台風被害が増加する季節!顧客の商品を扱う工場や倉庫に欠かせない屋根や外壁の台風対策について

2019年の夏も、後半にかけて台風の上陸や九州地方を襲った豪雨災害など、昨年同様に風水害による被害が目立ちました。さらに、これから10月にかけて、台風の発生が多くなる季節となりますので、強風や大雨に関する対策を考えておかなければいけません。特に、工場や倉庫は、お客様の大切な商品の製造・保管を担う施設となりますので、台風や豪雨などによって建物内へ水の侵入を許すわけにはいきません。
そこで今回は、台風によって建物に起こりうる被害や、台風に備えるために必要な対策についてご紹介します。

台風によって考えられる建物の被害

それではまず、台風の強風や大雨によって、建物にどのような被害が出る可能性があるのかをご紹介しましょう。台風は、通常の大雨とは異なり、猛烈な風も伴いますので、屋根や外壁にさまざまな被害をもたらす場合があります。以下に、台風による被害の代表例をいくつかご紹介しておきましょう。

台風で屋根に被害が…

まず台風による建物の被害で多いのが、屋根周りの被害です。昨年、近畿地方を襲った台風21号のことを思い出しても、猛烈な強風によって屋根材が吹き飛ばされた映像などが非常に多くありました。特に、工場や倉庫など、比較的大きな建築物となると、軽量な金属屋根が主流となっており、縦長の一枚ものの板金で構成された立平葺きの屋根であれば、強風によってまとめて屋根材が吹き飛ばされてしまう…なんて恐れもあるのです。
以下に、台風によって引き起こされる代表的な屋根被害をあげておきます。

  • 屋根材が飛ばされる…
    屋根材を固定している釘などが緩んでしまっている場合、強風によって屋根材が吹き飛ばされることがあります。
  • 棟板金が飛ばされる…
    屋根の頂上部分に施工されているのが棟板金です。棟板金は、釘やコーキングで固定されているのですが、経年劣化などで固定が緩んでいる状況で強風が当たれば、簡単に飛ばされてしまいます。
  • 飛来物によって屋根が破損…
    台風の時には、強風に煽られてさまざまなものが飛来してきます。そういった飛来物が屋根材に衝突した場合、穴が開いてしまう…塗装が剥がれる…などの破損をしてしまいます。
  • 雨樋が破損…
    雨樋は、屋根に落ちた水を適切に排水するためのものです。台風の強風によって、雨樋が外れてしまったり、支持金具が歪んで傾斜がズレるなど、さまざまな被害が出る可能性があります。
上記のように、台風による強風や雨は屋根にさまざまな問題を引き起こします。当然、屋根が破損してしまった場合には、雨水の侵入を許してしまいますので、侵入した水によって商品が濡れてダメになる…製造用の機械が水で壊れる…などの被害拡大が考えられます。

台風によって外壁が…

猛烈な風を引き起こす台風は、外壁にもさまざまな被害をもたらします。台風によって引き起こされる主な外壁の被害は以下のようなものです。

  • 外壁材が飛ばされる…
    外壁周りで使用している構造材が、台風による強風で損壊して飛ばされてしまう場合があります。
  • 窓ガラスが割れる…
    強風による飛来物が窓ガラスに当たって割れてしまうことも多いです。
  • 飛来物によって外壁材が破損…
    窓ガラス同様、飛来物によって外壁周りの構造材が破損してしまうことも多いです。また、破損した箇所が原因となり、外壁材ごと吹き飛ばされてしまう原因ともなります。
上記のように、建物の外壁も、台風によってさまざまな被害を受ける可能性が高いです。そして、台風による雨は、横殴りの雨となりますので、外壁に何らかの問題が発生した場合も屋根の破損と同様に施設内へ水の侵入を許してしまいます。そうなってしまうと、設備の故障や、お客様の商品が価値を失ってしてしまう…などといった被害が考えられます。

台風に備えるためには何をすれば良い?

工場や倉庫などは、台風によってさまざまな被害を受けてしまう可能性があるのは分かりましたね。それでは、こういった被害を防ぐためにはどのような台風対策をしておけばよいのでしょうか?
以下に、一般的に有効とされる台風対策をいくつかご紹介しておきます。

台風の前に屋根をチェック

まず、台風による屋根被害を防ぐためには、台風の上陸が増加する季節の前などに、きちんと屋根の点検・メンテナンスを進めておくことが重要となります。例えば、金属屋根であればサビている箇所はないか、めくれ上がっている場所はないか、固定のために施工されている釘が緩んでいないかなどをチェックする必要があります。さらに、棟板金がある屋根などであれば、板金の固定が緩んでいないかなどもチェックしておく方が良いでしょう。
当然、上記のような屋根の点検は、高所に上がらなければできないことことがほとんどです。さらに、屋根に何の知識もない人が見ただけでは、不具合を見つけることも難く、足の踏み場によっては関係のない場所の劣化を進めてしまう危険性もあります。つまり、こういった屋根の点検に関しては、専門業者に依頼し、必要に応じてメンテナンスもするのがオススメです。

台風の前に外壁をチェック

屋根同様、外壁に関しても定期的な点検が必要です。例えば、外壁材にひび割れが発生している…窓枠のコーキングが経年劣化でひび割れ(脱落)している…などといった不具合が外壁に出ていると、台風による横殴りの雨で、隙間から雨水の侵入を許してしまう危険があるのです。保管している商品などに直接的な水濡れ被害などは発生しないかもしれませんが、壁内に水が浸入することにより、部材の劣化を招き、建物の寿命を縮めてしまう危険があります。
なお、大きな窓ガラスが外壁に設置されている工場や倉庫も多いと思いますが、そういった施設では飛来物によって窓ガラスが割れてしまわないよう、何らかの補強をしておくのがオススメです。

台風の前に雨樋をチェック

最後は雨樋の点検です。強風による被害が目立つ台風は「雨樋の点検など関係ないのでは?」と考える人も多いかもしれません。しかし、台風は猛烈な雨ももたらしますので、屋根に落ちた雨水を適切に排水できるようにしておかなければいけません。
例えば、雨樋にゴミや落ち葉などが詰まっていると、雨水を適切に排水することができなくなります。この状態に台風による大雨が来ると、雨樋内で水の逆流が発生してしまい、建物内へ水の侵入を許してしまうことがあるのです。したがって、雨樋の傾斜や継ぎ目が外れていないか、ゴミが詰まっていないかなどを点検し、問題があれば専門業者に修理してもらいましょう。

まとめ

今回は、工場や倉庫において、台風によって引き起こされる代表的な被害と、その対策についてご紹介しました。工場や倉庫は、お客様の大切な商品を製造・保管する場所となりますので、台風などで雨水の侵入を許してしまった場合、一般住宅とは比較にならないほどの被害が発生してしまいます。したがって、自然災害が発生した場合でも、できるだけ被害が出ないよう普段から建物の点検とメンテナンスを小まめにしておく必要があります。特に台風に関しては、増加する季節というのがわかっていますので、突発的に発生する地震などと比較しても、対策を立てやすいものだと思います。

もちろん、いくら万全な対策を行ったとしても「絶対に被害が出ない!」とは言えませんが、確実に被害規模をおさえることはできると思います。日本では、地震と台風は必ず起こるものと考え、それに備えるための対策や、定期的な建物のメンテナンスが非常に重要になります。