今回は、製造業の自社ホームページの開設、リニューアルを検討した際に注意しておきたいポイントについて簡単にご紹介していきたいと思います。
何らかの調べ物があった際には、まずインターネットを利用して検索する…という行為が当たり前となっている現在では、企業活動を行う上で自社のホームページが非常に重要な役割を持っています。スマホやタブレットが広く普及したこともあり、通勤途中の電車の中で情報収集する人も増え、今やホームページはなくてはならない存在とも言えるでしょう。
しかし、企業に対して物を供給することが中心となる製造業界の企業の中には、ホームページを開設していなかったり、持っていても10年以上前に作って、そのまま放置しているというケースが目立ちます。BtoB業界では、固定客が存在することから、「webからの問い合わせは重視していない」という考えの企業も少なくありません。しかし、製造業の企業の中には、競合が少ないニッチな製品の製造を行っている企業も多いことから、そういったジャンルの製品を製造している企業こそ全国に情報を発信したほうが、新規顧客の獲得が見込めるはずなのです。
そこで今回は、「どのような視点でホームページを開設すれば良いのか分からない…」と困っている製造業の方々に向けて、製造業でホームページを作る際に注意しておきたいポイントをご紹介していきます。
Contents
目的を明確するのが重要
ホームページの制作やリニューアルをする上で、どのようなことが重要になるでしょうか?今までホームページを開設したことが無い企業が初めて製作会社と打ち合わせを行う際には「できるだけ綺麗なデザインが良い!」「凄そうな企業に見えるよう、最新技術を使って目立つ動きが欲しい!」など、ホームページの見栄えばかりを重視する方が少なくありません。もちろん、ホームページのデザインが重要なのは確かですが、ホームページを開設する目的も考えずにデザインばかり気にしても意味がないのです。
一般消費者に向けた製品を販売する企業がホームページを開設する理由は「企業の知名度を上げたい…」「EC機能を強化してwebでの売り上げにつなげたい…」などと言った事が挙げられます。しかし、企業に対して物を供給することが中心となる製造業でホームページを作る際にはどうでしょうか?
BtoB業界でホームページを開設する目的は『自社の製品を必要とする企業担当者の目に止まり、見積り依頼を獲得すること』が多いのではないでしょうか?
したがって、何より重要になるのはホームページの見た目上のデザインではなく「顧客が必要とする技術を持っている」ということがわかりやすく、「この企業なら信頼できそうだから問い合わせしてみよう」と思わせることが大切だと考えます。
どんなコンテンツが必要なのか?
それでは、実際に自社ホームページの制作を検討した際、どのようなコンテンツが必要になるのか、またそれぞれのコンテンツを作る上でおさえておきたいポイントをご紹介していきましょう。
まず、自社の技術を広く知らしめるためにホームページ制作を進める際に、忘れてはいけないのは「分からない人の目線に立つ」ということです。既存顧客を相手にする場合であれば、どのような技術を持っているのかも分かっていただけでいますし、信頼関係もありますので見積りまでノンストップで進んでいくことでしょう。
しかし、ホームページで新規顧客を獲得する場合、「どういった技術なのか理解できない。」「〇〇が欲しいけど、できますか?」などと言った初歩的な質問が上がってくることになるのです。したがって、自社のことが「分からない人」にむけて、知ってほしい情報をしっかりと掲載していくことが大切になるのです。
ホームページを使って新規顧客の開拓を考える場合、最低限必要になるのは以下のようなコンテンツです。
- 自社の強みの紹介
- 自社が保有する技術や特許などの情報
- 製品事例や加工事例
- お客様の声
- よくある質問
- 企業情報
- お知らせなどの発信情報
- 問い合わせ・見積り依頼フォーム
以下で必要なコンテンツについてもう少し詳しくご紹介しておきましょう。
ポイント① 自社の強みについて
BtoBの製造業は、自社の強みを売りにするわけですので、他社とはどのような点で差別化できるのかしっかりと訴求できるコンテンツを作る必要があります。
よくある例を挙げると、「高精度な製品を作れる!」などといった点を自社の強みとして訴求している企業も少なく無いのですが、同業他社よりも「なぜ高精度なのか?」ということが訴求できなければ他社との違いになっていませんよね。正直に言えば、どの企業でも「高精度な製品を作れる」と言う点はアピールしているはずです。したがって、以下のように「なぜ?」という部分まできちんと訴求するようにしましょう。
- 日本ではまだ珍しい最新機器を導入しているから「〇〇」という強みがある!
- 勤続年数30年以上のベテラン作業員を多く抱えているから「〇〇」という強みがある!
- 他社とは異なり、非常に厳しい検品項目を作って、それをクリアしなければ出荷しないから。など
自社の強みを訴求する場合には、その根拠となる部分まで提示することで説得力を高めることができます。
ポイント② 技術や特許などの情報について
自社が保有する特許や、他社にはないor日本には少ない技術を持つ部署があるなどの情報は、顧客の信頼感につながりますので必ず掲載するようにしましょう。
ホームページでの情報発信は、基本的に「専門知識を持たない人にも訴求する」ということを考えて、専門用語の多用は避けるのが一般的と言われていますが、BtoBの場合は、閲覧する人が業界の知識を持つ方の方が多いと考えられるため、専門用語や使用している機械名などを出すことで信頼性の向上につながる可能性もあります。
ポイント③ 各種事例について
一口に「製造業」と言っても、さまざまな企業が存在しており、各企業によって製造する製品は異なります。したがって、自社で製造できる製品がどのようなものなのか、実際の製品を掲載するコンテンツは非常に重要になります。製品事例を掲載する場合、可能であれば実際に導入した企業の声なども載せることができれば、なお良いでしょう。
ポイント④ 情報発信について
企業のホームページでは、情報発信用のコンテンツ(お知らせなど)はあるものの、制作完了時のまま更新が止まっているというケースが多く見受けられます。しかし、何の情報の更新もないままでは、サイト訪問者の信頼低下を招いてしまう危険があるので注意しましょう。定期的に情報発信を行っていれば、企業の様子も明確になり、不要な不信感を持たれることはなくなるでしょう。
こういった情報発信用のコンテンツに関しては、「何を載せれば良いか分からない…」といった理由で更新が止まることがほとんどですので、ホームページ制作前にどのような情報発信を行うのか予め決めておくと良いでしょう。
一般的な更新例としては以下のようなものとなります。
- CSR活動報告
- 営業日、休業日などの情報
- メディア掲載情報
- サイト更新情報
- 特殊な技術情報
ポイント⑤ お問い合わせについて
上述したように、製造業でホームページを開設する目的は「お問い合わせ・見積もり依頼の獲得」となりますので、ホームページ上の問い合わせフォームや電話番号は非常に重要です。
特に注意しておきたいのは、サイト訪問者が一目でお問い合わせフォームへ移動できるように、各ページからの問い合わせフォームへの誘導に関するデザインはしっかりと検討しておきましょう。また、最近ではBtoBであってもスマートフォンでホームページを閲覧する方が増加していますので、フォームのすぐ近くに電話番号などを配置し、スマホでの閲覧の場合はすぐに電話できるように工夫するのも大切です。
まとめ
今回は、製造業界の企業が自社ホームページを製作する際に注意しておきたいポイントを簡単にご紹介してきました。BtoBが中心となる企業の中には、ネット検索が当たり前となった現在でもホームページを持っていないということも少なく無いでしょう。中には、既存顧客からの発注で手一杯となっており、現状ホームページの必要性を感じていない…という企業もあるのでしょうが、今後の新規顧客の獲得を考えると、ホームページはなくてはならない存在だと言えるでしょう。
しかし、ホームページさえ開設すれば自然と問い合わせ件数が増えていくというわけではありません。競合企業とweb上で戦おうと考えるのであれば、単純に「ホームページを開設する」だけではなく、他社との違いや自社の強みをしっかりと訴求できるようなホームページを作らなければいけないのです。
記事監修:S&Eパートナーズ株式会社