『5G』でスマートファクトリー化を推進?『工場+5G』で何が変わる?

次世代無線通信規格である「5G」。5G最大の特徴は、高速・大容量で低遅延の通信を実現することや、多数の機器と同時接続しつつも制御が可能になることです。製造業界では、ロボットの導入による自動化など、いわゆるスマートファクトリー化が推進されており、今後の工場改革のために5G通信への期待はどんどん高くなっています。
実際に国内で開催されている多くの製造業向け展示会では『5G』がキーワードになりつつあり、国内製造業各社の5G活用に向けた実証実験などもスタートしています。2019年9月には、オムロンの工場で「NTTドコモ、Nokia Solutions and Networks、オムロン」の3社による5Gの有用性を確認する実証実験をスタートすると発表されています。
工場などの製造現場に『5G』を導入することで、どのようなことができるようになるのでしょうか?この記事では、『工場+5G』によって可能になると期待されている技術についてご紹介します。

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『工場+5G』で何が変わる?4つの変化をご紹介!

それでは、工場などの製造現場に5Gが導入されることでどのような変化があるのかについてご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、5G最大の特徴は「高速・大容量で低遅延の通信を実現することや、多数の機器と同時接続して制御が可能になる」ということで、この特徴は製造業界を大きく変える技術だと期待されているのです。

遠隔地からの制御もリアルタイムに

5G通信は高速・大容量で低遅延の通信を実現することが可能です。この特徴を製造現場で活用すれば、製造現場の作業支援が進化すると期待されているのです。たとえば、高精細な動画やAR/VR映像などの大容量データでも、遅延なく通信することができ遠隔地にいる熟練技能者が、まるでその場にいるかのようにリアルタイムに作業の支援や教育をすることができるようになるのです。
つまり、製造現場における時間や距離の制約がなくなるというメリットがあるのです。

自由度の高い施設が実現する

5Gは、有線とほぼ同等である99.999%という安定した通信ネットワークを構築できると言われています。そのため、近年製造現場で導入が進んでいるIoTの実現に必要不可欠な『設備のネットワーク化』がより簡単になるのです。従来の工場では、有線によるネットワーク化が中心で、安定した高速通信は可能になるものの、多数の設備を繋ぐためには配線工事が必要になり、コストがかかるうえに、設備の変更・追加時には配線のことまで考えなければならず、柔軟なレイアウト変更には対応しにくい…という課題が存在していました。
5G通信網であれば、配線工事などは不要になるため、低コストかつ短期間でネットワーク化を進めることが可能になるのです。また、設備の追加・変更の際も容易になり、自由度の高い生産ラインが構築できると期待されています。

デジタルツインが常に現実と同じに

5G通信は、データの送信から受信までに要する時間が1ミリ秒程度で、ほとんど遅延が発生しないという特徴を持っています。この特徴により、コンピューター上で構築したデジタルツインを常に最新状態に保つことが可能です。したがって、生産ライン上で何らかの不具合が発生したとしても、即座に事態を把握することができるようになり、対処も速くなります。デジタルツイン上で行ったシミュレーション結果は、タイムラグなしで現実のロボットにフィードバックすることも可能になるでしょう。

デジタルツインとは
デジタルツイン(DigitalTwin)とは、現実の世界から収集した様々なデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術のことです。コンピュータ上では、収集した膨大なデータを元に、限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能となり、自社製品の製造工程やサービスの在り方を改善するうえで有効な手段となります。例えば製造ラインの一部を変更する場合など、事前にデジタルツイン上でテスト運営することで、開発期間やコストの削減が見込めます。
また、IoTを活用してリアルタイムの情報も取り込んでいくことで、商品の故障予知に役立てることもできます。例えば同じ製造工程を経て出荷された2つの製品があった場合、出荷後の稼働状況をIoT技術により集約・分析すると、使われ方の違いを把握することができます。これらのデータを蓄積すれば、故障する可能性を事前に察知し、故障する前に使用を停止させるようアラートを出すことも可能になります。
引用:NTTコミュニケーションズ「ITトレンド用語」

多数の設備を同時接続・制御可能

5G通信網では、1㎢あたり100万個のノードから接続があったとしても問題なく通信が可能という『同時多接続』が実現します。この特徴は、工場や倉庫内において多数の自動搬送車(AGV)を運用したとしても、そのすべてを安定制御できるようになるということです。現在でもAGVの活用が行われている施設がありますが、Wi-Fi通信の場合、回線が混雑して通信が途切れてしまい、AGVが止まってしまう…なんてこともあるのです。5G通信の場合は、多数の設備を同時接続しても通信が途切れることがなくなりますので、設備の停止による工程遅れなどの心配も少なくなると言われています。

まとめ

今回は、製造業界において、5Gの導入でどのようなことができるのか?ということについてご紹介してきました。5Gは「高速・大容量で低遅延の通信を実現することや、多数の機器と同時接続して制御が可能になる」ということが最大の特徴と言われており、さまざまな設備がインターネットに接続すIoT時代には必要不可欠なものと言われています。特に、タイムラグのない遠隔制御や多数のロボットを同時制御できるようになるというメリットは、製造業界が推進するスマートファクトリー化の実現に大いに役立ってくれるのではないでしょうか?
近年の製造業界関連の展示会などでは、5Gをテーマとした出展も多くなっていますので、自社の工場でどのようなことができるのか知りたい…と考えている方は、一度参加みると良いのではないでしょうか。

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