今回は、工場や倉庫における地震対策についてご紹介します。お客様の大切な製品を製造する工場や、さまざまな物品を保管する倉庫では、いろいろな自然災害対策を考えていることでしょう。もともと日本国内は、諸外国と比較しても頻繁に地震が発生する場所で、『地震大国』などとも呼ばれています。また、夏の終わりから秋口にかけては、ぞくぞくと台風が上陸し、大雨や強風による被害も珍しくありません。したがって、お客様の大切な製品を製造・保管する施設では、これらの自然災害に関する対策は欠かせないものだと言えるのです。
特に近年では、震度4以上の地震が全国的に頻発しており、マグニチュード8から9クラスの超巨大地震が30年以内に発生する確率が非常に高くなっていると言われています。建物自体の耐震工事を進めることも重要ですが、本格的な耐震工事となると、やはり工事のために多額なコストがかかってしまうことがネックとなる中小企業も少なくありません。
そこで今回は、低コストでも進められる、工場や倉庫の耐震対策に役立つさまざまなアイテムをご紹介していきます!
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今後予想される巨大地震について
それではまず、今後高い確率で発生すると考えられている巨大地震の情報について少し触れておきましょう。冒頭でもご紹介したように、世界中で発生しているマグニチュード6以上の地震のうち、2割以上が日本で発生していると言われています。そもそも、日本には、北海道から九州まで、発見されている活断層だけでも約2,000あると言われており、まだ発見されていない活断層も考えると、「いつ、どこで」大きな地震が発生してもおかしくない国だと言えるのです。
近年、テレビ番組でも特集されることが増えている巨大地震には『南海トラフ地震』がありますが、実はそれ以外にも近い将来、発生の可能性が指摘されている『日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震』など、複数の地震があるのです。さらに日本政府は、マグニチュード8から9クラスの巨大地震が発生すると言われる『南海トラフ地震』について、その発生確率が「今後30年以内に70%程度」と発表していたものを、昨年の2月に『70%~80%』に引き上げると発表しており、巨大地震の切迫性はどんどん高くなっていると思われます。
地震の発生に関しては、さまざまな技術が進歩した現在でも、完全に予知することは不可能と言われていますので、常日頃から施設の耐震性を高めることや、定期的に防災訓練を進めることが、とても重要になるのかもしれません。
工場や倉庫において、低コストで行える地震対策
それでは、工場や倉庫などの施設で低コストで行える地震対策についてご紹介しましょう。こういった施設では、重量のある機械が利用されることも多く、倉庫ではスペースを有効利用するため、高所まで荷物を積み上げている施設も少なくないでしょう。したがって、巨大地震が発生した場合には、機械に人間が挟まれてしまうことや、高所から荷物が落下して避難経路を塞ぐ、荷物が人にぶつかって怪我をしてしまうなど、深刻な人的被害を発生させる可能性も高いです。
工場や倉庫では、製品を守ることも重要ですが、何よりも従業員の命を守るためには、どのような対策を行えば良いのかという視点も持つようにしましょう!
落下防止器具『スーパーディフェンス』
これは、たくさんの製品が棚に置かれている倉庫などでとても役に立つアイテムです。倉庫などでは、棚に置かれている製品が床に落下し、破損したり、避難通路を塞いでしまうことが問題となります。特に、内容物散乱が火災に発展するような製品であれば、二次災害にもつながりますので何らかの対策は必要になるでしょう。
この『スパーディフェンス』は、ポップアップ式の落下防止器具です。通常時は作業の邪魔にならないように格納されているストッパーですが、震度4以上の地震が生じた時にはストッパーが自動で瞬時に立ち上がり、棚から製品が落下するのを防止します。取り付けも簡単で、繰り返し何度も使える棚の地震対策として非常に有効なアイテムだと思います。特に、内包物散乱で二次被害が発生しやすい薬品の収納棚にはオススメです。
世界一薄い免振装置と言われる『ミューソレーター™』
敷き詰めるだけで免振効果が得られる『ミューソレーター™』は、精密機械を使用する工場やさまざまな製品を保管する倉庫に非常にオススメのアイテムです。『ミューソレーター™』は、コンクリートの下に敷き詰めることでフロア全面の免震化をすることが可能など、低コストで工場や倉庫の地震対策を進めたいと考えている場合にはオススメ度の高いアイテムです。
工場や倉庫の定番『キャスターストッパー』
キャスターストッパーは、わかりやすく言うと自動車の車輪止めのようなもので、地震の揺れによってラックや機械などが動いてしまうことを防止するアイテムです。キャスター付きのラックなどには、動かないようにキャスターを固定する機能もあるのが普通ですが、地震などの揺れがあった場合には関係なしに動いてしまうことも珍しくありません。そこで、キャスターストッパーを利用することによって、フローリング、カーペット、コンクリート、アスファルトなどといった、さまざまな床面に対して固定が可能になるのです。メーカーの機能試験では、震度6クラスの揺れにも耐えた実績があるそうです。
ちなみに、耐水仕様のキャスターストッパーは、食品工場など水回りでも利用可能です。工場や倉庫において、ラックや機械が勝手に動いてしまうのを防止するには非常に導入しやすいアイテムだと思います。
強固に固定する『Z金具』
キャスターストッパーよりも強固に固定が可能なアイテムが『Z金具』です。『Z金具』は、アンカーボルトなどを利用して床に金具を固定し、アジャスターフックを機械にかけて固定することができます。重量大きい機械だと、キャスターストッパーだけでは動いてしまう可能性もありますので、従業員の安全も考えてより強固に固定がしたいと思う場合は、こちらを利用すると良いでしょう。
まとめ
今回は、工場や倉庫における地震対策についてご紹介してきました。本稿でもご紹介しているように、日本ではマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する確率が非常に高くなっていると言われており、大切な従業員や製品を地震から守るには、さまざまな地震対策を考えなければいけないでしょう。
もちろん、建物自体の耐震性を高めることもとても重要ですが、多額な費用が必要になってしまうため、まずは身近なところから地震対策を進めるのも良いのではないでしょうか。