トラックにもドライブレコーダを!乗用車向けのドラレコが動作しない場合もあるので注意しましょう。

近年、『煽り運転』などの危険運転が社会問題ともなっており、テレビなどのニュースでも頻繁に取り上げられるようになっています。『煽り運転』については、誰もが一度は耳にしたことがあると思いますが、要は前方車両に対する嫌がらせで、執拗に車間距離を詰める事やパッシング等をして前方車両を威圧する行為の事です。この記事を読んでいる方の中でも、法定速度内で走行しているのに、後続車両に煽られた…と言う経験がある人は多いかもしれません。

この『煽り運転』は、死亡事故などの重大事故を引き起こす可能性も高く、最近では警察などでも厳しく取り締まりを行うようになっています。また、法改正や技術開発などによってさまざまな対策が行われるようにもなっています。そんな対策の中でも、自分で簡単に行える対策の一つとして注目されているのが「ドライブレコーダー」です。ドライブレコーダーは、走行中の車体の外観や周辺などを撮影しておける車載カメラで、元々は万一事故が発生した際に証拠として現場の状況を残しておけるものとして人気のアイテムです。しかし、近年では、煽り運転の防止に非常に役立つアイテムとしても認知され、豊富な種類のドライブレコーダーが登場しています。

ドライブレコーダーは、乗用車ではなく、大型のトラックなどに取り付ける場合、一般の車両とは異なる制約があるので注意が必要です。つまり、何も考えずに、「人気の機種だから!」と言った理由で選んでしまった場合、トラックに取り付けたとしても正常に動作しない可能性もあるのです。そこで今回は、トラックにドライブレコーダーを取り付けたいと思った時に注意しておきたいポイントをご紹介します。

ドライブレコーダーの基礎知識

今さら感はありますが、まずはドライブレコーダーがどのような役割を担っているのかを簡単にご紹介しておきましょう。冒頭でもご紹介したように、ドライブレコーダーは「車載カメラの一種で、走行中の自分の車や周辺の状況などを撮影し、万一事故が発生した場合に、現場の状況を映像として記録しておく」ことができるものです。他にも、センサー付きのドライブレコーダーなどもあり、駐車中の自動車周辺で何らかの動きを感知した際、自動で撮影を始め映像を残しておくなど、車上荒らし対策などにも利用できるタイプがあります。
特に最近では、煽り運転が社会問題にもなっていることから、煽り運転への規制が強化され、実際に事故に至っていない場合でも「事故につながりかねない危険な運転…」と判断された場合には、免許停止などの処分が下されるようになっています。ドライブレコーダーを取り付けておけば、万一煽り運転を受けた際も、非常に強力な証拠能力を持つため、ドライブレコーダーを取り付ける方が増加しているのです。

このように、近年ドライブレコーダーの需要は非常に高くなっています。一方で、その人気の高さから、ドライブレコーダーの種類が増えすぎてしまい、「どれを選べば良いか分からない…」という声も多くなっています。以下で、ドライブレコーダーを選ぶときに注意しておきたいポイントをいくつかご紹介しておきます。

画素数に注意

ドライブレコーダーは、上述のように、万一の事故や煽り運転被害を受けた際に、強力な証拠能力を発揮するというのが大きなメリットです。したがって、映像が鮮明に残せるタイプのドライブレコーダーを選択すべきです。せっかくドライブレコーダーで記録された映像があるのに、「画質が悪くて、相手のナンバーが確認できない…」などとなっては意味がありません。
したがって、ドライブレコーダーを選ぶ際には、『フルHD』タイプを基本に『解像度:1920×1080(フルHD)』『画素数:200万画素』以上を最低ラインとして選ぶと良いでしょう。

画角に注意

ドライブレコーダーを購入する際には、『画角』にも注意する必要があります。『画角』とは、簡単に言うと撮影できる視界角のことで、画角が広いものほど安心です。自動車事故というものは、必ず真正面から発生するという訳でもなく、斜めからぶつけられたり、真横から突っ込まれたりすることも想定しておかなければいけません。したがって、より広い画角で撮影できるドライブレコーダーを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、ドライブレコーダーの画角には『水平角(横の撮影に関わる)』と『垂直角(縦の撮影に関わる)』、『対角画角(斜めの撮影に関わる)』の3つの種類があるのですが、この中でも『水平角』に注目し、最低でも108°以上の画角を持つものが良いでしょう。

一口にドライブレコーダーと言っても、さまざまなタイプがありますので、万一の際に役立つよう、上述したポイントに注意して選ぶようにしましょう。他にも、自動車から離れている間の当て逃げ対策をしたいのであれば、『駐車監視機能』を持ったタイプを選ぶなど、ご自身の目的に合わせてドライブレコーダーの持つ機能を比較すると良いでしょう。

ここまでは、一般の乗用車にドライブレコーダーを取り付ける場合に注意しておきたいことを紹介しました。それでは、乗用車よりも大型になるトラックにドライブレコーダーを導入しようと考えた場合、何に注意すれば良いのでしょうか?以下で見ていきましょう。

トラックにドライブレコーダーを取り付ける場合の注意点

それでは、一般の乗用車ではなく、トラックにドライブレコーダーを導入する場合の注意点についてご紹介しましょう。最近では、インターネット通販で簡単にドライブレコーダーを手に入れられる時代になっていますが、取り付けを予定する自動車が大型のトラックであれば「何を選んでも問題ない」という訳ではないのです。

乗用車とトラックは電圧が異なる

乗用車とトラックの違いは?と聞かれれば、見た目や大きさをイメージする方が多いことでしょう。しかし、ドライブレコーダーなどの車載設備を取り付ける場合には、「トラックと乗用車ではバッテリーが違う」ということに注目しなければいけません。
一般の乗用車に使用されているバッテリーはDC12Vの電圧なのに対し、トラックの場合はDC24Vの電圧を発生させるものなのです。したがって、ドライブレコーダーに関わらず、トラックで使用する車載電気製品はDC24Vに対応しているタイプでないと正常に動作させることができないのです。
つまり、トラック用のドライブレコーダーを用意するときには、どの電圧に対応できるのかをきちんとチェックする必要があります。

運行管理システムと連動させる?

運送会社などで使用されているトラックでは、デジタルタコグラフのデータを運行管理システムで集計し、より効率的な業務を行えるように管理している企業が増えています。そうした企業がトラックにドライブレコーダーの導入を検討する場合は、デジタルタコグラフと一体化させ、走行データを記録・送信できるタイプのドライブレコーダーが登場しているので、そのような製品もオススメです。
このタイプのドライブレコーダーであれば、GPS信号で位置情報を管理したり、加速度センサーから速度情報を取得できる他にも、ウィンカーやブレーキなどドライバーの操作記録まで取得することができるようになります。こういった機能は、業務効率化だけでなく、自社ドライバーの安全運転意識の向上にもつながると言われています。

まとめ

今回は、トラックにドライブレコーダーの取り付けを考えた場合に注意しておきたいポイントをいくつかご紹介しました。煽り運転などが社会問題となっている最近では、一般の乗用車にドライブレコーダーを設置する方が非常に増えていると言われています。しかし、ドライブレコーダーに関しては、万一の事故の際、非常に強力な証拠能力を持つ設備となるため、乗用車よりも圧倒的に運転時間が長くなる運送用のトラックにこそ必要になるものと言えるでしょう。

カー用品店などに行けば、非常に豊富な種類のドライブレコーダーが販売されていますが、トラックに取り付けを予定している場合は、本稿でご紹介した内容に注意しましょう、もちろん、ドライブレコーダーのスペックが高くなるほど、価格も高額になってしまいますので、ドライブレコーダーを導入する目的に応じて最適な機種を選ぶようにしましょう。ただし、費用ばかり気にして、あまりに安いものを購入すると、画質が悪く証拠能力が弱くなる可能性もありますので、最低限のスペックは確保しておくのがオススメです。