最近よく聞く『スマート工場』。いまさら聞けないスマート工場の意味とは?

最近、耳にすることが増えてきた『スマート工場』や『インダストリー4.0』というキーワード。スマート工場は、新規or既存の工場において、工作機械や生産ラインにインターネットを接続し、品質の向上はもちろん生産性の向上を図るなど、従来の製造業界における価値観を一変させるほどのインパクトがある手法として大注目されています。
このスマート工場には、「AIやIoTの導入、ビッグデータの解析が必要不可欠」と言われるのですが、そもそも『スマート工場』や『インダストリー4.0』についてそこまで知識がないという人であれば、横文字ばかり並んで、「よくわからない…」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、「そもそもスマート工場って何?」といった方のために、『スマート工場』や『インダストリー4.0』の基礎知識をご紹介したと思います。

インダストリー4.0とは?

それではまず『インダストリー4.0』について簡単にご説明しておきましょう。インダストリー4.0は、ドイツ政府と民間企業が組んだプロジェクトで提唱されたもので、簡単に言うと「IoTを利用した製造業振興策」のことだと言われています。このインダストリー4.0は、日本国内では「第4次産業革命」とも呼ばれ、注目されているのです。
産業革命は、子供のころに歴史の授業で習った、18世紀後半のイギリスで起こった手作業から蒸気機関への機械化が始まり(第1次)とされています。その後、電気へのエネルギー転換が第2次産業革命、コンピューターの登場による自動化が第3次産業革命と定義されています。そして、2011年のドイツで、国家プロジェクトとして発表されたのがインダストリー4.0で、そのコンセプトとして一躍有名になったのが『スマートファクトリー(考える工場)』なのです。
日本国内でも、第4次産業革命へ的確に対応するため、経済産業省が平成29年5月に「新産業構造ビジョン」の取りまとめを行い、公表していますので一度概要程度でも見ておきましょう。

※「新産業構造ビジョン」をとりまとめの背景
「新産業構造ビジョン」は、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットに代表される技術革新によって、あらゆる構造的課題にチャレンジし、解決していく、そしてそれを経済成長にも繋げ、一人ひとりにとって、より豊かな社会を実現することを目的に策定したものです。
この中では、改めて日本の強み弱みを見つめ直し、日本の勝ち筋を実現するための中長期的な「将来像」と戦略を描き、それを具体化していくための「目標逆算ロードマップ」を定め、具体的な制度改革を見据えた「突破口プロジェクト」をとりまとめました。
経済産業省としては、第4次産業革命の波に乗り、日本が強みを活かしつつ、「Connected Industries」の考え方によって世界の先頭に立って産業を引っ張っていけるよう、新産業構造ビジョンの実現を図ってまいります。
概要データはコチラ
引用:経済産業省

スマート工場とは、上記の第4次産業革命に対応した工場のことを指しているのです。

インダストリー4.0とIoTは違う

スマート工場とインダストリー4.0の関係性が分かったところで、次は『IoT』との関係について考えてみましょう。スマート工場は、冒頭でもご紹介したように「工作機械や生産ラインにインターネットを接続し、生産性の向上などを目指す」とご紹介しました。こう聞くと、それ自体が『IoT』なのではないかと混同してしまう人が少なくありません。『スマート工場にはIoTの導入が必要』と言われるように、インダストリー4.0とIoTには違いがあるものなのです。ここでは、インダストリー4.0とIoTの違いについて簡単にご紹介します。
まずIoTに関してですが、

IoTとは
IoTは「Internet of Thing」の略で、あらゆる『モノ』がインターネットに繋がる仕組みのことです。具体例を挙げると、防犯カメラがインターネットと繋がって遠隔監視ができることや、センサーによって遠隔監視・データの収集を行うといった感じです。

インダストリー4.0とIoTの関係

インダストリー4.0のコンセプトとなっている「スマートファクトリー」は、工場内のすべての機器をインターネットに接続し一括管理しようと言うものです。つまり、モノとインターネットが繋がるだけでなく、工場内のあらゆる『モノ』同士がすべて繋がるようにと考えているのです。
上述のようにIoTを導入すれば、製品の品質、稼働状態、工作機械の状態などの、様々な情報を「見える化」することができます。そしてスマート工場は、IoTで得られた情報を作業ロボットが瞬時に判断し、工場内外のシステムと連携し、生産性を高めるための指示を出すことができるようになると期待されているのです。因みに、IoTによって得られる情報を蓄積・加工・分析し、さらにデータ提供を行うものは『CPS(Cyber Physical Systems)』と呼ばれます。
従来の工場とスマート工場の違いについて一例を挙げてみましょう。例えば、今までは製品を作るための材料が減ってきた場合、アラームなどで知らせることによって人間が必要な分の材料を発注していました。しかし、スマート工場の場合は、機械自体が材料の在庫を判断し、必要であれば発注システムに発注依頼を行うというものになるのです。そうすることにより、材料の不足によって生産ラインが止まることもなくなり、過剰発注で在庫を抱えるリスクもなくなります。さらに、一連の作業を機械化することによって、原材料の調達から販売されるまでの人的コストを大幅に削減することもでき、効率的に収益の増加を目指すことができると期待されています。

スマート工場の課題

ドイツから端を発したスマート工場ですが、近年では世界中の様々な製造立国が同様の施策を打ち出すようになっています。上述したように日本国内で「新産業構造ビジョン」が公表されたほかにも、中国の「中国製造2025」、インドの「Make in India」等、多少のゴールの違いはあれど、スマート工場同様に産業の発展と効率化が目標に掲げられています。
しかし、世界中で注目され推進されるスマート工場ですが、近年では様々な課題も表面化しています。その中でも最も大きな課題とされているのが、投資効果の算定が非常に難しく、スマート工場化してよいのか判断できないということでしょう。また、スマート工場の導入には、多くの初期投資が必要になりますし、最新機器を使いこなせるよう社員の教育コストも必要になります。特にスマート工場化を目指す場合には、システムや機械、AIやIoT化など様々な要素が存在するため、それぞれの担当者がバラバラに動いてしまい、意思疎通も出来ず方向性を決められないということが多いようです。そのため、「いつまでたってもスマート工場化できない…」「スマート工場化しても、うまく活用できるとは思えない…」等といったことが課題となっているのです。

まとめ

今回は、近年注目されているスマート工場についてご紹介してきました。スマート工場は、本稿でご紹介したように、ドイツが国家プロジェクトとして推進しているインダストリー4.0のコンセプトとなっているものです。日本語に訳すと「考える工場」と言われるように、工場にIoTを導入し、生産性の向上や品質管理の向上を図る物だとされています。
多くの初期投資が必要になり、投資効果の算出も難しいと言われるスマート工場ですので、「利点はわかるが、なかなか導入に踏み切れない…」と考えている事業者も少なくないかもしれません。しかし、今すぐに実現できなくとも、長期的に見れば世界がスマート工場へ流れていくことは間違いないことだと筆者は考えています。したがって、まずはできるところから『見える化』の導入を行うなど、自社のペースでスマート工場化を考えてみてはいかがでしょうか?

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