工場のエネルギー管理システム『fems(フェムス)』とは?

さまざまな機械・設備を使用する製造工場などでは、日々稼働のために大量のエネルギーが消費され、多大なエネルギーコストがかかります。さらに、従業員が快適に作業を進められるようにするためには、空調設備や照明機器などにもエネルギーコストがかかりますし、規模が大きい工場になるほど、稼働のためにかかるコストが負担になります。そのため、製造業界では省エネ対策に頭を悩ませている…という施設は非常に多いのではないでしょうか。

工場などの省エネ対策としては、「省エネ機器設備の導入」や「照明機器や空調設備を高効率のタイプに変更する」などといった手段が有名で、この記事を読んでいる方の中にも、こういった省エネ対策に取り組んでいるという施設も多いことでしょう。しかし、施設全体の設備を省エネ機器に変更するためにも当然多大なコストがかかってしまいます。そこで近年注目されているのが、製造工場などで使用するエネルギーをより効率的に管理し、なるべく手間もかけずにコスト削減を実現すると言われる『fems(フェムス)』です。

そこで今回は、工場の省エネ化を実現すると言われるフェムスの仕組みや導入によって得られるメリットをご紹介します。

『fems(フェムス)』の基礎知識

それではまず、「フェムスがどういったものなのか?」について簡単にご紹介しておきましょう。フェムスとは「Factory Energy Management System」の頭文字を取った略語で、日本語に訳すと工場エネルギー管理システムとなります。ちなみに、一般住宅のエネルギー管理システムは『HEMS(ヘムス)』、ビル内のエネルギー管理システムは『BEMS(ベムス)』などと呼ばれます。

このフェムスの特徴は、工場全体のエネルギーを管理することで省エネを目指すことができると言う点です。例えば、工場などの生産設備のエネルギー使用や稼働状況の把握、消費状況の見える化、各機器の制御などが可能になり、施設内のエネルギー使用量を監視しながら生産ラインや照明、空調設備などの運転を制御できるようになるため、ピーク電力の調整ができるようになるのです。また、フェムスの大きなメリットの一つとして分散コージェネシステムの効果を最大化することができる点にあると言われています。コージェネシステムとは、再生可能エネルギーや天然ガスエネルギーによって電力を生産・供給するシステムのことなのですが、これにより発電による廃熱も熱源や給湯などに利用できるようになるため、極限まで無駄を減らし、高い効率性を実現することができるようになるのです。

フェムスは、発電・蓄電・省エネなど、他の各装置とも連携することができるため、太陽光発電などの発電設備を併用することで、大幅な電気代の削減はもちろん、災害時の非常用電源の確保など、さまざまな面で役立ってくれます。

従来の省エネ手法との違い
工場などの製造現場では『省エネ』が永遠のテーマになっていると言えます。そのため、ほとんどの製造現場ではさまざまな省エネ対策が行われています。例えば、施設内で使用する機械・設備を省エネ仕様の物に入れ替える、照明機器や空調設備を高効率なものに入れ替えるなどを行っている施設は多いと思います。しかしこういった手法では、施設で使用しているエネルギーの全体像がつかめるわけではありませんので、本当に最適な省エネ手段を講じているのか分析することは難しいです。
一方フェムスでは、施設内で使用する設備に関して、それぞれの消費エネルギー量を測定・分析することができるようになります。そして、測定したデーターを集計することで、どこに無駄があるのか、無駄を排除するためにはどうすれば良いのかなど、常に細かなチェックすることが可能になるのです。フェムスは、最も効率的なエネルギーの使用方法を分析し、施設で使用するエネルギーの最適化を目指すことで省エネを実現できる点が特徴です。

『fems(フェムス)』導入によるメリット

それでは、工場などの製造現場にフェムスを導入した場合、どのようなメリットが得られるのかも簡単にご紹介しておきましょう。ここまでの説明で分かるように、フェムスは工場全体のエネルギー消費を監視・制御できるようになるものですので、「省エネを実現する」以外にもさまざまなメリットが考えられるのです。以下で代表的なメリット面についてご紹介しておきます。

  • エネルギーの安定的な供給とコスト削減
    フェムスの大きなメリットと言われているのは、稼働にかかるエネルギーコストの削減と、供給の安定化を実現できるということです。フェムスを導入していれば、施設全体のエネルギー消費のコントロールが可能になります。例えば、不必要な生産設備の稼働や待機電力があった場合、その機器を停止させて他の設備にエネルギーを回すことで供給の安定化と無駄なエネルギー消費を無くすことができるようになるのです。
  • 効率的な省エネ
    フェムスを導入すれば、エネルギー消費の見える化が実現します。そのため、より効率的な省エネ対策の立案や運用、現状の問題点の分析などが容易になりますので、効率的かつ継続的な省エネが実現します。
  • 精度の高い生産計画の実現
    各設備のエネルギー消費を把握できるようになることから、正確な生産実績の把握が実現します。そのため、現状の問題点を分析しやすくなり、より精度の高い生産計画の立案を実現することが可能になります。

フェムスの導入により、単純な省エネ対策では気づくことが難しい細かな無駄まで見つけ出すことができるようになりますので、より効率的なエネルギー消費を実現することが可能です。

まとめ

今回は、工場で消費するエネルギーの最適化が実現すると言われる『fems(フェムス)』の基礎知識についてご紹介してきました。工場では、生産のためにさまざまな機械・設備の稼働が必要なうえに、従業員の働く環境のことも考えると空調や照明機器なども必要不可欠となりますので、稼働するだけで多大なエネルギーを消費してしまいます。当然、規模の大きい工場ほど、必要になるエネルギーは多くなり、工場の稼働にかかるコストは事業者様の悩みの種になっていることでしょう。

フェムスは、施設で消費するエネルギーの見える化が実現できますので、どこに無駄があり何を改善すればより効率的なエネルギー利用が実現するのかが確認できます。そのため、大量のエネルギーを消費する大規模施設では非常に役立つシステムになってくれると思います。

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