物流業界で注目されるピッキングロボットとは?

インターネットで買い物を行うことが当たり前となった現在では、オンラインショップで購入した商品が、最短でその日のうちに手元に届くことさえある時代になっています。ネット通販におけるこういったスピーディな対応が可能になったのは、運送工程の効率化はもちろん、倉庫内に保管されている無数の商品の中から必要な商品を探し出す、ピッキング作業の効率化が進歩したことも非常に大きいと言われています。

ピッキングとは、さまざまな商品群の中から必要な商品を取り出して(ピックアップする)移動させる作業のことを指しています。製造業においては、既に多くの現場でピッキングロボットが活躍しており、自動車製造工場などにおいて、ロボットがさまざまな部品を取り出して車体に組み込んでいる映像などをテレビで見たことがあるという方も多いと思います。他にも、食品や化粧品、薬品、機械部品の組み立て・整列など、さまざまな製造現場でピッキングロボットが活用されるようになっています。

しかし、製造現場で活躍するこれらのロボットは、場所が固定化されているうえに、作業工程やピッキングをする対象物もパターン化されていることがほとんどです。これに対し、物流業界で行われるピッキング作業は、広大な倉庫内から必要な商品を探し出すということが重要になるため、ピッキング作業の自動化が非常に難しいわけです。
この記事では、物流業界で導入され始めている、ピッキングロボットの基礎知識についてご紹介します。

物流におけるピッキングロボットの難しさ

それではまず、物流業界で導入され始めたピッキングロボットについて、古くからロボットが活用されている製造業界との違いについて簡単にご紹介しておきます。

冒頭でご紹介したように、製造業界では既に多くの現場でピッキングロボットが使われるようになっています。工場の自動化などを特集するテレビ番組などでは、さまざまなロボットが自動で部品を取り出し、製品を組み立てていくという工程が何度も放送されており、皆さんもピッキングロボットがどのように活用されているのかはご存知だと思います。

こういった製造現場で活躍するピッキングロボットは、ほとんどの場合、場所が固定されており、その作業や取り扱う部品もパターン化されています。しかし、物流現場では、ピッキングリストに沿って広大な倉庫内に設置されている棚から商品を探し出し、ピッキングする商品も、重さや形、サイズなどがさまざまですので、場所や作業の固定化が難しいと言えます。
そのため、物流現場で必要とされるピッキングロボットは、製造現場のロボットと必要とされる機能が異なるわけです。こういったことから、広い倉庫内から対象の商品を探し出し、1つずつピッキングする作業の自動化は非常に難しいと言われ、製造現場と比較すれば物流での自動化は後れを取っているのが現状です。

物流業界で導入が始まったピッキングロボットとは

物流業界では、慢性的な人手不足が大きな悩みとなっています。少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化していると言われていますが、物流業界でも、雇用する人材の確保にどの企業も苦労していると言われています。そこでこのような状況を改善しようと、物流の自動化、省人化、省力化をキーワードに、急速に物流関連のロボットの開発・導入が進んでいます。

ここでは、物流業界で導入され始めた、ピッキングロボットの事例をいくつかご紹介しておきます。

Amazonの事例

物流業界でのロボット導入で有名なのはAmazonです。Amazonで導入されているロボットは、「GTP(Goods To Person)」と呼ばれるタイプのもので、ピッキング作業者のもとまで、注文があった商品が格納された棚ごと運んでくるという「移動棚ロボット」となります。このタイプのロボットは、作業員がピッキングのために棚まで歩いていく必要がなくなりますので、作業負担を大幅に軽減してくれます。

倉庫自動化に最も近いオートストア

近年、世界中で注目されているのが、オートストアで知られる自動倉庫型ピッキングシステム『AS/RS(Automated Storage and Retrieval System)』です。以前このサイト内でもご紹介しましたが、この倉庫システムは、グリッド上を動くロボットが自動で入出庫を行うというストレージシステムになっています。このタイプは、限られたスペースでも収納容量を圧縮し、レイアウトの自由度が高いという特徴があります。現在、倉庫の自動化に最も近いシステムと言えるのではないでしょうか。

最近よく聞く『ファクトリー・オートメーション』。最新のピッキングロボット『オートストア』はここまで来た!

上記以外にも、物流業界の省力化・省人化を実現できるロボットとして注目されているのが『搬送ロボット』と呼ばれるタイプのものです。こちらは、以前別記事でご紹介していますので、そちらの記事もご参照してください。

関連記事:物流業界の方は必見!倉庫の省人化を実現する世界の搬送ロボットをご紹介!

ピッキングロボット導入のメリット・デメリット

それでは最後に、ここ数年、物流業界からの注目度がどんどん高くなっているピッキングロボットについて、実際に導入する場合のメリットとデメリットについても考えてみましょう。

まずピッキングロボットの導入によって得られるメリットからですが、これはロボットによる作業によって作業精度が向上し、ミスが少なくなることで作業の質が安定すると言う点が一つでしょう。さらに、人手に比べると、作業効率が良くなるだけでなく、重量物の運搬や危険な環境下での作業も可能など、作業員の負担軽減に大きく役立ってくれるというメリットもあります。また、倉庫内作業の省人化が実現しますので、人件費などのランニングコスト削減も期待できます。

一方、デメリットを考えてみれば、導入に多額のコストがかかるという点があげられます。他にも、ロボットの誤作動や故障などの時に対応できるよう、今まで必要のなかった人材の確保が必要になるという点も考えられます。

まとめ

今回は、物流業界で年々その注目度が高くなっているピッキングロボットについてご紹介してきました。製造業界などでは、数十年前から活用されていたのですが、多種多様な商品の取り扱いが必要な物流業界では、ピッキング作業の自動化が難しいとされており、なかなか導入が進んでいなかったという現実があります。しかし、物流現場での人手不足が深刻化している現在では、倉庫作業の省人化・省力化のために、急速に物流関係のロボットが進化しています。

今後も物流現場での最新テクノロジーの導入による自動化の流れは、急速に進んでいくと考えられますので、どういった技術の開発が進んでいるのかは逐一チェックしておくべきだと思いますよ。なお、こういった最新テクノロジーについては、全国各地で専門の展示会などが開催されているので、自社に役立つ技術があるかを確認しておくのがオススメです。

【2021年上半期】日本国内で開催される物流関連の展示会をご紹介!

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