『レジ待ち』を解消すると言われるRFIDって何だ?RFIDの基礎知識と活用事例について

近年、RFIDやICタグを使った運用がさまざまな業界で広がっています。RFIDは、「複数のアイテムを一括処理できる」「遠くのものを識別できる」など、さまざまな特長を持っているため、アパレル業界や物流業界では積極的に導入が進んでいると言われています。特に、アパレル大手のユニクロでは、RFIDタグを活用した新型セルフレジの導入によって大幅にレジ待ちが解消されたと話題になっており、将来的には有人でのレジ会計よりもセルフレジの比率が高くなっていくと予想されています。

RFIDは、店舗や各施設など身近に見える場所で、レジ待ち時間の解消やレジスタッフの人員削減などが可能ということで注目されています。しかし、実は物流倉庫など普段一般の人が見えない部分でも幅広く使われているのです。利用用途の一例としては、以下のようなものがあげられます。

  • アパレル業界などの店舗 ⇒ セルフレジ、商品の棚卸
  • 物流倉庫 ⇒ 商品の入出庫管理、庫内の動線管理
  • 文教施設 ⇒ 備品の管理、図書などの貸し借りを管理

上記のように、RFIDは非常に幅広い業種で導入が進んでおり、この技術はサービスを「提供する側」「受ける側」双方に大きなメリットが存在していると言われているのです。
そこで今回は、RDIDが「そもそもどういった仕組みのものなのか?」という基礎知識や、実際にどういった方法で活用されているのかを簡単にご紹介していきます。

RFIDとは?

RFIDは「Radio Frequency Identification」の略語で、これは記憶媒体であるRFIDタグに登録された情報を、無線電波によって接触させる必要もなく読み取ることができるものです。わかりやすい例をあげると、電車に乗る時など、皆さんもよく利用するSuicaやPASMOなどといった交通系のICカードに利用されていたり、高速道路で利用するETCカードにもRFIDが利用されています。さらに、回転寿司チェーンのスシローなどでは、皿の裏にRFIDタグを貼りつけておき、効率的な鮮度管理を実現するシステムを使っています。これにより、廃棄率を大幅に下げることに成功したと発表しています。
このように、私たちの身近な場所でRFIDが活躍しているのです。

RFIDの特徴

RFIDは、以下の3つが特徴だと言われています。

  • 非接触でもデータの読み書きが可能
  • 電波や電磁界で情報のやり取りを行うため、タグが見えていなくても構わない
  • 一括で複数のタグを管理できる

ちなみに、一口に『RFID』と言っても様々な種類が存在しており、HF帯(短波帯)の周波数で電磁波を発する『電磁誘導タイプ』と、UHF帯(極超短波)などの電波を利用する『電波方式』の2種類があります。もちろん、どちらもタグとリーダーを使って信号のやりとをすることには変わらないのですが、種類によって得手不得手があるので注意が必要です。電磁誘導タイプのRFIDは「エネルギー効率が良い反面、通信距離が短くなってしまう」、電波方式の場合は「通信距離は長いが、指向性が小さい」という特徴があります。

物流管理に役立つRFID

RFIDは、非接触かつ一括で複数のタグを読み取れるという利点があるため、物流管理のシーンでは非常に役立つシステムとなっています。従来のバーコードを利用した管理と比較してみると、バーコードは商品に取り付けられたバーコードをバーコードスキャナで1点ずつ読み取らなければいけなかったのですが、RFIDを利用すれば入出庫管理などが一括で処理できるようになるため、作業効率が大幅に改善するのです。さらに、RFIDはバーコードと比較すると登録できる情報も非常に多いため、いつどこの工場で生産されたか、どのようなルートを通ってきたのかなど、商品の詳細な課程を読むことも可能になります。
アパレル店などで考えれば、どの棚に陳列され、そのルートでレジに持って行かれたという、店内の動線まで追跡できるようになるため、店舗デザインや関連商品の販売まで、幅広く活用することができるでしょう。もちろん、店舗での棚卸なども、商品を1つずつ数える必要もなく、一気に片づけることが可能となるため、スタッフの労働環境改善や人員削減に役立ちます。

RFIDの活用事例

それでは、実際にどのような場所でRFIDが活躍しているのかも見ておきましょう。近年、アパレル業界でセルフレジが話題になっていますが、さらにそれが進化し、店舗のスマート化として無人店舗なども登場しています。他にも食品ロス削減のための対策や、物流業界での活躍など、本当に幅広い業界で利用されているのです。ここでは、ほんの一部となりますが、RFIDの活用事例をいくつかご紹介します。

無人店舗でのRFID活用

ここで言う無人店舗とは、レジで会計をする必要がないお店です。有名なところでは『Amazon GO』があります。『Amazon GO』は商品棚から欲しい商品を取り、自分のバックなどに入れて店舗のゲートを通過すれば自動で会計が完了するシステムになっています。商品代金は、アマゾンのアカウントに請求がいく仕組みです。ただし、『Amazon GO』に関しては、店内に設置された数百台のカメラで商品をチェックするシステムになっておりRFIDの技術は使われていません。
RFIDが活躍する無人店舗としては、中国のコンテナ型無人コンビニ『BINGO BOX』です。この店舗は、オープン当初、ICタグにアルミホイルを巻き付けて会計逃れをする…などと言った不正も多かったそうですが、近年では、ICタグによる徹底した在庫管理に加え、画像認証や重量認証といった他の技術と組み合わせるなどの方法を取り入れ不正ができないように、店舗改革を進めているそうです。

GUのセルフレジ

ユニクロと並び、GUのセルフレジも近年話題になりましたね。GUでは、2017年4月よりセルフレジを導入しており、なんと欲しい商品のハンガーを外し、セルフレジ内に設置されているボックスに商品を入れるだけで、商品点数や合計金額が瞬時に表示される仕組みになっています。このセルフレジは、有人レジでの会計と比較すると、会計時間を最大で1/3にまで短縮できると言われています。消費者にとってもレジ待ち時間が大幅に短くなるため、非常にありがたい仕組みとなっています。

その他の活用事例

RFIDは、上記のように小売店の進化だけでなく、さまざまな面で活用されています。

  • 賞味期限の把握に利用
    食品は人の口に入るものですので、非常にデリケートな管理が必要になります。RFIDに賞味期限や消費期限を記録しておけば、期限切れが近づいたらアラームで知らせてくれるなど、期限切れ商品が店頭に並ぶリスクを低くしてくれます。また、期限の把握を正確にすることで、割引サービスの管理も容易になり、廃棄食品の削減につなげることができるようになります。
  • RFIDによる入場制限
    アパレルブランドの中には、新作のリリースイベントの際など、販売会場の入場制限にRFIDを活用している店舗もあります。転売目的の購入者の増加もあり、人気ブランドとなると、店舗に長蛇の列が出ることも当たり前になりつつあり、顧客同士のトラブルが増加していると言われます。そこで、RFIDタグを導入したチケットなどを予め配布しておき、顧客の入場制限を行っているのです。これにより顧客も安全に買い物ができるようになり、列待ち時間も解消されます。
  • 自動車の洗車サービス
    自動車業界にもRFIDが使われています。例えば、RFIDによって車種の情報や購入者の情報などを記憶しておくことで、購入後のアフターサポートなどに役立てているそうです。
  • 生産量のコントロール
    RFIDによって生産から小売りまでを一括管理する企業も増えています。生産から販売までの工程を同じタグを使って管理することで、今後の販売までのプロセスの合理化や、無駄のない生産量のコントロールができると言われています。

まとめ

今回は、さまざまな業界で活躍しているRFIDについてご紹介しました。RFIDと聞けば、ユニクロが導入しているようなセルフレジやSuicaやICOCAのような交通系ICカードをイメージする人が多いと思いますが、実は普段の生活の中で目に見えない場所でも活用されている技術です。多くの情報を記憶することができ、それらを一括管理できるという点では、今後の物流業界にとって必要不可欠な技術だと言えます。
RFIDは倉庫や工場の自動化にも非常に重要な役割を担っていますので、興味がある方は詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

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