最近よく聞く『働き方改革』。製造現場で進められる取り組み事例はどんなものがある?

『働き方改革』というキーワードが、新聞やニュースなどの各種メディアを賑わすようになって、かなりの時間が経過しました。現在では、日常会話の中でも『働き方改革』というキーワードがよく聞こえてくるようになりました。実際に、このサイト内でもご紹介した、働き方改革のポイントの一つ「有給休暇の取得推進に関する法改正」についての記事は、年末年始の間に非常に多くの方からのアクセスがあり、その注目度の高さが伺えます。
しかし、注目度の高い働き方改革ですが、一部の経営者や人事担当者からは「中小企業はただでさえ人手不足なのに、取り組むことは大変ではないか?」「働き方改革を実践したところ、結果的に経営や従業員の負担になるのでは?」など、不安の声も多くあがっています。
そこで今回は、無理なく企業にも従業員にも必要とされる働き方改革の取り組みを行うために、実際の企業の取り組み事例などをご紹介していきたいと思います。働き方改革は、日本にある全ての企業を巻き込んだ制度であり、事業規模や業態など関係なく対応を求められるものです。現在、「実際に何を取り組めば…?」と悩んでいる方は、本稿を通じて自社に何が必要かを考えてみてはいかがでしょうか?

まずは自社の現状を理解し問題点の洗い出しが重要!

働き方改革は、政府が掲げる『一億総活躍社会』を実現させるための取り組みの一つで、従来の企業文化や日本人の生活スタイル・労働への考え方を見直し、全ての人が希望する働き方ができるような社会を実現することが目的です。
なぜ、現在の日本社会に『働き方改革』が必要なのかは様々な理由があります。例えば、少子高齢化による労働人口の減少、長時間労働による過労問題などが取りざたされています。長時間労働に関しては、本来労働基準法などにより様々な制限があるものの、古くから続く日本社会の企業重視の名残や、自身の体調や生活を犠牲にしてまでも働くことが『当たり前』と考える風潮が、現在も残っているのが原因だと考えられます。
したがって働き方改革によって、日本国内に根深く残る『悪しき習慣』を撤廃し、労働環境の改善を進め、生産性を向上させることが求められているのです。それでは、働き方改革を進めるにあたって、企業は何から取り組めば良いのでしょうか?働き方改革は、改善すべき点として挙げられている内容も多く、何から手を付けてば良いのかわからないというケースも少なくありません。
もちろん、一度に全ての改革を行おうとしても、なかなかうまくいかないものですので、まずは、自社が抱える問題点が何なのかを分析する現状把握から進めていくべきでしょう。

自社の現状把握と問題点の分析

働き方改革に取り組む場合、まず第一歩として重要になるのが『自社の現状』を把握することです。
自社の就業規則や雇用契約書を用いて、ルール化されている就業時間や休日の内容を調べ、そのルールがきちんと守られているのかを調査する必要があるでしょう。社員がどのように働き、どのように休日を取っているのかがわからない状態では、何の対策も取りようがありません。現在の会社実態の情報が収集できたところで、問題点の抽出と分析が初めてできるようになるでしょう。
社員の働き方や休日の取り方などを調査する場合には、厚生労働省が提供する「働き方・休み方改善指標」が非常に便利です。

参考資料:働き方・休み方改善取組事例集

課題解決のための対策を検討

自社が抱える問題点が明らかになったところで、どのようにしてその課題を解決していくのかという手順を考え、自社での取り組み内容を設定しましょう。
取り組み内容を実践していくには、その取り組みを進めていくためのルール作りや体制を整えていく事がスタートとなります。もちろん、こういった取り組みは幹部社員だけに周知したのでは意味がありません。したがって、一般社員も含めて社員全員が取り組み内容をしっかりと理解し、労働環境を根本から改善できるよう、書類配布や社内研修の徹底が必要になると思います。

製造業における働き方改革の取組み事例をご紹介

それでは、実際に製造業界で進められた働き方改革の取り組み事例をご紹介していきましょう。上述したような手法で、自社の課題分析ができたとしても、何を進めていけば良いのかわからない…というケースも少なくないでしょう。そういった場合には、既に行われている他社の取り組みを参考にしてみるというのもとても大切になってくると思います。

セラテックジャパン株式会社

セラテックジャパン株式会社は、長野県にあるファインセラミックスの精密一貫加工を行う会社です。
この会社では、「社員が喜びや生きがい・やりがいを感じて働くことができなければ、お客さまを喜ばせることはできない。」との考えの元、社員が働きやすい職場環境の形成に力を入れています。具体的な手法の一部を紹介すると、ミニカンパニー制と称するチームごとの独立採算制を導入しています。この制度により、チームごとで売上げや利益目標を持つようになり、個人への負担が下がり、サービス残業の抑止に成功しているそうです。また、所定労働日数を毎年1日ずつ削減するという制度も導入しており、現在3年間で3日間の所定労働日数削減に成功しています。
セラテックジャパン株式会社では、他社に先駆けて先進的なワーク・ライフ・バランスを考えた働き方を推進することで、優秀な人材の確保・定着につながると考えているそうです。

セラテックジャパン株式会社の取り組み事例の詳細はコチラ

株式会社九州タブチ

株式会社九州タブチは、鹿児島県にある各種給水システム関連商品の製造を行う工場です。
この会社では、『従業員の皆さんの子ども達が働いてみたいと思える魅力的な会社』『従業員の皆さん自身がわが子を働かせたいと思える働きやすい職場環境』をスローガンに、様々な取り組みを勧めています。主に仕事と家庭の両立支援を目指した取り組みが多く、毎週水曜日をノー残業デーに設定していたり、従業員が有給休暇を取得しやすくなるような職場作りが進められています。

取り組みの結果
  • 2017年度は、2016年度と比較して月あたりの生産数量が約4%増加
  • 所定外労働時間:2016年度:18.9h → 2017年度:15.5h
  • 年次有給休暇の取得日数:2016年度:8.16日 → 2017年度:9.10日
  • 2017年度の育児休暇は、男性10名中10名(100%)が取得し、全員が元の職場に復帰

株式会社九州タブチの取り組み事例の詳細はコチラ

上記のように、製造業においても様々な取り組みが進められています。働き方改革の取り組み事例については、厚生労働省が運営する『働き方・休み方改善ポータルサイト』で、業種問わずいろいろな事例を確認できますので、自社での取り組み内容を決定する際には参考にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、企業にとって決して無視することができない『働き方改革』についてご紹介してきました。働き方改革は、上述のように、すでに多くの企業で様々な取り組みが進められるようになっています。もちろん、今までの日本社会も従業員の職場環境を完全に無視していたというわけではないのでしょうが、人々のライフスタイルも多様化している現在では、様々な働き方に対応できるよう日本の企業文化も変革の時期を迎えているのだと思います。
日本人は諸外国から『勤勉』だと言われていますが、その勤勉さが生み出してきた日本特有の労働環境は、多くの利点があるものの、グローバル化のためにも様々な改革を必要とするのだと筆者は考えています。

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