中国EC大手『京東集団』の自動倉庫がスゴイ!

今回は、アリババと並ぶ中国のEC大手企業『京東集団(JD.com)』の自動倉庫についてご紹介したいと思います。どのような自動倉庫になっているのかは、下で紹介する動画を見ていただければわかりますが、現在、物流倉庫などで働いている方は衝撃を受ける内容になっていると思いますよ!
倉庫へのロボット導入による自動化は、日本国内でも進んできていると言われていますが、工場などの製造現場へのロボット導入と比較すると、まだまだ普及段階と言え、完全な倉庫自動化にはしばらく時間がかかるのではないかと思います。そんな中、急速に経済発展を遂げる中国では、さまざまな産業で自動化競争が激化していると言われています。特に、今回ご紹介するような物流業界では、完全無人化された物流センターも実用化されるなど、急速な自動化が進んでいるのです。
そこで本稿では、『京東集団(JD.com)』が2017年10月オープンした自動倉庫について、プロモーション映像を元にどのような技術が使われているのかをご紹介していきます。

自動倉庫導入をご検討の方はこちらをご覧ください。

京東集団の自動倉庫

それでは、中国EC大手企業『京東集団(JD.com)』が2017年10月に稼働開始した自動倉庫の詳細をご紹介します。上の動画は、京東集団が公開したプロモーションビデオですので、ぜひ一度ご覧ください。
この自動倉庫は、京東集団が完全自動化を実現する倉庫として上海市嘉定区にオープンしたものです。驚きなのは、約4万平方メートルに及ぶ巨大倉庫なのにも関わらず、倉庫内で行われる「荷受、保管サービス、受注管理、ピッキング及びパッキング」の全ての工程をロボットが行い、ほぼ完全な無人化を実現しているということです。
本サイトでも紹介したことがある自動倉庫システム『オートストア』も、日本国内で非常に高い注目度を持っており、倉庫業務の省人化や倉庫スペースが有効利用できる非常に優れたシステムとなっていますが、まだ完全無人化にはなっていません。それを考えると、京東集団のこの倉庫がどれほど先進的なのかよくわかりますね!
それでは、この自動倉庫でどのようなことが行われているのか、いくつかのポイントをピックアップし、ご紹介します。

最近よく聞く『ファクトリー・オートメーション』。最新のピッキングロボット『オートストア』はここまで来た!

ロボットによる自動梱包

これは、動画のなかで1分ぐらいの部分を見てみましょう。ロボットアームによってピッキングされる様々な商品が、それぞれの規格に合った梱包を自動で行われているのがわかります。

ロボットのソーティング(仕分け)

広大な倉庫内を配送ロボットを利用して仕分けしています。通常の物流倉庫であれば、人海戦術で大量の商品を仕分けすることになり、倉庫内作業員の負担も大きく、人件費などのコストもかかります。この倉庫では、そういった作業全てを、ロボットが行いますので、大幅な人件費削減と、正確な仕分けが実現できているのです。

立体倉庫保管

動画を見ていただければわかりますが、倉庫内には縦横無尽にコンベアが配置されており、絶え間なく商品が流れています。立体保管されるこの自動倉庫は、スペースの有効利用とロボットによる効率的な入出庫を実現しています。

そのほかのポイント

京東集団の自動倉庫は、上述した以外にも様々なロボット技術が導入されています。

  • 倉庫内でのロボット運送
  • 視覚的検査
  • 体積測定
  • ロボットによる配送伝票の貼りつけ 等

デリバリーの自動化も進む中国

京東集団は上述の通り、物流センターでの作業に関してほぼ『無人化』を実現しています。さらに、注目しておきたいのが、京東集団は物流センター内での作業だけでなく、デリバリー分野においても無人化の実現に力を入れているということです。上の動画は、その一環として、無人カートによる配送の実証実験映像です。この無人配送システムは、消費者が商品を購入すると、商品の入った無人カートが指定の場所まで自動で移動する仕組みとなっているそうです。そして、指定の場所に到着すると、「商品を取りに来てください」とのメールが発信され、そのメールに記載されているパスワードを入力すれば、商品が取り出せるという仕組みになっているのです。また、この無人カートには、顔認証システムの導入も検討されており、顔を一度登録すると、その後はパスワードの入力すら不要になるとのことです。
なお、自動車が入れない僻地への配送は、ドローンを利用した直接配送がすでにスタートしており、今年の2月には楽天と提携し、日本国内での無人配送システムの構築がスタートすると発表されたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
京東集団によって、完全無人化した物流倉庫が実現されたことにより、今後、物流業界の無人化がどんどん加速していくのではないかと予測されています。さらに無人化されたデリバリー技術も急速に進化していることもあり、無人倉庫と無人デリバリーが融合され、総合的な無人ロジスティックが実現するのもそう遠くないのかもしれません。

まとめ

今回は、中国のEC大手企業『京東集団(JD.com)』が実現させた無人自動倉庫がどのような物なのかをご紹介しました。
日本国内でも、ネット通販市場の拡大とともに、物流業界の人材不足は深刻な問題となっています。さらに、少子高齢化の進む日本では、物流業界の人材確保はさらに難しくなるのではないかと予測されています。そのようななか、近年注目されているのが、物流業界へのロボット導入による自動化・無人化です。倉庫内作業のロボット化、IT化の推進は、作業効率の向上やコスト削減、倉庫スペースの有効活用など、多くのメリットをもたらしてくれることでしょう。
もちろん、こういったロボットシステムの導入には多額のコストがかかるのも事実です。しかし、今後さらに人材不足が深刻化すると予測されている物流業界では、自動化の推進による『人の負担軽減』や『業務効率化』が必要不可欠なものとなるのではないでしょうか。したがって、人材不足に向かう現状を問題視するのではなく、逆に変革のチャンスととらえると良いのではないでしょうか。

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