食品汚染を招いてしまう原材料のNG保管方法をご紹介!

今回は、さまざまな食品を取り扱う施設において、注意しておきたい原材料の保管方法について簡単にご紹介します。

これからの季節は気温がどんどん上昇していき、春から夏にかけては食中毒が増加傾向になるということもあり、食材の保管方法にはより、注意しなければいけません。当然、冬場など気温が低い時期であっても、細心の注意を払って食材の取り扱いを行っているのでしょうが、これからの時期は食材自体が傷みやすくなりますので、保管方法が適切でない場合には傷むまでの期間が短くなってしまったり、最悪の場合は、他の食材まで汚染を広げてしまう危険もあります。

食材を取り扱っている施設において食品汚染を防ぐためには、徹底した食材の管理が必要です。そこで今回は、食品汚染を招いてしまう危険があるNG保管例をいくつかご紹介していきますので、自社の保管方法に該当する項目が無いか確認してみてください。

食材のNG保管方法をご紹介

それでは、食品工場や飲食店などにおいて、食材を保管するときのNG保管事例をいくつかご紹介していきましょう。適切な保管方法を心がけなければ、気付かないうちに食材が傷んでしまっており食品事故を引き起こしてしまう危険があります。以下でご紹介するような保管方法を自社で行っているのであれば、食材の保管方法を見直す必要があるでしょう。

NG例① 露出した状態で食材を保管する…

食材が容器や袋からむき出し状態で保管されている場合は注意が必要です。特に飲食店などであれば、注文が入れば使用する食材だからと、むき出し状態で置いている…なんてことは多いのではないでしょうか?このような保管方法をしてしまうと、舞っているホコリや外部から侵入してきた小さな虫が異物として混入してしまう危険があります。
また、冷蔵庫内で生肉や生魚を解凍する場合には、下段の食材に解凍液(ドリップ)が落ちてしまい、他の食材を汚染してしまう恐れがあります。他には、床から60cm以下の場所であれば、床から跳ねた水がかかってしまうなどの食品汚染の危険が存在します。
すぐに使用予定の食材だとしても、蓋つきの容器を使用するか、ラップをかけて保管するようにしましょう。

NG例② 食材の保管場所を決めていない…

事例①でもご紹介しましたが、生肉や生魚を冷蔵庫で解凍するときには、解凍液(ドリップ)がでます。したがって、解凍中の食材の下段に別の食材を保管している…などと言った保管方法を採用している場合、解凍液が食材にかかってしまい汚染されてしまう危険があるのです。解凍液が生じるような食材を冷蔵庫内に保管する場合は、一番下の段に保管するなど、冷蔵庫・冷凍庫での保管場所を決めておく必要があります。
解凍液以外にも、アレルゲンの食材を保管する場合もきちんと場所を決めて保管しておかなければいけません。そうしなければ、別の食材に混入してしまい、食品事故を起こしてしまう危険があります。冷蔵庫や冷凍庫内に関しても、「どこに何を保管するのか?」をきちんと決めて、関わる社員やスタッフ全員がわかりやすい場所に明示しておくのがオススメです。

NG例③ 食材を段ボールに入れたまま保管する…

搬入した食材に関して、段ボールに入れたまま保管する…という施設は多いかもしれません。しかし、この保管方法はNGです。
食材を入れている段ボールは、細菌や昆虫の卵、外部から付着した汚れなどがついている可能性があるため、そのまま保管場所に持ち込んでしまうと、他の食材や容器に汚染が移ってしまう危険があるのです。したがって、多くの食材を保管する場所に入れる前にきちんと検品を行い、検品後に専用の容器に移し替えて保管するようにしましょう。

NG例④ 床に直置きする…壁につけた状態で保管する…

小麦粉などの粉末や、砂糖など専用の袋に入った食材に関しては、床に直置きして積み上げておく…と言った保管方法がよく見られます。
しかし、床に直置きする…壁につけた状態で保管する…といった場合、ホコリが付着したり、床や壁伝いから昆虫が混入してしまう危険が高くなります。また、実際に食材を使用するため、施設内に運ぶ際には台車やパレットなどに乗せなければならないなど、余計な手間がかかってしまいます。
したがって、こういった食材を保管する場合には、床や壁に直接つかないように注意するとともに、運びやすいよう清潔な台車やパレットにのせたまま保管しておくのがオススメです。

NG例⑤ 何が入っているか分からない状態で保管する…

搬入した食材を、専用の容器に移し替えて保管する場合、それぞれの容器に何が入っているのかが一目でわかるようにしなければいけません。
例えば、肉類に関して部位別に保管容器を変えるにしても、見た目が似ているものを何の表記もせずに保管した場合、作業の際に取り違えが発生して違う食材を使用してしまう危険があります。特に、アレルゲンに関しては、間違って使用してしまえば、重大な食品事故が発生してしまう危険がありますし、どの従業員が作業を行うにしても、一目でどの食材が入っているのかを確認できるような工夫が必要です。

NG例⑥ 納入日・開封日・賞味期限が分からない…

食材を使用する場合には、納入された順で使用するのが基本です。また、開封した食材は、劣化が進行していきますので、傷んで使えなくなるまでに使用しなければいけません。
しかし、納入日や開封された日が分からない状態で保管してしまうと、食材の品質低下に気付かずに使用してしまうリスクが生じます。したがって、納入された食材に関しては、『納入日・開封日・消費(賞味)期限』が一目でわかる状態で保管するようにしましょう。そうすれば、納入された順にきちんと消費することができ、食品ロスの削減にも繋がるはずです。

まとめ

今回は、食品を取り扱う施設において、食品事故を引き起こさないためにおさえておきたい『食材のNG保管例』についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、適切な方法で食材を保管しないと、その食材が傷んでしまうだけでなく、近くに保管している食材にまで汚染を広げてしまい、非常に大きな問題となります。
もちろん、施設のスペース的な問題で保管方法に困っている…なんて場合もあるのでしょうが、できるだけ食品汚染をおこさないように保管方法を工夫するようにしましょう。