工場建設に必要な法律・条令や手続きについてご紹介します

今回は、工場建設を考えた場合に、どのような法規制を受けるのかについて簡単にご紹介していきたいと思います。当たり前のことですが、工場を新設する際には、さまざまな法律や条例の規制を受けることとなり、自社の希望通り好き勝手に建物を建てるというわけにはいきません。
こういった法律や条例に関しては、社内の担当者が調べることも非常に重要ですが、専門性の高い知識も必要になるため、コンサルタントや建設会社に相談することをオススメします。しかし、何の知識も持たずに打ち合わせに挑むわけにはいきませんので、「どういった法令が工場建設に関わってくるのか?」は知っておくべきでしょう。
そこで本稿では、最低限知っておきたい法律や条例についてご紹介していきたいと思います。

工場建設の際に知っておきたい法令について

冒頭でご紹介したように、工場を新規建設する場合には、さまざまな法律や条例によって建設できる場所を始め、工場の大きさや緑地の割合など、いろいろな面で規制を受けることとなります。以下に代表的な法律を例として挙げますが、建設する工場によっては以下にあげる法律以外にも関連してくるものがありますので注意が必要です。繰り返しになりますが工場建設に関する法律や条例は、高い専門知識が必要になるため、コンサルタントや建設会社に相談することをオススメします。

工場立地法

まずは、工場立地法からご紹介します。工場立地法については、以前『工場立地法ってご存知ですか?いつ、なぜ出来たのかを知っておきましょう!』という記事で詳細をまとめていますので、ぜひそちらもご参照ください。
この工場立地法では、特定工場を新設する場合、生産施設の面積を一定割合に抑え、一定割合以上の緑地を整備することを義務付けるものとなります。ここで言う「特定工場」は以下の2つの条件に該当する工場です。

  • 業種:製造業、電気・ガス・熱供給業(水力、地熱及び太陽光発電所は除く) (施行令第1条)
  • 規模:敷地面積 9,000㎡以上 又は 建築面積 3,000㎡以上 (施行令第2条)
上記の条件に該当する特定工場は届出が必要になります。因みに、届出は工場の新設時だけではありませんので、以下の届出が必要になるケースも合わせて覚えておきましょう。

届出が必要になるケース
  • 特定工場の新設、増設する場合。また用途変更をする場合
  • 生産品の変更。建築面積・緑地面積の変更。環境施設の設置。

上記の届出を行う際には、工場立地法で定められている基準内でなければいけません。尚、工場建設予定地が工業団地などの場合には、独自の特例によって基準が緩和されている場合もあります。したがって、自社の工場が受ける建築面積や緑地面積の割合などの規制内容は、届出先である自治体に問い合わせましょう。

都市計画法

次は都市計画法です。一般の人からすればあまり馴染みのない法律かもしれません。工場を建設する際に、立地が決まっていない場合、まず土地探しから行わなければならないのですが、工場のような施設は気に入った土地があったからといって、どこに建設してもいいというわけではありません。
都市計画法では、その土地が属する地域によって「建てられる建物」と「建てられない建物」を定めているのです。これは、好き勝手に建物を建てたり、道路を通したりすると機能的な街づくりが困難になり、人々が健康で文化的な生活をおくれなくなってしまうことを防ぐため、法律で計画的な施設整備や市街地開発のあり方を定めているのです。つまり、都市計画法によって街全体のバランスを考えて、用途地域を定めているわけです。
都市計画法における用途地域は、全12種類ありますが、大まかに住宅系・商業系・工業系に分かれます。そして、この工業系の中でも準工業地域・工業地域・工業専用地域等と別れており、一般的に工場の建設はこの工業系の用途地域で行われます。ただし、それぞれの用途地域には細かな規制もあり、例えば準工業地域であっても、火薬や石油などの危険物を多く貯蔵する施設は、著しい環境悪化を招く恐れがあるといった理由で建設できません。逆に、住宅系の用途地域であっても一定規模以下であり危険性も少なく、環境悪化の恐れが少ないと判断されるものは建設できる場合もあります。

建築基準法

建築基準法は、工場はもちろん、すべての建物に適用される法律です。建築基準法では、無秩序な建設を防ぐため、建物の建蔽(けんぺい)率や容積率、建物高さなど様々な規制が設けられています。建築基準法は、細かな部分まで規制がありますので、建築士や建設会社などに相談して建設を進める必要があります。

工場建設時には、上記のような法律によって様々な規制を受けることとなります。他にも各自治体が定めている自治体条令もありますので、これらすべてを自社の担当者が自ら調べるというのは現実的ではありません。基本的な部分だけでも抑えておき、専門的分野はコンサルタントや建設会社に相談するのが良いでしょう。

法令以外にも近隣住民の理解がとても重要

工場建設に関わる法令に関してはある程度分かっていただけましたね。しかし、工場を新設する際には、いくら法律や条例に適していたとしても建設予定地の近隣住民からの理解が非常に重要になるのです。
現在の人々の生活を支えるためには、生産拠点となる各種工場が必要不可欠となります。しかし、工場は様々な製品の製造を行うという特性上、騒音や異臭などの問題で近隣からのクレームを受けやすいという側面もあるのです。したがって、工場を建設する場合には、近隣住民の理解を得るためにも住民説明会の開催が必要となる場合もあります。
特に大規模な施設になればなるほど、稼働中はもちろんのこと、建設時でも近隣住民からさまざまなクレームを受けるケースも少なくありません。特に近年では、騒音や悪臭に関する自治体へのクレームが増加傾向にあると言われており、こういったクレームの放置は最悪の場合、近隣住民との対立を引き起こし損害賠償や立ち退きを求めるトラブルに発展しかねません。工場の運用を考えた場合、近隣住民とのトラブルはデメリットでしかないため、住民の気持ちに配慮した心ある対応が必要となるでしょう。

まとめ

今回は、工場を建設しようと考えた時に、知っておくべき法律・条令についてご紹介してきました。本稿では、簡単にご説明しましたが、それぞれの法律を理解するにはかなり高い専門知識が必要になるため、自社で調べて各種申請を行うことは現実的ではないかもしれません。したがって、こういった専門性の高い部分はコンサルタントや建築士、建設会社などに相談することをオススメします。
また、工場の運用を考えた場合、近隣住民との関係は切っても切れないものとなります。企業側と住民側において、工場に対する共通理解を深めるためには丁寧な住民説明会が必要となります。建設や工場の稼働に際して、近隣住民にどのような迷惑がかかる可能性があるのかを予め想定し、それらをきちんと事前説明することが近隣住民とのトラブルを回避する最善策となることでしょう。

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