食品工場の個人衛生について。普通の企業とは身だしなみから違います!

今回は、さまざまな食品を取り扱う食品工場における身だしなみの基礎知識についてご紹介します。私たちの普段の生活において、スーパーやコンビニなどで手に入る食品は、なくてはならない存在になっています。忙しい毎日の生活の中でも、電子レンジで温めるだけですぐに食べられるような商品はたくさん販売されていますし、頻繁にお世話になっている方は非常に多いことでしょう。
これらの加工食品は、日本全国にあるさまざまな食品工場で作られているのですが、こういった工場は人間が口にするものを作るという特性上、非常に厳しい衛生管理体制が整えられているのです。例えば、通常の企業で営業を担当している女性であれば、毎朝バッチリメイクを決めて出勤するのが当たり前の所、食品工場の中には女性の過度な化粧を厳禁としている所も少なくありません。他にも、髪型や身につけるアクセサリーなど、食品工場内で求められる個人衛生は一般企業では考えられないほど厳しいものになっているのです。
こういった衛生管理は、私たちが口にする食品に異物が混入されるような事を防ぐのが目的とされています。そこでこの記事では、私たちの食の安全を守るために食品工場で採用されている身だしなみに関する基礎知識をご紹介します。

食品工場での服装の基本


それではまず、食品工場での基本的な『服装』に関してご紹介していきましょう。ほとんどの食品工場では、工場内で働く従業員に指定の作業着を支給しています。例えば、上の画像のような服装をイメージすると非常にわかりやすいと思います。基本的に、作業員の身体から異物が食品に付着しないように『目だけが出ている』状態というのが基本となります。

  • フルフードタイプの帽子をかぶる
  • マスクを着用する
  • 上下長袖の作業着を着る

ちなみに、長髪の方に関しては、帽子から髪の毛がはみ出てしまうような恰好では作業に従事させてもらうことはできません。そのままでは帽子に髪の毛が収まらない場合、ヘアバンドでまとめる、ヘアゴムなどで結んだりして帽子の中に完全に入れなけばならないと指示されます。食の安全を守るためには、髪の毛1本でも許されないという非常に厳しい衛生管理がなされているのです。

食品工場で働く場合、注意しなければならない身だしなみは?

食品工場での基本的な服装は分かっていただけましたね。基本的に目だけが出ている状態で作業することになり、作業員からの食品への異物混入を防ぐようになっているのです。

それでは、一般企業では問題ないとされている身だしなみでも、食品工場で働くなら注意しなければならないポイントをいくつかの項目に分けてご紹介していきましょう。

髪型について

まず多くの方が気になるのは「髪型について何らかの制限はあるのか?」ということではないでしょうか?結論から言いうと、食品工場で働く場合に髪型や髪色に関して厳しい制限を設けている工場は少ないです。もちろん、社会人として常識の範囲外となってしまう髪型・髪色の場合は注意されてしまうこともあるでしょうが、「男性は坊主頭」「女性は肩より短く」などと明確な基準は特にないと考えても良いです。
特に髪色に関しては、一般企業よりも基準が緩く茶髪程度で注意を受けるようなことはないと考えておいて良いでしょう。作業に従事している時、露出しないような髪型になっていれば、特に文句を言われることはありませんので、一般企業よりは自由度が高いです。

化粧はどうすればいいの?

一般企業の事務職や営業職であれば、女性が化粧もせずに出勤した場合「マナーがなっていない」と指摘されてしまうこともあります。しかし食品工場で働くことを考えた場合、一般企業とは異なり過度な化粧は厳禁とされているのが普通なのです。
もちろん、出勤のために一般的な薄い化粧をする程度は問題ないのですが、香水など製品に匂いが移る可能性があるような化粧品は良く思われないので使用しない方が良いでしょう。

外れる可能性があるものはNG
化粧に関しては、「過度な化粧」が厳禁とされているだけで、常識の範囲内の化粧であれば問題ありません。食品工場で特に注意しておきたいのは、「つけまつげ・コンタクトレンズ・ネイル」など、外れる可能性があるものに関しては禁止だということです。作業中にいつの間にか「つけまつげ」がとれていた…なんてことになると、どの製品に異物が混入しているかもわからなくなってしまうため、全ての商品を廃棄しなくてはならなくなる…など、大損害を発生させてしまう危険があります。
したがって、通勤時にコンタクトレンズを着用していたとしても、作業に従事する際には外してメガネをかける必要がありますし、ピアスや指輪などの装飾品も外すように指示されると考えておきましょう。

男性であれば『ヒゲ』に注意

上記2つのポイントは主に女性が注意しなければいけないことですが、男性従業員の場合は『ヒゲ』に注意しなければいけません。
最近では、IT企業などを中心に「髭をオシャレ」として認めているような企業も増えていますが、食品工場で作業することを考えた場合、ヒゲはNGだと考えておきましょう。面倒に思っても毎朝必ず剃ってから出勤しなければ、上司に指摘されることになるでしょう。食品工場では、何よりも『食の安全安心』が重要視される場所ですので、オシャレのためにヒゲは剃りたくない…などと言う考えがあるのであれば、食品工場に向いていないと言えるでしょう。

まとめ

今回は、食品工場で働くことを考えた場合、絶対におさえておきたい身だしなみの注意点についてご紹介してきました。さまざまな製品を作り、私たちの生活を支えてくれる食品工場では、何よりも食の安全を守るため、厳しい衛生管理が求められています。食品工場での衛生管理は、施設や設備的な工夫を行うのは当然なのですが、何より施設内で作業する人間の個人衛生がしっかりと整っていなければいけません。そのため、他の業種が考える身だしなみの一般常識では考えられないほどの厳しい目で見られると考えておきましょう。

少しでも従業員が個人衛生を怠ってしまうと、知らないうちに製品に異物が混入してしまい、重大な食品事故が発生してしまう危険が存在するのです。食品工場で働くことを考えた場合には、『食の安全を守るためには?』という観点でルール作りがされていると覚えておきましょう。