企業が行うべきインフルエンザ対策とは?

本格的に寒くなってくると、体調を崩してしまう人も増加して風邪などが流行します。特に、インフルエンザに関しては、非常に感染力が強く、一人の従業員がインフルエンザになってしまうと、社内で次々に感染が広がってしまい、業務の続行すらままならなくなってしまう…なんてことも考えられます。インフルエンザは、毎年12月や1月頃から本格的に流行すると言われているのですが、2019年に関しては10月頃よりインフルエンザの流行が始まっていると言われていますので、例年よりもさらに注意が必要と言えるでしょう。

それでは、何かと仕事も忙しくなってしまう年末年始に向けて、企業の業務効率を落とさないためにできるインフルエンザ感染予防にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、インフルエンザによる被害を最小限におさえるため、企業として講ずるべき対策をいくつかご紹介したいと思います。

企業が行うべきインフルエンザ対策

それでは、会社内でインフルエンザの感染拡大を防ぐための対策についてご紹介します。最近では、この時期になると大手メディアなどで頻繁にインフルエンザに関する報道がなされているため、「インフルエンザの危険性」については多くの方が認識していることだと思います。しかし、日本国内では、「体調が悪くても、ひとまず出勤しなければいけない…」などと言った考えが根強く残っているため、毎年多くの企業でインフルエンザの社内感染が発生していると考えられます。
冒頭でご紹介したように、インフルエンザは非常に感染力が高いため、インフルエンザの疑いがあれば、本来出社などしない方が安全なのですが、「仕事に穴をあけるわけにはいかない…」という日本人の勤勉さからか、医師の診断すら受けずにインフルエンザを拡大させてしまう人もいるのです。インフルエンザの危険性が広く認知されてきた最近でも、こういった状況はなかなか改善されていません。よって、こういった行動からインフルエンザの拡大を防ぐには、従業員の考えに任せるのではなく、インフルエンザの疑いがある場合の対処に関して、きちんと企業でルールを作っておかなければならないのではないでしょうか。
以下で、企業が率先して行うべきインフルエンザ対策をいくつがご紹介しておきましょう。

インフルエンザの感染情報を収集、従業員に提供

まず大切になるのは、インフルエンザに関する情報の収集です。インフルエンザにも種類が存在しており、その年によって流行する型や時期などが違ってきます。したがって、最新のインフルエンザ流行動向などは常に把握しておくことが重要になります。
こういった情報収集がきちんとできていれば、従業員に対する注意喚起も適切に行うことができます。厚生労働省では、インフルエンザの流行動向を頻繁に公表していますので、そういったものから情報を収集し、流行の兆しが見られたら、従業員への注意喚起を強め、インフルエンザ対策用の備品を増やすなどの行動をとることができるようになるはずです。

参考:厚生労働省『インフルエンザ(総合ページ)

予防接種の推奨

インフルエンザ対策として有名なのは、予防接種を受けるという方法です。インフルエンザの予防接種は、発症をある程度抑え、インフルエンザに罹ったとしても重症化するのを避ける効果があると言われています。
つまり、企業が率先して従業員に予防接種を受けさせることで、インフルエンザによる従業員の欠勤で、業務が滞るリスクをある程度減らしてくれると期待できるのです。企業としては、予防接種にかかる費用を補助してあげる、予防接種の機会を設けるなどの対策ができるでしょう。なお、予防接種に関しては、従業員の家族なども受けておくように推奨するのが良いでしょう。

職場の衛生環境

インフルエンザは、乾燥する冬場に流行するものです。冬場になると、暖房をつけて長時間窓を閉め切った状態で仕事する事が多いでしょうが、この状況ではきれいな空気を保ちにくくなります。したがって、1時間に1度5分程度窓を開けて換気するなどのルールを作ることをおすすめします。また、室内が乾燥しすぎてしまうのも、インフルエンザに感染する原因となりますので、湿度が40%を下回らないように加湿しておくのも重要です。

咳エチケットを徹底させる

『咳エチケット』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、厚生労働省が推奨している取り組みで、咳やくしゃみが出る人はマスクを着用する、マスクが無い場合には他人から1m以上離れてから咳やくしゃみをするというものです。また、鼻水などが付着したティッシュなどは、ゴミ箱に長期間放置するのではなく、できるだけ早く捨てるという内容もあります。
インフルエンザの感染は、咳やくしゃみによる飛沫感染が大きな原因と考えられていますので、社内で「咳エチケットの徹底をする」という対策を行うことで、インフルエンザに感染してしまう確率を下げることが期待できます。なお、インフルエンザなどが流行する時期には、備品としてマスクなどを用意しておくのもオススメです。

MEMO
マスクをつけておけば、インフルエンザに感染しない…と考えている人も多いようですが、インフルエンザウィルスは非常に小さく、マスクをすり抜けてしまいます。したがって、マスクは「感染を予防するものではない」ということを覚えておきましょう。インフルエンザ対策としてマスクが有効と言われるのは、咳やくしゃみによって遠くまでインフルエンザウィルスが飛散してしまうのを防ぐことができるからです。

参考:厚生労働省『咳エチケット』ページ

まとめ

今回は、冬場になると流行するインフルエンザに関して、企業が行うべき対策をご紹介しました。冒頭でご紹介したように、今年のインフルエンザは、例年よりも圧倒的に早く流行していると言われており、ひと冬の間に2回以上インフルエンザに感染してしまう人も多く出るのではないかと予測されています。企業にとって、インフルエンザが、従業員間で感染が広がってしまうと業務の実行を困難にしてしまう危険があるので、そういったリスクを回避するためにも、企業側が率先してインフルエンザ対策を行うべきだと考えられます。

なお、インフルエンザ対策に関しては、間違った情報も多く出回っているため、従業員に何らかの指示を行う場合には、その情報が本当のことなのかもしっかりと調べたうえで行いましょう。間違った知識で対策を行ってしまえば、多くの人に影響が出てしまうことになります。