それを念頭に置いたうえで十分な準備をして申請を行いましょう。もちろん、採択されなかった場合の対処なども考えておくのがオススメです。
補助金申請は専門知識も必要
どのような補助金でも、インターネットで少し調べてみれば、申請方法などを説明してくれているHPなどが見つかると思います。また、記載する申請書などを見ても、申請自体はそこまで難しくないので、自分たちだけ申請してみようと考える方も多いのではないでしょうか?
しかし、省エネ補助金の申請を実際に行う場合には、どのような設備を利用して省エネに取り組むのか、省エネ実現率はどうやって計算するのか、省エネに有効な設備はどのようなものがあり、また自社に導入できるものなのかなど、非常に幅広い専門知識や調査が必要になるのです。したがって、こういった補助金申請を自社の社員だけで行うのは難しいと言えるでしょう。
上述したように、近年では補助金採択のハードルも上がっていると言われていますので、少しでも採択の確率をあげるためには、申請のために用意する書類などの精度をあげなければいけません。自社だけでは、精度の高い申請書の作成が難しいと思った場合は、積極的に専門家に相談することをおすすめします。
補助金支払いのタイミングもおさえておきましょう
補助金は、申請が採択されることも重要ですが、「いつ支払ってもらえるのか?」というタイミングも考えておかなければいけません。補助金というものは、基本的に後払いで支払われるものですので、設備の導入や工事に関しては自己資金を使って、実際に行っておかなければいけません。
こういった補助制度は、補助金申請のための準備期間や、申請してから補助対象が決定されるまでの審査期間など、実際に支払われるまでに相当な時間がかかるということを頭に入れておかなければならないでしょう。
まとめ
今回は、工場や倉庫で利用できる省エネ関連補助金の種類や、申請の際の注意点などをご紹介しました。近年では、世界的に地球温暖化問題などが話し合われているため、日本でもCO2排出量削減や省エネ対策などには手厚い補助金制度が設けられています。こういった省エネ対策関連の補助金は、対象となる設備の指定などはあるものの、業種などの限定は特になく、補助金額も大きいものが多いというのが特徴です。もちろん、補助制度があるからといって、不要な設備を導入することには意味がありませんが、企業として少しでも省エネや、CO2排出量削減に貢献したいと考えている場合には、非常にありがたい制度となっています。
もちろん、申請すればすべて採択されるわけでもありませんので、申請の際にはきちんと事前準備を行い、精度の高い申請ができるようにしましょう。