近年、既存の倉庫を住宅や店舗、オフィスなどに改装して再利用する『倉庫リノベーション』が注目されています。『リノベーション』と聞くと、古くなったマンションの一室を綺麗にし、最新設備に入れ替えて『再販or貸出』することを思い浮かべがちで、倉庫のリノベーションをイメージする方は少ないでしょう。しかし最近では、広い敷地がある倉庫は、その他の使い道が見いだされるようになっているのです。倉庫を「より使いやすい倉庫」へとリフォームするパターンもありますが、使わなくなった倉庫を住宅や店舗としてリノベーションする手法は非常に高い人気を誇っています。
それでは、上記のように、本来物品の保管が目的の倉庫を、全く別の用途として生まれ変わらせる『倉庫リノベーション』にはどのようなメリットがあるのでしょうか?また、倉庫リノベーションにはデメリットもあります。本稿では、倉庫リノベーションのメリット・デメリットについてご紹介します。
Contents
倉庫リノベーションとは?一般住宅のリフォームとの違いについて
それでは最初に、「倉庫リノベーションって何?」という点についてご紹介していきましょう。この部分についてはそこまで複雑に考える必要はなく、一般住宅でもよく行われるリフォームと同様と考えていただいても問題ないと思います。ただし、一般的なリフォームと異なる点は「倉庫⇒住宅」「倉庫⇒店舗」等といったように、用途が全く変わってしまう点でしょう。もちろん、冒頭でご紹介したように、より使いやすい倉庫にリノベーションするといった場合もありますが、本稿で紹介する『倉庫リノベーション』は用途も変わるものを指しています。
倉庫リノベーションが人気になっている理由は、広い敷地があるという点や、倉庫特有のスタイリッシュなデザインを住宅や店舗に取り入れることが出来るという点で、近年では不要な倉庫をリノベーションして販売する業者も続出しています。
一般的な倉庫リノベーションのパターンは以下のようなものです。
- 倉庫から住宅へリノベーション
- 倉庫から店舗へリノベーション
- 倉庫からオフィスへリノベーション
倉庫は、元々人が住むことを考えて建設されているものではないため、「住宅としては使用できないのでは?」と思われがちです。もちろん、リノベーション前の倉庫を見てみると、オシャレとはほど遠く、使い勝手だけではなく内装のオシャレさも重要な住宅や店舗として利用できるようには思えません。しかし、最近ではモルタルやコンクリート打ちっ放しの壁になっている倉庫のデザインは、「シンプルで逆に良い」と評価を受ける事が多くなっているのです。さらには、天井の配管ダクトなどは、あえて見えるようにする等、独特な雰囲気を持つ店舗デザインが人気になっています。
特に、築年数が経過した建物でしか出せない、アンティーク調の雰囲気を持つ内装・外装が実現できる倉庫リノベーションは、新築の建物では出せない独特な雰囲気の空間を作ってくれる為、飲食店などの用地として高い人気があります。
倉庫リノベーションのメリット
それでは、倉庫リノベーションにどのようなメリットがあるのかをご紹介していきましょう。
広い空間を自由に利用できる
倉庫リノベーションのメリットとしてまず挙げられるのは、倉庫の広い空間を活かすことが出来るという事でしょう。倉庫は、敷地面積も広いですし、一般住宅と異なり柱なども少ないです。その為、一般住宅のリフォームのように「どうしても取り除けない柱が…」等といった理由で理想通りの空間使いが出来ないという事少なく、自由に広々とした空間を利用することが可能です。
スケルトン利用が容易
店舗リフォームには『スケルトンリフォーム』という手法があります。これは、建物内の壁や床、キッチンや風呂等を一度全て取り払い、骨組みの状態にしたうえで建物を設計し直すという方法です。住宅の間取りや店舗の内装に設計段階から拘りたいという場合に利用される手法ですが、既存の内装を一度解体するにはそれなりのコストがかかります。しかし、倉庫であれば、元々壁が少なく、余計な設備もない為、解体の手間や費用を抑えることが可能です。既存倉庫を利用して、こだわりのスケルトン設計を取り入れたいという方には非常にオススメの方法です。
倉庫ならではのデザインが好まれる場合がある
倉庫は、物品を保管する施設という特性上、内装や外装は非常にシンプルな場合が多いです。一般的に、壁はモルタルやコンクリートの打ちっぱなしになっていることが多く、オシャレとはほど遠いと感じる方も少なくないでしょう。しかし、近年では、あえてコンクリートの打ちっぱなしの壁を導入する方も増えているなど、シンプルで洗練されたスタイリッシュなデザインと評価されることも多いのです。
特に、飲食店などであれば、倉庫ならではの味を活かした内装デザインは、非常に好まれているようです。
コストパフォーマンスが良い
倉庫リノベーションのメリットとして見逃せないのが、購入費用が安いという点です。リノベーションを前提として物件を購入する場合、中古住宅を購入することを考えると、倉庫を購入したほうがかなり安く収まることが多いです。もちろん、そこからリノベーション費用が必要になりますが、自由で自分の好みに合う建物を実現したいのであれば、非常にコストパフォーマンスが良いと言えます。
倉庫リノベーションのデメリット
それでは、逆に倉庫リノベーションにおけるデメリットはどのようなものがあるのか見ておきましょう。
必要な設備が備わっていない場合がある
住宅やオフィス、店舗として利用する場合、水道・ガス・電気などの設備は欠かせません。元々倉庫として利用されている物件の場合、倉庫運用に不要な設備は備わっていないことが多い為、リノベーション時にこれらの設備を整える必要があります。
特別な工事が必要でコストがかかる場合がある
倉庫リノベーションは、物件によって「通気性があまりよくない」「窓が少ない」「断熱性が悪い」「防音性能が悪い」など、様々な建物上の問題を持っていることがあります。そのため、倉庫リノベーションを進める前に、断熱リフォームや防音工事など、課題を解決するための特別な工事が必要か確認しておく必要があります。
まとめ
今回は、最近注目されている倉庫リノベーションについて、そのメリットとデメリットをご紹介してきました。本稿でもご紹介しているように、倉庫リノベーションは、広々とした空間を自分の好きなように設計し理想の建物づくりが進められるという点が大きなメリットとなり、大注目されている手法となります。もちろん、住居として利用する場合には、一から仕切りを作らなければいけませんし、電気やガスなど様々な設備工事が必要になるので、リノベーションするにはそれなりのコストが必要になります。しかし、それはどの物件をリノベーションする場合も同じことです。「自由に設計できる」という点は非常に大きなメリットとなるのでしょう。
ただし、元々倉庫として利用されていた物件を、飲食店のような集客を目的とする施設に改装する場合には、『用途変更確認申請手続き』を行わなければいけません。したがって、通常のリフォームの流れとは異なるというところは注意が必要です。
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