農家の働き方改革が進む?農業界注目の農業AI事例をご紹介します!

近年では、日本をはじめとして、世界中で農業従事者の減少と高齢化が問題となっています。さらに農業は、経験によって培われる知識が非常に重要となる分野という特性上、第一次産業就労者数の減少は、年を重ねるごとに深刻化すると予測されています。そこで、就農人口の減少や高齢化などと言った深刻な問題を解決するための手法として期待されているのが『農業へのAIなど、最先端技術の導入』です。現在、世界中で農業へのAI技術導入が研究・推進されており、実際にGPSや画像認識といった技術を活用して、自動で収穫作業を行う無人走行農機などのロボット開発が話題になっています。

そこで今回は、今後農業界の救世主となりうる、農業AI技術をいくつかピックアップしてみたいと思います。

ドローンを農業に活用

まずは農業AIとドローンを活用する技術です。ドローンは、空中から自由に撮影ができるなどと言った利点があるため、映像制作などの分野で積極的に活用されています。よって、広大な圃場(作物を栽培する田畑)での作業となる農業を考えると、自在に飛行できるドローンは、畑の見回りから農薬散布などの作業負担を大幅に軽減できることから、非常に相性が良いと考えられているのです。実際に、『農業AI+ドローン』という形の技術開発は年々進んでいます。

葉色解析AIサービス 「いろは」

まずは、葉色解析サービス「いろは」です。「いろは」は、上空から圃場の様子を撮影することで、作物の生育状況を一目で確認できるというサービスです。また、『ドローンセンシング+画像処理解析+AI』により、生育ムラを可視化し、追肥・水管理作業に役立つ生育診断マップの作製や収量の予測を助けてくれるデータを提供してくれます。
露地栽培を行う農場では、栽培状況が天候に左右されてしまいますし、正確な育成状況を把握するためには、広大な圃場を巡回することが必要不可欠で、多大な時間がかかってしまいます。しかし「いろは」を使えば、圃場の巡回に必要な手間を大幅に削減でき、さらに正確な育成状況の把握が可能となるのです。

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農業用ドローン 「XAIRCRAFT」

「XAIRCRAFT」は、完全自動航行・完全自動散布を実現した最先端農薬散布ドローンです。
通常、ドローンは、経験を積んだ操縦者が操作し、さまざまな動作が可能となるのですが、この「XAIRCRAFT」は特別な操縦技術を作業員が身に着ける必要がありません。メーカー独自開発の農業用飛行制御システムが搭載されていますので、あらゆる天候や自然環境に適応でき、「完全自動航行・完全自動散布」を実現するのです。農薬散布中に、電柱などの障害物があった場合には、それをよけて飛行するAIが搭載されているということです。

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農地の遠隔モニタリング

圃場が広い場合、作物の育成状況や作物の病害状況を把握するだけでも一苦労となります。そこで、圃場のさまざまな環境データをセンサーで集め、AIによる分析で最適な作業判断をする技術の開発が進んでいます。

圃場モニタリングシステム「みどりクラウド」

「みどりクラウド」は、気温や湿度、土壌水分など、自動的に圃場の環境を計測、記録し、そのデータを離れた所からいつでも確認することができる圃場モニタリングシステムです。設置されたセンサーからは2分おきにデータが送られ、何らかの問題が確認された場合には、アラートで通知する機能なども搭載されています。また、収集されたデータを他の農家と共有することも可能で、生産者同士のコミュニケーションも可能です。したがって、何か問題があった場合、類似条件の生産者に相談することなどもできるそうです。

現在でも導入実績が数多くありますし、今まで個人の感覚で身につけてきた農業技術が、数値で検証することができるというのも非常に大きなメリットになるのではないでしょうか。

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ハウス内環境モニタリングとAIを活用した病害予測「Plantect (プランテクト)」

「Plantect (プランテクト)」は、ハウス内の環境をモニタリングできる機能と、AIを活用した病害予測サービスが特長です。メーカー独自開発の、温度湿度センサー、CO2センサー、日射センサーで、ハウス内栽培作物を対象として、ハウス内環境の見える化だけでなく、トマトの灰色かび病・葉かび病・うどんこ病、キュウリとイチゴのうどんこ病などと言った生産者の大きな悩みとなる病害リスク予測を提供してもらうことができます。
「Plantect (プランテクト)」は、事前に作物の病害リスクを知ることができますので、病害が発生する前に農薬を散布するなど、タイミングを逃さず対策を打てるようになるというのが大きなメリットになるでしょう。こういったAIによる分析が無ければ、作業員が巡回しなければいけませんので、多大な時間がかかりますし、作業員の経験不足からくる見落としのリスクも大きくなります。

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作物の収穫を助けてくれるロボット

農業の先端技術の導入は、収穫作業の大幅な効率化ももたらせてくれます。

アスパラ収穫ロボット

上の動画で分かるように、アスパラガスの収穫作業をAI搭載のロボットが自動で行ってくれる取り組みが始まっています。このロボットは農業AIベンチャー「inaho」が開発したものです。
アスパラ収穫ロボットは、画像認識によって収穫適期の作物を判断します。そしてロボットアームを使って自動でアスパラガスの収穫を行います。収穫対象はcm単位で設定可能となっているため、自社の出荷基準に合わせてロボットに収穫させることが可能です。2時間の充電で約6時間稼働するロボットとなりますし、夜間での作業も問題ありませんので、収穫作業にかかる負担を大きく削減することができます。

なお、今後は、ナスやキュウリ、ピーマンなど、他の野菜にも対応していく計画になっているそうです。

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まとめ

今回は、農業界でどんどん進んでいるAIやロボットの導入事例についてご紹介してきました。日本国内では、少子高齢化による人口減少により労働人口の不足が深刻な社会問題となっています。特に農業の分野では、農家の高齢化が進み、後継者不足などが大手メディアなどでも盛んに特集されています。今後の日本では、労働人口の減少がさらに進むと予測されていますし、農業を守っていくためには最先端技術の導入は必要不可欠なものになると言えるでしょう。

今まで、農業は経験の蓄積により技術が培われると言われてきましたが、多くのデータを収集しそれを分析・蓄積することで、農業の自動化が実現する日も近いかもしれませんね。

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