食品工場設備の見直しについて。設備に関するおさえておきたいポイント

私たちの生活を陰から支えてくれる食品工場には、空調・換気・衛生・低温・厨房など、さまざまな設備・機械が導入されています。食品工場で作られる食品は、人が口にすることになりますので、特に設備の衛生面に関しては細心の注意を払っているという工場は多いことでしょう。しかし、自然災害の多い日本では、地震や台風などの大規模災害がいつ発生するか分からず、従業員の安全を考えた場合、そういった災害対策用の設備も必要不可欠になるでしょう。さらに、省エネや周辺環境に配慮した騒音対策設備など、あらゆるポイントに目を向ける必要があるのです。

そこで今回は、食品工場において、新しい設備・機械の導入を検討した場合、事前におさえておきたい見直しポイントを簡単にご紹介したいと思います。

食品工場における設備の基本

それではまず、食品工場に導入される設備の基礎知識を簡単にご紹介しておきましょう。

食品工場は、普段の生活の中で私たちが口にする食品や飲料を製造する施設です。一口に食品工場と言っても、取り扱う食品はさまざまで、お弁当やパンを始めとして、加工食品や冷凍食品、飲料水など、さまざまな食品の製造を行っています。こういった「人が口にする食品」を取り扱うためには、何より施設内を清潔に保つことが重要で、設備・機械の清潔はもちろん、工場で働く従業員が身につける衣服や身だしなみにも厳しい目が向けられるのです。

それでは、こういった食品を取り扱う工場では、どのような設備が導入されているのでしょうか?以下で見ていきましょう。

食品工場に導入される設備

食品工場では、さまざまな設備・機械が利用されます。例えば、食品の品質を保つための空調設備を始めとして、換気や調理のための厨房設備など、さまざまな種類の設備が導入されています。以下で、それぞれの特徴を簡単にご紹介しておきましょう。

  • 空調設備⇒エアコンなどの空調管理を行う設備。食品の安全性や品質管理はもちろん、従業員が快適に働くために大切な設備となります。
  • 換気設備⇒給気と排気設備からなる。特定の空間の空気を入れ替えるための設備です。
  • 衛生設備⇒給排水設備、給湯及び衛生機器、ガス設備などです。
  • 低温設備⇒製品の特性上、低温下での作業が必要な場合は、業務用冷凍庫・冷凍機器・急速フリーザーなどの冷やす設備が導入されます。
  • 厨房設備⇒調理のための設備やコンベヤー関連機器などが含まれます。

上記のように、食品工場にはさまざまな種類の設備が導入されています。

食品工場で設備・機械を選ぶときのポイント

それでは、食品工場に導入する設備・機械を選ぶ際のポイントについてご紹介していきましょう。

まず、食品工場の設備・機械として重要なポイントは、「清掃・メンテナンスがしやすい」ということでしょう。食品への異物混入などがあってはならない食品工場では、衛生管理を徹底することが非常に重要で、毎日使用する設備や機械を常に清潔に保つためには、清掃・メンテナンスのしやすさを考慮しなければいけません。
メンテナンスが容易な設備・機械を導入すれば、普段から機械の調整などが容易にできるようになりますので、不具合や故障などの可能性も少なくなるでしょう。また、清掃が容易な設備・機械であれば、日々の清掃にかける時間も短くなり、従業員が効率的に働くことができるようになるなどのメリットも期待できます。

他にも注意しておきたいポイントがありますので、以下でご紹介していきましょう。

省エネ性能について

食品工場に導入する設備・機械は、使用するだけでエネルギーを消費します。当然、エネルギーを消費すればコストがかかりますので、出来るだけ省エネ性能が高い設備・機械を導入することが経費削減につながるでしょう。
なお、省エネ性の高い設備の導入は、各種補助金が利用できる可能性がありますので、その辺りも確認しておくと良いでしょう。

省エネに取組む工場が支援を受けることができる補助金・助成金をまとめてご紹介!

耐用年数について

食品工場に設備や機械を導入するとなると、多大な導入コストがかかります。導入する設備によっては、1台で数百万円~数千万円以上のコストがかかってしまうものまであるでしょう。
したがって、導入する設備に関しては、できるだけ耐用年数の長い設備を選ぶのが良いでしょう。また、食品が触れる設備となりますので、常に清潔を保つためにもメンテナンス性が良く、購入後のアフターフォロー体制が整っている設備を選ぶようにしましょう。

設備・機械の構造について

食品工場で設備・機械を導入する場合には、その構造にも注意しなければいけません。例えば、食材が通る部分にネジなどの小さな部品が使われている場合、経年劣化によって気付かないうちに部品が脱落し、食品に混入してしまう…などと言ったリスクが生じるのです。
日々のメンテナンスによって、こういった部品の脱落などを防ぐこともできますが、食品への異物混入リスクを極限まで下げるためには、食品が通過する場所には、こういった小さな部品が使われていないものを選ぶというのが重要になるのです。

設備・機械の安全性について

最後は、導入する設備・機械の安全性についてです。例えば、従業員がその機械を使うのに危険を伴う…といったものや、機械を使うことで食品に何らかの影響がでそう…などと言ったものは選ばないようにしましょう。
また、人間の力ではとても動かすことができないような大きな設備でも、地震などの揺れで移動してしまい、従業員が挟まれてしまう…などの事故リスクが存在します。大型設備を導入する場合には、しっかりと床面などに固定をするようにしましょう。

騒音対策について

どのような工場でも、何らかの設備・機械を稼働させる場合には『騒音』が付き物です。しかし、あまりにも騒音が酷ければ、近隣に住んでいる住民とのトラブルが発生してしまうリスクがあります。
工場の立地条件などもありますが、設備・機械を稼働させることによる騒音は、できるだけ軽減させなければいけないと考えておきましょう。例えば、機械周りを防音カバーやボックスで囲む、室内吸音工事を行うなどの対策が考えられます。

まとめ

今回は、食品工場において設備や機械を選ぶときのポイントを簡単にご紹介してきました。

食品工場で使用する設備や機械は、何よりも衛生面や安全性を重視しなければならないでしょう。直接人が口にするものを製造する施設だからこそ、高い安全性と品質を確保し、消費者の信頼を獲得し続けなければならないのです。そのためには、食品工場に導入する設備・機械が非常に重要になりますので、自社の問題点や改善点をよく検討し、最適な設備を選ぶようにしましょう。

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