工場や倉庫のコストダウンに役立つ様々な機器や技術をご紹介!

地球温暖化や大気汚染などの環境問題が世界中の課題となっている現在では、大量のエネルギーを消費する工場や倉庫における『省エネ対策』が社会的責任ともみなされるようになっています。最近では、一般住宅においても様々な省エネ対策グッズが登場していますが、やはりエネルギーの使用量が圧倒的に多い工場や倉庫で省エネ対策を行う方が、比較的大きな省エネ効果を得られると考えられます。

もちろん、工場や倉庫において省エネ対策を進める場合には、新たな設備の導入が必要であったり、それなりのイニシャルコストが必要になることも少なくありません。しかし、こういった省エネ対策は、何も企業に負担ばかりがかかるわけではありません。生産性を維持したまま現在使用している電気やガスなどのエネルギーを圧縮できれば、企業の利益を高めることにも繋がる為、大きなメリットがあるのも確かです。しかし、ひとくちに『省エネ対策』と言っても、様々な手法が存在しており、自社の工場や倉庫で省エネを考えた場合、何から手を付けて良いか分からない…あるいは、どのような対策を進めれば省エネになるのか分からないということも少なくないかもしれません。
そこで今回は、工場や倉庫において『省エネ対策』を考えた場合、役に立つ省エネ技術や機器についてご紹介したいと思います。

工場や倉庫で使える省エネ機器や省エネ技術

それでは実際に、工場や倉庫において省エネ対策を進める場合に、非常に役に立つと考えられる技術や機器についてご紹介していきましょう。もちろん、取扱製品や施設の規模によって最適な省エネ技術は異なりますので、どういった物を導入すれば効率的な省エネ効果を得られるかは、社内でよく検討してから導入しましょう。

太陽光活用照明を導入する

工場や倉庫の照明で省エネ対策を進める場合には、ほとんどの方がLED照明への入れ替えをイメージすることでしょう。しかし、近年では、『太陽光活用照明』が新しい省エネ照明システムとして注目されています。これは、その名前の通り、太陽光を活用した照明システムとなり、室内に太陽光を取り込むことによって明るさを確保するもので、照明代の大幅な圧縮が期待できます。
太陽光活用照明は、メーカー毎にその特徴は異なりますが、構造自体はそこまで複雑なものではありません。一例をあげると、屋根や屋上に太陽光を受ける『採光部』を作り、そこからライトパイプやライトチューブと呼ばれる光ダクトを通して、照明が必要な場所まで光を届けるシステムです。他にも光ファイバーによって光を取り込む方式の太陽光活用照明があります。
この太陽光活用照明は、高い省エネ効率を持っていると言われていますが、天候に左右され不安定になるという点があるので、その辺りは注意が必要でしょう。

太陽光採光システムについて詳しく知りたいからはコチラをご参照ください。

無電極ランプを導入する

海外ではすでに普及している無電極ランプですが、日本ではまだまだ馴染みがないという人が多いかもしれませんね。この無電極ランプは、「現在世の中にある照明の中で最も長寿命」と言われる照明器具で、長寿命が売りのLEDと比較しても約2~3倍もの寿命があると言われています。これだけでも導入することに大きなメリットがあると思えますが、他にも工場や倉庫で主流の水銀灯と比較して大幅に低い消費電力で、瞬時の点灯や消灯に対応出来るというメリットがあります。無電極ランプのメリットを以下にあげておきますので、参考にしてみてください。

  • 即時点灯・消灯が可能。また、これを繰り返しても寿命に影響がない。
  • 水銀などの有害物質を含まないため、環境に優しい。(LEDも水銀は含みません)
  • 低温域でも性能の低下がない。
  • 既存の照明より発熱が少ない。(電気を熱としてロス消費しないということ)
  • 省エネ効果が高い。
  • 360°全面発光し拡散性が高いため、手元の明るさ確保にも便利。
  • 非常に長い寿命を持っている。
無電極ランプは、省エネ効果以外にも様々なメリットを持っています。特に寿命が長いという特徴は、交換作業が難しい箇所への設置に非常に適した照明器具と言えるでしょう。

気化熱利用型給気システムの導入

これは、食品工場や様々な機械が稼働することで室内に熱がこもりやすい製造工場で、非常に高い省エネ効果をもたらすと言われています。
その原理は、水の気化熱を利用して温風や冷風を作り出すシステムになっており、エネルギー効率の良い冷暖房システムを実現できます。例えば、夏場の暑い時期には、水膜で覆った冷却エレメントを通し、気化放熱現象で外気の熱を奪い冷風を作ると言ったものになっており、高い省エネ効果を実現します。なんと、その省エネ効果は最大で87%に上るとまで言われています。
因みに、水膜を通ることによって埃やゴミも取り除くことができますので、クリーンな給気システムの構築も期待できます。

気化熱利用型給気システムの詳細は、こちらの資料がわかりやすいです。

外壁や屋根塗装の塗料を見直す

工場や倉庫でも、一般住宅と同様に定期的な外壁塗装や屋根塗装が必要になります。このような塗装工事を行う場合、使用する塗料の機能に注目すれば大きな省エネ効果を期待することができます。
一般的に塗装工事というものは、塗装の剥がれや錆などが目立ち、外観イメージが悪くなった時、それを直す目的で進める物だと考えている人が多いです。しかし、近年では塗料によって様々な機能を持っている『高機能性塗料』と呼ばれる物が多く登場しており、塗料選びは慎重に行うことをオススメします。例えば、塗料の中には『断熱効果』を持ったものも存在しており、この塗料を採用することによって冷暖房設備の省エネ対策を進めることができるのです。
この断熱塗料は、その名の通り、熱を遮断する効果を持っていますので、夏の暑い外気が室内に影響するのを抑え、さらに冬場は室内の暖かい空気を外に逃がしにくくするというものです。つまり、夏場も冬場も空調設備の稼働を抑えることができ、大きな省エネ効果を期待することができるわけです。
因みに、外壁塗装や屋根塗装を行う場合、屋根に使用する塗料は外壁よりワンランク上の物を採用しましょう。屋根は、紫外線の影響を受け続ける場所ですので、外壁と比較すると塗料の寿命が短くなる傾向があります。外壁と屋根において、塗料にかかる負担の違いを考慮しておくことで、再塗装が必要な時期の目安を合わせることもでき、余計な足場代などの仮設費を削減できる効果も得られます。

まとめ

今回は、工場や倉庫などの大規模施設において省エネ対策に役立つ技術や機器についてご紹介してきました。大規模設備での省エネ対策と言えば、LED照明や太陽光発電システムの導入が一般的になっていますが、探せば他にも様々な省エネ技術があるものです。特に外壁や屋根に施す塗装に関しては、外観デザインやイニシャルコストに目がいきがちで、塗料ごとの機能性に関しては考えていないという方も少なくありません。もちろん、機能性塗料は、通常の塗料と比較すると高額になり、面積の大きな工場などであれば、イニシャルコストに大きな違いが出るのも確かです。しかし、こういった塗料には耐用年数が長いというメリットがあり、再塗装の間隔を伸ばすことができますので、再塗装の際には塗料選びから慎重に行うことをオススメします。
近年では、省エネや環境を考えた技術の導入が企業の社会的責任ともみなされるようになっています。しかし、自社の施設への省エネ対策は、負担だけではなく大きなメリットも存在していますので、できる部分から徐々に進めてみてはいかがでしょうか。

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